元となった辞書の項目
intonation
解説
1. 基本情報と概要
単語: intonation
品詞: 名詞 (通常は不可算名詞として扱いますが、文脈によっては可算名詞として使われる場合もあります)
英語での意味: the rise and fall of the voice in speaking, conveying grammatical or emotional meaning
日本語での意味: 発声時の声の高低の変化、文法的・感情的な意味合いを伝えるための音の上げ下げ
「イントネーション」は、会話や文章を声に出すときに声の高さを上げ下げして、相手に感情や意図を伝える機能を持つ重要な要素です。感嘆文の最後を上げたり、疑問文の終わりを上げたりして、話し手の意思や感情を補足する役割をします。
活用形の例
- 通常は名詞として使われるため、活用というよりは、「intonation of 〜 (〜のイントネーション)」のように前置詞と合わせて使うことが多いです。
他の品詞形
- intonate (動詞): 「〜を抑揚をつけて話す」
- intonational (形容詞): 「イントネーションの、イントネーションに関する」
CEFRレベル: B2(中上級)〜C1(上級)
- B2(中上級): この単語は、ある程度複雑な英語の学習に慣れてきた学習者が、発音や話し方に関する知識を深めるときに登場します。
- C1(上級): 学術的に音声学や言語学に関心を持つレベルでも使用頻度が高まります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- in-(接頭語): 「中へ」「〜において」の意味を持つことが多いが、ここでは意味上の影響が薄れています。
- tone(語幹): 「音」「調子」「声の高さや性質」を表す。
- -ation(接尾語): 「〜の状態」「〜化」を表す名詞化の接尾語。
関連語・派生語
- intonate: 抑揚をつけて発音する(動詞)
- intone: 朗唱するように話す、詠唱する(動詞)
- intonational: イントネーションに関する(形容詞)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- rising intonation(上昇するイントネーション)
- falling intonation(下降するイントネーション)
- intonation pattern(イントネーション・パターン)
- correct intonation(正しいイントネーション)
- intonation contour(イントネーションの輪郭)
- subtle intonation change(微妙なイントネーションの変化)
- intonation shift(イントネーションの変動)
- neutral intonation(ニュートラルなイントネーション)
- intonation practice(イントネーション練習)
- emotional intonation(感情を帯びたイントネーション)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語の「intonare(声を上げて歌う/雷鳴をとどろかせる)」が由来とされています。
- そこから「声の高低をつける」という意味が派生し、フランス語を経由して英語に入りました。
ニュアンスと使用時の注意:
- 「intonation」は、文脈(疑問文、感嘆文、平叙文など)や感情表現を強調するために使われる音声上の要素です。
- 話し言葉でよく使われますが、発話を記述するときなどに文章でも使われます。
- 口語では「pitch (声の高さ)」という言葉も使われますが、より言語学的・音声学的に専門的な響きがあります。
使用シーン:
- カジュアル: 「彼/彼女のイントネーションがおかしい」のように、ネイティブ同士で話し方を評価するとき。
- フォーマル/学術: 言語学の文献や語学学習教材など、教養的・専門的な場面。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞(不可算/可算):
- 一般的には不可算名詞として使われますが、「the intonations of this dialect」のように可算名詞としても使われる場合があります。
- 一般的には不可算名詞として使われますが、「the intonations of this dialect」のように可算名詞としても使われる場合があります。
- 他動詞 / 自動詞:
- 「intonation」自体は名詞なので、動詞としての使い分けはありません。
- 動詞形の「intonate」や「intone」を使う場合は「(他動詞) to intonate a phrase / passage」などの構文になります。
- 「intonation」自体は名詞なので、動詞としての使い分けはありません。
一般的な構文例
- “(subject) + has + (adjective) + intonation.”
- “He has a very natural intonation when speaking English.”
- “He has a very natural intonation when speaking English.”
- “(adjective) + intonation + (of + noun/phrases).”
- “The rising intonation of questions is important in English.”
5. 実例と例文
(A) 日常会話
- “I like how your intonation changes when you’re excited!”
- (訳) 「あなたが興奮しているときのイントネーションの変わり方が好きだな!」
- (訳) 「あなたが興奮しているときのイントネーションの変わり方が好きだな!」
- “Her intonation made it sound like she was asking a question, even though she wasn’t.”
- (訳) 「彼女のイントネーションのせいで、質問しているかのように聞こえたよ。」
- (訳) 「彼女のイントネーションのせいで、質問しているかのように聞こえたよ。」
- “Try to add a bit more rising intonation at the end of your sentences.”
- (訳) 「文末をもう少し上げ気味にしてみて。」
(B) ビジネス
- “Your intonation in the presentation really helped keep everyone engaged.”
