元となった辞書の項目
call on
解説
以下では「call on」というフレーズについて、学習者が理解しやすいようにできるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英語表記: call on
日本語訳: (1)訪問する、(2)(人に)頼む・求める、(3)(授業などで)指名する
「call on」というフレーズは、主に「訪問する」「誰かに何かを求める(頼む)」「授業や会議で誰かを指名して発言を求める」などの意味を持つ句動詞です。カジュアルにもフォーマルにも使えますが、場面によって微妙に意味合いが変わります。
- 品詞: 句動詞(phrasal verb)
- 活用形:
- call on
- calls on
- called on
- calling on
「call」は動詞ですが、前置詞や副詞などがついて句動詞になるときに「call on」となります。
CEFRレベル目安: B2(中上級)
「call」「on」自体はそれぞれ初級から目にする単語ですが、「call on」は複数の意味を持つため、中上級レベルで正確に使いこなす必要があります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- call: 「呼ぶ」「電話をかける」「訪問する」など多様な意味を持つ動詞
- on: 前置詞で、「上に」「〜について」「(相手に)向かって」など多くの意味がある
句動詞になることで、「誰かのところへ行く」「誰かに要請する」「誰かを当てる・指名する」といった意味合いを表します。
詳細な意味
- (人を)訪問する
例: “I will call on my grandmother this afternoon.” (午後に祖母を訪問します) - (人に)要請する、頼む
例: “They called on the government to take action.” (彼らは政府に行動を求めました) - (授業・会議で)指名する
例: “The teacher called on David to answer the question.” (先生はデイビッドを指名して答えさせました)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- call on someone to do something
- (人に〜するよう呼びかける)
- (人に〜するよう呼びかける)
- call on a friend
- (友人を訪問する)
- (友人を訪問する)
- call on a volunteer
- (ボランティアに声をかける/求める)
- (ボランティアに声をかける/求める)
- call on the audience
- (聴衆に呼びかける)
- (聴衆に呼びかける)
- call on someone for help
- (助けを求めて誰かに声をかける)
- (助けを求めて誰かに声をかける)
- call on the government
- (政府に要請する)
- (政府に要請する)
- call on a student in class
- (授業で生徒を指名する)
- (授業で生徒を指名する)
- call on resources
- (資源・リソースに頼る)
- (資源・リソースに頼る)
- call on experts
- (専門家に助言を求める)
- (専門家に助言を求める)
- call on someone at home
- (家を訪問する)
3. 語源とニュアンス
- 語源
「call」は中英語の “callen” から来ており、「声をかける」「呼びかける」という意味が語源です。“on” は古英語などにさかのぼり、動作の対象を示します。 - 歴史と用法
もともと「call」は「呼ぶ」という単純な意味でしたが、動詞と前置詞が組み合わさることで、訪問やお願い、指名などの幅広い用途で使われてきました。 - ニュアンス・使用時の注意点
- 「call on somebody to do something」はややかたい表現ですが、ビジネスや公的なスピーチでよく使われます。
- 「visit(訪問する)」の意味での「call on」は、ややフォーマルまたは上品な響きがあります。口語では「drop by」「stop by」「come over」などの方がカジュアルです。
- 授業や会議の場面で「指名する」場合、「call on someone」は日常的で使いやすい表現です。
- 「call on somebody to do something」はややかたい表現ですが、ビジネスや公的なスピーチでよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 句動詞(phrasal verb): 「call(動詞)+ on(前置詞)」で形成されます。
- 他動詞・自動詞の使い分け:
- “call on someone” の形で、目的語として「someone」をとるので他動詞的役割を持ちます。
- “call on someone” の形で、目的語として「someone」をとるので他動詞的役割を持ちます。
- 使用シーン:
- フォーマルなスピーチや文書で「call on someone to do something」という形がよく使われます。
- カジュアルシーンでも、友達を訪問するときに「call on a friend」と言えますが、ややかしこまった印象があります。
- フォーマルなスピーチや文書で「call on someone to do something」という形がよく使われます。
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “I’ll call on my neighbor this weekend to talk about the new fence.”
