元となった辞書の項目
that
解説
1. 基本情報と概要
英単語
that (副詞)
英語での意味
- “to such an extent”
(ある程度や程度を強調して示す)
日本語での意味
- 「それほど」「あれほど」「そんなに」
「I didn’t know it was that important.(そんなに重要だとは知らなかった)」のように、「どれほど?」という意味合いを強調するために使われる副詞です。会話や文章で、「そこまで」「そんなに」と程度を示したいときに用いられます。
品詞
- 副詞 (adverb)
ほかの品詞における「that」
- 代名詞 (pronoun): “That is my book.”(あれは私の本です)
- 指示形容詞 (determiner): “That book is interesting.”(あの本は面白い)
- 接続詞 (conjunction): “I think that he is right.”(彼は正しいと思う)
- 関係代名詞 (relative pronoun): “The book that I bought is over there.”(私が買った本はあそこにある)
活用形
「that」については、名詞や形容詞などの変化(活用)はなく、形は変わりません。
CEFRレベルの目安
- A2(初級)〜B1(中級)
「that」自体は初級からよく目にしますが、副詞としての使い方は少し慣れが必要なため、A2後半〜B1あたりのレベルと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- that は短い語なので、特定の接頭語や接尾語を持たず、単語全体で「それほど」「あれほど」という意味を表します。
関連する派生語や類縁語
- this (指示語) … “this” は「これ」という意味だが、「that」と対比される語。
- those (指示語の複数形) … 「that」の複数形は「those」。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- that big → そんなに大きい
- that small → そんなに小さい
- that much → そんなに多い/そんなにたくさん
- that far → そんなに遠い
- that close → そんなに近い
- that important → そんなに重要
- that interesting → そんなに面白い
- that difficult → そんなに難しい
- not that serious → そこまで深刻ではない
- never that easy → 決してそんなに簡単ではない
3. 語源とニュアンス
語源
- that は古英語の “thæt” に由来し、もともと指示代名詞として使われていました。のちに「程度」を示す副詞的用法が確立しました。
ニュアンス
- 文脈によって「そこまで」「それほど」という程度を強調するために用いられます。口語でも書き言葉でも使われ、カジュアルからフォーマルまで幅広い場面で見られます。ただし、フォーマルな文書では「that」の位置や強調表現がおおげさにならないように注意してください。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞「that」 はしばしば否定文や疑問文、比較構文の中で程度を示すために使われます。
例: “I didn’t think it would be that hard.” - フォーマル/カジュアルを問わず使われますが、カジュアルな場面では口語的に「so」に置き換えられやすいです。
例: “I didn’t think it would be so hard.”
他の品詞の「that」との区別
- 同じ「that」でも、文の中で機能が異なるときは副詞以外の働きをします。見分けるには、文中で「どの語を修飾しているか」をチェックするとよいでしょう。
5. 実例と例文
ここでは副詞「that」としての用法に焦点を当てた例文を提示します。
日常会話での例文(3つ)
- “It’s not that cold outside, you don’t need a coat.”
(外はそんなに寒くないから、コートはいらないよ。) - “I didn’t realize the movie would be that funny!”
(あの映画があんなに面白いなんて思わなかった!) - “I didn’t know you cared that much about the result.”
(君が結果をそんなに気にしているとは知らなかったよ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “I’m surprised the client’s feedback was that positive.”
(顧客からのフィードバックがあれほど好意的だったことに驚いています。) - “We didn’t expect the expenses to be that high this quarter.”
(今四半期の出費がそんなに高くなるとは予想していませんでした。) - “We had no idea the project would be that time-consuming.”
(プロジェクトがそんなに時間がかかるとは全く思っていませんでした。)
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “It was not anticipated that the data variance would be that significant.”
(データのばらつきがそれほど大きいとは予期されていませんでした。) - “We did not expect the theory to apply that universally.”
(その理論があれほど普遍的に適用できるとは思っていませんでした。) - “The results were not that conclusive, necessitating further research.”
(結果はそこまで決定的ではなく、さらなる研究が必要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- so: 「とても」「そんなに」「そう」
- “I didn’t know it was so important.”(そんなに重要だとは知らなかった。)
- “that” よりも口語的かつ一般的に使われる。
- this (副詞的用法) : “this much” → (こんなにも多く)
- 主に「今目の前にある程度」を強調するときに用いるイメージ。
反意語
- 副詞「that」と直接の反意語はありませんが、「全然(not at all)」など反意的な意味合いを持つフレーズで対比されることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語 (AmE): /ðæt/
- イギリス英語 (BrE): /ðæt/
強勢(アクセント)の位置
- 単音節語のため、特別なアクセント位置はありませんが、会話の中で「that」を強調したい場合は声の強調で表します。
よくある発音の間違い
- /ð/ (有声の「th」)を /d/ と発音してしまうミス: × “dat”
口を軽く開き、舌先を歯の間に出して声を出すことに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「than」との混同
- “than” は比較するときに使う語(例: “taller than me”)で、スペルミスに注意が必要です。
- “than” は比較するときに使う語(例: “taller than me”)で、スペルミスに注意が必要です。
- 副詞用法と他の用法
- “I think that he’s right.” の “that” は接続詞なので、副詞ではありません。文脈で見極めましょう。
- “I think that he’s right.” の “that” は接続詞なので、副詞ではありません。文脈で見極めましょう。
- 強調表現の使いすぎ
- カジュアルな文や口語表現では好まれますが、あまりに多用すると文章が稚拙な印象を与えることがあります。
試験対策
- TOEIC や英検などにおいて、副詞的な “that” が紛れ込む問題が出る場合があります。特に「代名詞・接続詞」との使い分けを問う問題で注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「that」=「あれほど・それほど」
“that much” としばしばセットで念頭に置いておくと、副詞的用法のイメージがわきやすいです。 - スペリングと発音のポイント
“th” の有声発音(/ð/)に慣れるには、鏡を見ながら舌先の位置を確認しましょう。 - 覚え方のコツ
「I didn’t know it was that 〜.(そんなに〜だとは知らなかった)」というパターンを暗記すると、自然な会話で出てきやすくなります。
以上が副詞としての “that” の詳細解説です。「それほど」「あれほど」を日本語で言いたいときにぜひ活用してみてください。
意味のイメージ