- (訳) 「あなたのプレゼンでのイントネーションは、みんなの関心を引きつけるのにとても役立ちました。」
- (訳) 「あなたのプレゼンでのイントネーションは、みんなの関心を引きつけるのにとても役立ちました。」
- “Proper intonation can convey confidence and clarity in business negotiations.”
- (訳) 「適切なイントネーションはビジネス交渉での自信や明瞭さを伝えることができます。」
- (訳) 「適切なイントネーションはビジネス交渉での自信や明瞭さを伝えることができます。」
- “Let’s practice the intonation for key parts of the sales pitch.”
- (訳) 「セールストークの重要部分のイントネーションを練習しましょう。」
(C) 学術的・アカデミック
- “The study examined the intonation patterns across different dialects of English.”
- (訳) 「その研究は英語のさまざまな方言におけるイントネーション・パターンを調べました。」
- (訳) 「その研究は英語のさまざまな方言におけるイントネーション・パターンを調べました。」
- “Intonation plays a central role in distinguishing statements from questions in many languages.”
- (訳) 「多くの言語ではイントネーションが、陳述文と疑問文を区別する中心的な役割を果たしています。」
- (訳) 「多くの言語ではイントネーションが、陳述文と疑問文を区別する中心的な役割を果たしています。」
- “Phonetics lectures often emphasize the importance of intonation in conveying pragmatics.”
- (訳) 「音声学の講義では、語用論を伝える上でのイントネーションの重要性がよく強調されます。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- inflection (抑揚、屈折)
- 言語学の場面では単語の形を変化させる「屈折」を指すこともあるため、イントネーションとは文脈で区別。
- 言語学の場面では単語の形を変化させる「屈折」を指すこともあるため、イントネーションとは文脈で区別。
- pitch (ピッチ、声の高さ)
- 単に声の高さに焦点を当てる言葉。イントネーションは「上げ下げ」の連続的な変化に注目する。
- 単に声の高さに焦点を当てる言葉。イントネーションは「上げ下げ」の連続的な変化に注目する。
- tone (音調、調子)
- 音そのものの質や高さ。特に「声の調子」全般を指して使われることが多い。
- 音そのものの質や高さ。特に「声の調子」全般を指して使われることが多い。
- cadence (リズム、拍子)
- とくに詩や音楽的リズムに使われる言葉。イントネーションほど細かい声の上げ下げには言及しない。
- とくに詩や音楽的リズムに使われる言葉。イントネーションほど細かい声の上げ下げには言及しない。
反意語
- 厳密な“反意語”はないが、monotone (単調) が「イントネーションの変化がない」という対比的な単語として挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA表記:
- 英: /ˌɪn.təˈneɪ.ʃən/
- 米: /ˌɪn.toʊˈneɪ.ʃən/(地域差による若干のバリエーションあり)
アクセントの位置
- “-na-”の部分に強勢(ネイティブは「ねイ」のようなイメージ)があります。
アメリカ英語とイギリス英語での違い
- 大きな違いはありませんが、母音の発音がやや変わる場合があります。
- イギリス英語では「インタネイション」、アメリカ英語では「イントネイション」と「ト」の部分を少し短く発音するイメージです。
よくある発音ミス
- 語尾を「-tion」ではなく「-shon」に聞こえるように発音しないと、日本語の「ション」とは微妙にズレが生じる場合があります。また、強勢が前の “in” に来ないように注意します (“inTONation” にならないように)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “intonation” の最初は “int-”、中間の “-na-” あたりが間違えやすい。“inton t a tion”などと表記しないように注意。
- 同音異義語との混同: “denotation” (語の明示的意味) や “annotation” (注釈) など見た目が似ている単語とは別物なので注意。
- 試験対策(TOEIC・英検など):
- 発音問題や、リスニングで「イントネーション」という単語が文脈上指摘される場合があります。
- スピーキング試験では、イントネーションそのものを意識して答えることが評価につながることもあります。
- 発音問題や、リスニングで「イントネーション」という単語が文脈上指摘される場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “in + tone + ation” と分解して、「声の“トーン (tone)”を中に含んで、形作っているもの」とイメージすると覚えやすいです。
- 抑揚という言葉を思い浮かべ、声の“上下(上げ下げ)”を意識すると発音も自然に上がりやすくなります。
- 練習時は、自分の声を録音して「文末を上げる・下げる」を繰り返し確認すると効果的です。
以上が、“intonation” の詳細な解説です。イントネーションを意識して話すことで、英語でのコミュニケーションが一層豊かになります。ぜひ練習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(声の)抑揚,音調
意味(2)
詠唱,吟唱