(今週末にお隣さんを訪ねて、新しい柵について話してみるよ。) - “Could you call on me if you pass by my place?”
(うちの近くを通ったら、ちょっと寄ってくれない?) - “I might call on my cousin when I go to Tokyo next week.”
(来週東京に行くとき、いとこを訪ねるかもしれない。)
(B) ビジネスでの例文
- “We call on all staff to meet the deadline.”
(全社員に締め切り厳守を呼びかけます。) - “The CEO called on the marketing team to propose a new strategy.”
(CEOはマーケティングチームに新戦略を提案するよう要請しました。) - “During the meeting, the manager called on Sarah to explain the financial report.”
(会議中、マネージャーはサラに財務報告書の説明を求めました。)
(C) 学術的/公的な文脈での例文
- “The professor called on students to volunteer for the research project.”
(教授は研究プロジェクトへの参加を学生に呼びかけました。) - “The organization called on world leaders to address climate change.”
(その団体は世界の指導者に気候変動に対処するよう要請しました。) - “I would like to call on Dr. Smith to share his findings with the panel.”
(スミス博士に、委員会でその研究成果を共有していただきたいと思います。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- ask(たずねる/頼む)
- 「誰かに何かを求める」という点で共通。単純な「質問」や「お願い」をする場合はこちらが自然。
- 「誰かに何かを求める」という点で共通。単純な「質問」や「お願い」をする場合はこちらが自然。
- request(要請する)
- 「公式に要請する」というニュアンスが強く、フォーマルな文書・場面で多用。
- 「公式に要請する」というニュアンスが強く、フォーマルな文書・場面で多用。
- drop by / stop by(立ち寄る)
- 「訪問する」という意味では似ているが、こちらはよりカジュアルで短時間の訪問を示す。
- 「訪問する」という意味では似ているが、こちらはよりカジュアルで短時間の訪問を示す。
- turn to(頼る)
- 「(アドバイスや助けを求めて)頼る、頼みとする」というニュアンスで近い。
- 「(アドバイスや助けを求めて)頼る、頼みとする」というニュアンスで近い。
反意語
- ignore(無視する)
「call on」のように「誰かに声をかける」「呼びかける」という行為の反対として、「無視して声をかけない」ことを指す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /kɔːl ɑːn/ または /kɔl ɔn/
- イギリス英語: /kɔːl ɒn/
- アメリカ英語: /kɔːl ɑːn/ または /kɔl ɔn/
- アクセント: “call” の部分が強めに発音されます。
- よくある発音の間違い:
- “call” の /l/ をはっきり発音せず曖昧になる場合があるので注意。
- “on” の母音はアメリカ英語では /ɑː/、イギリス英語では /ɒ/ になる。
- “call” の /l/ をはっきり発音せず曖昧になる場合があるので注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “coll on” や “call one” などと間違えるケース。
- 前置詞の混同: “call at”「〜に電話する/訪れる」や “call in”「電話で報告する/立ち寄る」など、似た表現が多いので注意。
- 試験での出題傾向: 英検・TOEIC などでも句動詞の意味を問う問題がよく出ます。文脈から「訪問する」なのか「呼びかける」なのか、正しい意味を選択する問題が典型例です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: “call on” は「声をかける」イメージを持つと覚えやすいです。自分が相手を必要としているイメージで「頼る(呼びかける)」、または「訪ねて声をかける」というニュアンス。
- 覚え方のコツ:
- 「call (呼ぶ) + on (対象へ)」→「相手に呼びかける」「相手に会いに行く」というイメージで定着させましょう。
- 実際のシチュエーションを想像しながら、例文を何度も口に出して言ってみるのがおすすめです。
- 「call (呼ぶ) + on (対象へ)」→「相手に呼びかける」「相手に会いに行く」というイメージで定着させましょう。
以上が「call on」の詳細解説です。訪問する、要請する、指名するなど、文脈やシチュエーションによって意味が変わりますので、例文とともにイメージをつかんで使いこなしましょう。
意味のイメージ
意味(1)
(人)を訪問する
意味(2)
《…を》(正式に)(人)に頼む, に求める《for ...》
意味(3)
《…してくれるように》(人)に頼む, に求める《to do》