put
《副詞を伴って》(ある場所・位置に)…を置く / 《状態を表す副詞を伴って》(ある状態に)…を置く / 《仕事・任務・目的などに》...を向ける,を用いる《to ...》 / 《物事に》〈解釈・価値など〉を与える《on, upon ...》 / 《…に》〈考えなど〉を表現する,述べる《into ...》
1. 基本情報と概要
単語: put
品詞: 動詞 (一部、名詞として「put option: 売る権利」という用法もあります)
意味(英語): to place something somewhere; to move or position something
意味(日本語): 物をある場所に置く、または動かして配置すること。「何かをどこかに置く」という行為を表す、最も基本的な単語です。
カジュアルからフォーマルまで、日常会話からビジネスまで幅広く使われるとても便利な動詞です。
活用形
- 原形: put
- 過去形: put
- 過去分詞形: put
- 現在分詞形: putting
他の品詞としての例
- 名詞: put(投資用語で「プットオプション」)など
CEFRレベルの目安: A2(初級)
A2(初級)は、基本的な動詞を使ってシンプルな行動や指示を表現できるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「put」は非常に短い単語で、はっきりした接頭語・接尾語を持ちません。起源をたどるとゲルマン系の古い動詞に由来するため、語幹自体が「put」です。
派生語や類縁語
- putative(形容詞: 推定上の)
語源的につながりがあるとも言われますが、現代では意味合いが大きく異なり、直接的な派生とは言いにくい時間を経た変化形です。 - 名詞形として投資用語「put option(プット・オプション)」があります。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- put on …(…を身に着ける)
- put off …(…を延期する)
- put away …(…を片付ける / しまう)
- put aside …(…を脇に置く / 保留する)
- put up with …(…を我慢する)
- put out …((火・照明など)…を消す)
- put over …(…をうまく伝える / 説明する)
- put in …(…を入れる / 注ぎ込む)
- put forward …((意見など)…を提案する)
- put something into practice(~を実行に移す)
これらは日常会話でもビジネスでもよく使われる表現で、前置詞が変わるだけで大きく意味が変わる点が「put」の面白いところです。
3. 語源とニュアンス
語源
「put」は古英語の “pyttan” に遡るとも言われますが、正確な起源ははっきりしていません。古いゲルマン系の動詞から派生したとされます。とても基本的な動詞で、古くから「位置を変える」「置く」というコアのイメージをもっています。
使用時のニュアンスや注意点
- 「put」は置く動作をシンプルに表す基本動詞です。
- さまざまな前置詞や副詞と組み合わさって、意味が大きく変化する「句動詞(phrasal verb)」としての使い方が重要です。
- カジュアルでもフォーマルでも広く使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 「put」は他動詞として、「put + 目的語 + 前置詞句」といった形が非常に一般的です。
例: “Put the book on the table.”(本をテーブルに置いて) - 口語では目的語が代名詞の場合、“Put it down.” など、代名詞を動詞のすぐ後ろに置くのが普通です。
- イディオムや句動詞として多用され、意味が大きく変わるため、覚えておくと表現力がアップします。
イディオム例
- “Put two and two together”: 状況から判断する、推測する。「(証拠を)つなぎ合わせて結論を出す」イメージ。
- “Put your money where your mouth is”: 口先だけでなく実際に行動して示せという意味。
5. 実例と例文
5-1. 日常会話(3例)
- “Could you put the groceries in the fridge?”
(食料品を冷蔵庫に入れてくれる?) - “I’ll put on my jacket before I go out.”
(出かける前に上着を着るよ。) - “Don’t forget to put away your toys.”
(おもちゃを片付けるのを忘れないでね。)
5-2. ビジネス(3例)
- “Please put the report on my desk by tomorrow.”
(明日までにそのレポートを私の机に置いておいてください。) - “We might need to put off the meeting until next week.”
(会議を来週まで延期する必要があるかもしれません。) - “Could you put forward your proposal at the next meeting?”
(次の会議であなたの提案を出していただけますか?)
5-3. 学術的な文脈(3例)
- “We have to put these findings into perspective with previous research.”
