《名詞節を導いて》…ということ / 《it is(was)…that…の強調構文に用いられて》…のは… / 《原因・理由・判断の根拠を表す節》…だから,とは,の故に / 《目的・意図を表す節》…するように,するために / 《so(such)と相関して結果を表す節》(とても)…なので,…の結果 / 《範囲・制限を表す節》…する限りでは(so far as) / 《願望・感情を表す節を導いて》《文》…であればよいのだか, …とは驚いた
that
《名詞節を導いて》…ということ / 《it is(was)…that…の強調構文に用いられて》…のは… / 《原因・理由・判断の根拠を表す節》…だから,とは,の故に / 《目的・意図を表す節》…するように,するために / 《so(such)と相関して結果を表す節》(とても)…なので,…の結果 / 《範囲・制限を表す節》…する限りでは(so far as) / 《願望・感情を表す節を導いて》《文》…であればよいのだか, …とは驚いた
1. 基本情報と概要
単語: that
品詞: 接続詞 (ただし、代名詞や形容詞的用法(限定詞)、関係代名詞としても使われます)
「that」は、「〜ということ」「〜という事実」を導くために使われる接続詞です。たとえば、“I think that it will rain.”(雨が降ると思う)のように、動詞「think」の目的節(「〜ということ」)を導きます。日常会話や文章など、広い場面で使われるきわめて基本的な単語です。カジュアルな文では省略されることが多いですが、フォーマルな文脈では「that」を残すことで、意味がはっきりとわかりやすくなります。
- CEFRレベルの目安: B1(中級)
- A1やA2段階でもよく見かける単語ですが、「that節」をしっかり使いこなせるようになるのはB1あたりという目安です。
他の品詞としての例
- 代名詞: “That is my book.”(あれは私の本です)
- 限定詞(形容詞的用法): “That book is mine.”(あの本は私のもの)
- 関係代名詞: “The book that I bought is interesting.”(私が買った本は面白い)
活用形
「that」には動詞のような活用はありません。一語で常に同じ形です。
2. 語構成と詳細な意味
「that」は非常に古くから存在する短い単語なので、接頭語や接尾語といった構成要素はありません。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- I think that ...
(私は〜だと思う) - I believe that ...
(私は〜だと信じる) - I’m sure that ...
(私は〜と確信している) - It seems that ...
(〜のように思われる) - It appears that ...
(〜のように見える) - It is possible that ...
(〜の可能性がある) - It is said that ...
(〜だと言われている) - It turns out that ...
(結局〜ということがわかる) - The fact that ...
(〜という事実) - Provided that ...
(もし〜ならば、〜という条件で)
これらの表現は、「that節」を用いて「〜ということ」を導く際によく使われます。
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語の “þæt(that)” にさかのぼります。ゲルマン語派に共通する“指示詞”として発展した歴史があります。
- 歴史的用法: 古くは「指し示す」役割のほかに、文を後ろに続ける機能もあり、現代英語の「that」の用法と大きく変わっていないと言われています。
ニュアンス・使用上の注意
- 口語: “I think (that) ...” のように、口語では「that」を省略することが多いです。
- 文章/フォーマル: 文章やフォーマルな場面では「that」を省略せずに書くことが推奨される場合もあります。
- カジュアル: 友人同士の会話ではしばしば「I think he is right.(I think that he is right から that を省略)」のように省略形が自然です。
- フォーマル: 論文やビジネス文書では、文の明確さや形式性の観点から「that」を入れるほうが好ましいことがあります。
4. 文法的な特徴と構文
接続詞 “that” は、主語や目的語などの名詞節を導きます。
例: “I heard that you got a new job.”(あなたが新しい仕事を得たと聞きました)省略可能性: 動詞や表現によっては “that節” の “that” を省略しても文法的に問題ない場合があります。
例: “I think (that) it’s going to rain.”フォーマル/カジュアルの使い分け: 前述の通り、書き言葉やフォーマルな文脈では省略しないほうが無難です。
可算/不可算: “that” は名詞ではなく接続詞として使う場合、可算・不可算の概念はありません。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I’m happy that you came to visit me.”
(来てくれて嬉しいよ) - “It’s amazing that we ran into each other here.”
(こんなところでばったり会うなんてすごいね) - “They said that they would call later.”
(後で電話すると言っていたよ)
(2) ビジネスでの例文
- “I propose that we schedule a follow-up meeting next week.”
(来週フォローアップ会議を設定することを提案します) - “It’s critical that we meet the deadline for this project.”
(このプロジェクトの締め切りを守ることは非常に重要です) - “She mentioned that the client was unsatisfied with the initial proposal.”
(彼女は、クライアントが最初の提案に不満を持っていると言っていました)
(3) 学術的な文脈での例文
- “The experiment demonstrated that the hypothesis was correct.”
(実験によってその仮説が正しいことが証明された) - “It is widely accepted that climate change is a pressing global issue.”
(気候変動が喫緊の地球規模課題であることは広く認められています) - “The study suggests that further research is necessary.”
(この研究は、さらなる調査が必要であることを示唆しています)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- which / who (関係代名詞)
- “The idea that was proposed yesterday” vs. “The idea which was proposed yesterday.”
- 意味は似ていますが、「that」は広く何でも先行詞として受けられるのに対し、「which」は物や情報、「who」は人を指す場合に使われます。
- “The idea that was proposed yesterday” vs. “The idea which was proposed yesterday.”
- what
- “I know what you mean.”(私はあなたが何を言ったか(意味)を知っています)
- “I know that you mean something important.”(あなたが重要なことを言っているということを知っています)
- 「what」は「何を」の意味合いが強く、接続詞「that」とはニュアンスが異なります。
- “I know what you mean.”(私はあなたが何を言ったか(意味)を知っています)
※「that」の接続詞に直接対応する厳密な反意語はありません。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ðæt/
- アメリカ英語・イギリス英語: 発音はほぼ同じです。両方とも /ðæt/ が一般的です。
- 強勢(アクセント)の位置: 一音節なので特にアクセントの位置の違いはありません。
- よくある発音ミス: /ð/(有声の歯摩擦音)が日本語にはないため、[d] や [z] などで置き換えてしまうミスが多いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “that” は短い単語ですが “than” や “then” と混同する学習者がいます。
- 省略のしすぎ: 書き言葉やフォーマルな書類で「that」を常に省略すると、文意があいまいになる場合があるので注意が必要です。
- TOEIC・英検などでも出題: “that節” を用いた文章完成問題や読解問題でよく見かけます。「省略されている that を補えるか」などがポイントになることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “that” は「指し示す」感覚から覚えるとわかりやすいです。
- “I know that ...” は「私は『これこれのこと』を知っている」というように、“指さし”イメージで頭に入れると理解しやすいでしょう。
- スペルも非常に短いので、「th + at = that」というふうに分解して押さえるとミスが減ります。
- 省略する/しないの使い分けを、話し言葉と書き言葉で意識すると学習の効率が上がります。
以上が、接続詞としての “that” の詳細な解説です。さまざまな文脈で使われる基本的かつ重要な単語ですので、文法的・文体的な特徴を意識して使い分けるようにすると良いでしょう。