「have got」の徹底解説

1. 基本情報と概要

品詞

• フレーズ（動詞フレーズ）
  


• 主に「所有を表す」意味で使われます。
  


• 「～を持っている」という意味を表す際に、通常の “have” とほぼ同じニュアンスで使われます。口語でよく使われる表現です。

活用形

• I have got → I’ve got
  


• You have got → You’ve got
  


• He has got → He’s got
  


• We have got → We’ve got
  


• They have got → They’ve got
  

「has」か「have」かは主語によって変化し、否定形・疑問形にするときは以下のようになります：

• 否定形: I have not got → I haven’t got
  


• 疑問形: Have I got...? / Has he got...?
  

他の品詞との関連

• “get” は単独で動詞として「手に入れる」「到着する」などの意味を持ちますが、 “have got” は「すでに持っている（所有している）」という状態を強調する表現となっています。
  

CEFRレベル

• おおむね A2〜B1（初級～中級） レベルで学習されることが多い表現です。ネイティブの日常会話では非常によく使われます。

「have got」は英語で「所有している」「～がある」という意味です。たとえば “I’ve got a car.” は「車を持っていますよ」という意味になります。日本語では「私は〜を持っている」というニュアンスで気軽に日常会話で使われる表現です。

2. 語構成と詳細な意味

• “have” + “got” という２つの単語で構成されます。


• “have” は「持つ」という一般的な動詞。


• “got” は “get” の過去形・過去分詞形ですが、ここでは「状態・所有を手にしている」ことを表す慣用的な表現として使われます。

他の単語との関連性

• “have to” → 「～しなければならない」
  


• “have got to” → 「～しなければならない」という意味で、必然性・義務を強調
  

コロケーションや関連フレーズ（10個）

1. have got a point → （議論の要点を）納得できるもの、筋がある
   


2. have got a minute → 時間がある
   


3. have got to go → 行かなければならない
   


4. have got a clue → 手がかりがある、わかっている
   


5. have got a cold → 風邪をひいている
   


6. have got time → 時間を持っている
   


7. have got something to do → やることがある
   


8. have got no idea → まったくわからない
   


9. have got trouble → 困りごとがある
   


10. have got a question → 質問がある
    

3. 語源とニュアンス

語源

• “have” は古英語から変化しながら残っている最も基本的な動詞の一つです。
  


• “got” は “get” の過去・過去分詞形で、「手に入れる、獲得する」を意味します。もともと “have gotten” という形がありましたが、イギリス英語では過去分詞形として “got” が定着しています。

ニュアンス・使用時の注意

• 「すでに所有している」「すでに状態を得ている」というニュアンスを含みます。アメリカ英語よりもイギリス英語で好まれる言い回しですが、アメリカ英語でもカジュアルな会話でしばしば使われます。
  


• 書き言葉（フォーマルな文書）よりも口語（カジュアルな会話）で多用される傾向にあります。

4. 文法的な特徴と構文

1. 所有を表す

   
   
   • I have got a book. (I’ve got a book.) → 「本を持っています。」
     
   
   
   • 質問形: Have you got a book? → 「本を持っていますか？」
     
   
   
   • 否定形: I haven’t got a book. → 「本を持っていません。」
   
   



2. 義務・必要性を表す

   
   
   • I have got to go. (I’ve got to go.) → 「行かなければなりません。」
     
   
   
   • 質問形: Have you got to go soon? → 「すぐ行かなきゃいけないの？」
     
   
   
   • 口語では "I gotta go” のように省略形でもよく聞かれます。
   
   

名詞かどうか

• “have got” はフレーズなので、名詞ではなく動詞句として使われます。

他動詞／自動詞の使い分け

• “have got” は「所有」が中心のため形式上は他動詞として目的語をとります。
  
  例: I have got a car. (目的語: a car)

5. 実例と例文

日常会話（カジュアル）

1. I’ve got a new phone! → 新しいスマホを手に入れたよ！
   


2. Have you got any plans for tonight? → 今夜なにか予定ある？
   


3. I haven’t got any money on me. → お金持ってないんだ。

ビジネス

1. I’ve got a meeting at 10 a.m. → 10時に会議があります。
   


2. Have we got enough data to proceed? → 進めるのに十分なデータはありますか？
   


3. I’ve got some feedback on the project. → プロジェクトについてのフィードバックがあります。

学術的・フォーマル寄り

1. He has got several publications in that field. → 彼はその分野でいくつかの出版物を持っています。
   


2. She has got evidence to support her hypothesis. → 彼女は仮説を裏付ける証拠を持っています。
   


3. Have they got the necessary resources for the experiment? → その実験に必要なリソースは持っていますか？

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. have → 「持っている」
   
   
   
   • I have a car. / I’ve got a car.
     
   
   
   • ほぼ同義。ただし “I’ve got” の方がやや口語的。
   
   


2. possess → 「所有する」
   
   
   
   • もっとフォーマル・堅い響き。法律文書や技術文書で使われることが多い。
   
   

反意語

• “lack” → 「欠いている、持っていない」
  
  
  
  • I lack the expertise. → 「専門知識がない。」
  
  

7. 発音とアクセントの特徴

発音記号（IPA）

• アメリカ英語: /hæv ɡɑːt/ や /hæv ɡʌt/
  


• イギリス英語: /hæv ɡɒt/
  

“have” の「ア」音と “got” の「オ」音が地域によってやや異なります。最大のポイントは、口語で “I’ve got” と一気に発音することが多い点です。短縮形が自然に感じられます。

強勢（アクセント）の位置

• “I’ve GOT” のように “got” にアクセントがきやすいですが、文全体で繋げて言うことが多いです。

よくある発音の間違い

• /got/ を /gɒ/ のように短く曖昧に発音してしまう
  


• 繋げて発音する練習をしておくとスムーズになります。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. “have” と “have got” の混同

   
   
   • 意味はほぼ同じですが、テストで文法上の形式を問われるときは注意。
     
   
   
   • “do” や “does” を使って疑問や否定にしがちな学習者もいますが、“have got” を使う時は “Have you got...?” と作ります。
   
   



2. 短縮形の使い方

   
   
   • 後ろを “I’ve got” と言うのか “I have got” と省略しないかによって、よりカジュアルかややフォーマルかが変わることがあります。
   
   



3. 試験対策

   
   
   • TOEICなどのリスニングで “I’ve got to...” が “I gotta...” のように聞こえて聞き取れない場合が多いので要注意。
     
   
   
   • 英検などでは文法的に分解する問題として “Have you got ～?” などが問われることがあります。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「（すでに）手に入れた状態を維持している」というイメージを思い浮かべると “get” から “got” になっている理由が理解しやすい。
  


• 口では「アイブガタ～」 (I’ve gotta) とリズムよく言うジョーク等で繰り返すと覚えやすいです。
  


• “I’ve got this!” （大丈夫任せて！というニュアンス）と覚えるのも良いテクニックです。

総括すると、「have got」は「すでに持っている」「すでに獲得している」の状態を強調する表現です。イギリス英語を中心に人々の日常会話で非常に頻繁に使われるため、場面によっては単に “I have” と言うより自然に聞こえる場合があります。短縮形や否定形・疑問形の作り方をしっかり身につけて、スムーズに使えるよう練習してみてください。