元となった辞書の項目
personally
解説
1. 基本情報と概要
単語: personally
品詞: 副詞 (adverb)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B1(中級)やB2(中上級)レベル以上の英語学習者にとって、スムーズに理解しやすい単語です。
意味(英語)
- In a personal manner; from one's own point of view.
- By oneself, without the intervention of others.
意味(日本語)
- 「個人的には」「自分としては」「自分の観点から」
- 「自分自身で」「直接に」
「personally」は、自分の意見や感想を強調するときに「個人的にはこう思うよ」というニュアンスで使う単語です。自分自身の視点や主観をはっきり示したいときに用いられます。
活用形
- 副詞のため、一般的に「-ly」の形以外の活用はしません。
他の品詞形
- person (名詞) - 「人」
- personal (形容詞) - 「個人的な」「私的な」
- personable (形容詞) - 「感じの良い、好感の持てる」
2. 語構成と詳細な意味
- person(人)という語幹
- personal(形容詞:個人的な)
- -ly(副詞化の接尾辞)
「personally」は「personal + ly」で、「個人的な(personal)」に「〜の方法で」を加えた「個人的な方法で」「自分としては」の意味を表します。
関連語やコロケーション
よく使われる共起表現(コロケーション)や関連フレーズを10個挙げます。
- personally speaking → (私個人としては)
- personally prefer → (個人的には~を好む)
- personally responsible → (個人的に責任がある)
- take it personally → (それを個人的な悪意だと受け取る)
- I personally think… → (個人的には…と思う)
- personally involved → (個人的に関わっている)
- personally liable → (個人的に責任を負う)
- nothing personal → (個人的な悪意はない)
- don’t take this personally → (これは個人的に受け取らないでほしい)
- feel personally attacked → (個人的に攻撃されたと感じる)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「person(人)」はラテン語の “persona” (仮面や役柄の意)に由来。そこから派生した形容詞「personal」に、副詞化する「-ly」がついて「personally」になりました。
- ニュアンス: 「personally」は話し手の主観を強調します。自分の意見、感想を直接表現したいときに使われます。
- 使用時の注意点:
- 「個人的なアプローチ」や「主観」という印象を強めるため、フォーマルな文章でもカジュアルな日常会話でも使えますが、頻繁に使いすぎると主張が強く感じられる場合もあります。
- ビジネスメールや会議の場では、「客観的事実の提示」と区別して使うのが望ましいです。
- 「個人的なアプローチ」や「主観」という印象を強めるため、フォーマルな文章でもカジュアルな日常会話でも使えますが、頻繁に使いすぎると主張が強く感じられる場合もあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 文全体を修飾する副詞: 文章の冒頭や途中に置いて、話し手の個人的な意見を強調します(例: “Personally, I believe…”)。
- 他動詞/自動詞の区別: 動詞を修飾する場合も、文全体を修飾する場合も問題なく使えます。
- イディオム: 「take something personally」は「それを自分への個人的な批判だと受け止める」意味でよく用いられます。
使用シーン
- フォーマル: 会議で個人的見解を示すとき (“Personally, I would recommend this approach.”)
- カジュアル: 友だちとの会話での感想表明 (“Personally, I’m not a big fan of spicy food.”)
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Personally, I think the movie was a bit too long, but the ending was great.”
(個人的には、その映画は少し長すぎたと思うけど、結末は最高だったよ。) - “I wouldn’t take it personally if he forgot your name; he’s just bad with names.”
(彼があなたの名前を忘れていても、個人的に気にしないほうがいいよ。彼は名前を覚えるのが苦手なんだ。) - “Personally, I prefer staying in rather than going out on weekends.”
(週末に外出するよりは、個人的には家にいるほうが好きです。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Personally, I believe that investing in employee training yields long-term benefits.”
(個人的には、社員研修への投資は長期的なメリットをもたらすと考えています。) - “Don’t take this personally, but we need to reconsider the project timeline.”
(個人的な攻撃ではないのですが、プロジェクトのスケジュールを再検討する必要があります。) - “I would personally handle the client complaint to ensure customer satisfaction.”
(顧客満足を確保するために、私自身がクレーム対応を行いたいと思います。)
学術的・論文での例文(3つ)
- “Personally, I find the quantitative approach more reliable, though qualitative data offers rich context.”
(個人的には、定量的アプローチのほうが信頼できると思いますが、質的データも豊かな文脈を提供します。) - “While the researcher claims objectivity, personally, I detect some bias in the sampling method.”
(研究者は客観性を主張していますが、個人的にはサンプリングの手法にバイアスを感じます。) - “The findings do not personally affect my own hypothesis, but they do prompt further inquiry.”
(この結果は私自身の仮説には直接影響しませんが、さらなる調査を促すものであると考えます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- in my opinion(私の意見では)
- 形式ばらない言い方。口頭や文章で広く使われる。
- 形式ばらない言い方。口頭や文章で広く使われる。
- for my part(私としては)
- ややフォーマル。自分の立場を強調するときに。
- ややフォーマル。自分の立場を強調するときに。
- subjectively(主観的に)
- 「私の主観としては」というニュアンスが強い。
- 「私の主観としては」というニュアンスが強い。
- privately(私的に、内心では)
- 公表せず内々での感想を示す。
- 公表せず内々での感想を示す。
反意語
- objectively(客観的に)
- 主観的ではなく、客観的な視点を示す。
- 主観的ではなく、客観的な視点を示す。
- impersonally(個人的感情を交えずに)
- 感情や個人の要素なしに、という意味合い。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈpɝː.sən.əl.i/ (アメリカ英語)、/ˈpɜː.sən.əl.i/ (イギリス英語)
- 最初の “per-” の部分が強く発音されます。
- アメリカ英語では “r” の音が強めに出やすい一方、イギリス英語では “r” がやや控えめです。
- “personally” の“a”を“o”と間違えるなどのスペルミスに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “personnally” と “n” を重ねてしまったり、“personaly” と “l” を一つだけにしてしまう場合があります。正しくは personally (r + s + on + a + ll + y の順) です。
- “personal” と混同: 形容詞の「personal(個人的な)」と、副詞の「personally(個人的に)」は意味と文法的な使い方が異なります。文中の位置や修飾関係に注意しましょう。
- TOEIC・英検など: 「自分の意見を述べる」「立場・視点を示す」パートで登場しやすいです。意見や主張を述べる問題などでよく使われます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「person + al + ly」と分解して、「person(人)」を基に「個人的に」というイメージを思い出すと覚えやすいです。
- 「最初の a は入らない! “persona” ではなく “person” が基礎」という点に気をつけると、スペルミスを防ぎやすいでしょう。
- 勉強テクニックとしては、「Personally, I ...」というフレーズを自分で繰り返し声に出して練習すると、自然に口をついて出るようになります。
以上が、副詞 personally の詳細な解説です。ぜひ、ご自身の意見を強調したい場面や、主観的なアプローチを述べるときに使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
自分自身で,本人自ら
意味(2)
《文頭に置いて》自分としては
意味(3)
一個の人間として,個人的に
意味(4)
自分に向けられたものとして,個人に当てつけて