(これらの発見を先行研究と比較して見直す必要があります。) - “He put forth a new hypothesis regarding climate change.”
(彼は気候変動に関して新しい仮説を提唱しました。) - “This theory puts the emphasis on social factors over biological ones.”
(この理論は生物学的要因よりも社会的要因に重点を置いています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- place(~を置く)
- “put”とほぼ同意ですが、ややフォーマルで具体的な配置のニュアンス。
- “put”とほぼ同意ですが、ややフォーマルで具体的な配置のニュアンス。
- set(~を置く)
- “put”よりも意図的に何かを整えて置く感じがある。
- “put”よりも意図的に何かを整えて置く感じがある。
- lay(~を横にして置く)
- 横にするイメージが含まれる。混同に注意。
- 横にするイメージが含まれる。混同に注意。
- position(~の位置を決めて置く)
- “put”よりも場所や位置を正確に決めるイメージが強い。
- “put”よりも場所や位置を正確に決めるイメージが強い。
反意語
- remove(取り除く)
- take away(持ち去る)
いずれも「置く」の反対動作を表す言葉で、場面に応じて使います。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA): /pʊt/(アメリカ英語 / イギリス英語 共通)
- アメリカ英語・イギリス英語ともに、短い「u」の母音を使います。
- “u” を「プット」のように発音する際、日本語の長音「プート」にならないよう注意が必要です。
- 1音節なので、特別な強勢の位置は意識しなくて問題ありません。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルは “put” と非常に短いので、スペルミスは少ないですが “putt”(ゴルフ用語)と混同しないようにしてください。
- 同音異義語で “putt” というゴルフ用語がありますが、意味が全く違います(ゴルフでボールを転がして打つ動作)。
- 句動詞の形によって意味がまったく変わるので、前置詞や副詞との組み合わせは必ず覚えておくことが重要です。
- TOEICや英検などの試験でも、句動詞の熟語問題で頻繁に登場します。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 短い単語だからこそ、前置詞や副詞で意味が変わる「変幻自在の動詞」として覚えると良いです。
- 「手で“ポッ”と置く」イメージで覚えると、スペルの “put” と動作のイメージが結びつきやすくなります。
- 各句動詞をイメージで覚えておくと、実際の会話ですぐに使えるようになります。たとえば “put on” は「身につける」、 “put off” は「遠ざける/延期する」、といったイメージ連想が有効です。
「put」は会話でも文書でも頻繁に使われる非常に大切な動詞です。語彙を広げるためにもさまざまな「put + 前置詞」の組み合わせを身につけてみてください。
《副詞[句]を伴って》(ある場所・位置に)…‘を'置く,載せる,すえる,付ける
《状態を表す副詞[句]を伴って》(ある状態に)…‘を'置く,する;〈人・動物〉‘に'(…)させる
(苦痛・試練などを)〈人〉‘に'受けさせる《+名〈人〉+to+名》
(人・物に)〈税・負担など〉‘を'課す,負わせる《+名+on+名(a person's do*inn*)》
(人・事に)〈責任など〉‘を'かぶせる,負わせる《+名+on(upon)+名》;(責任などを)〈人・事〉‘に'かぶせる《+名+to+名》
(物事に)〈解釈・価値など〉‘を'与える,(物に)〈価格など〉‘を'付ける《+名+on(upon)+名》
…‘を'評価する,見積もる,みなす
(…に)〈考えなど〉‘を'表現する,述べる《+名+into+名》;〈文字・印など〉‘を'書き付ける,記入する《+名+on+名》
(…に)…‘を'翻訳する《+名+into+名》
(…に)〈問題・質問など〉‘を'提出する,提起する《+名+to(before)+名》
(物事に)〈終止・制限など〉‘を'与える《+名+to+名》
〈船などが〉進む,行く,向かう
《話》急いで立ち去る;逃げ出す
(仕事・任務などに)〈人・動物〉‘を'向ける,つける;(用途・目的などに)〈物事〉‘を'向ける,用いる《+名+to+名》