all
以下では、副詞としての「all」を中心に、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英単語: all
品詞: 副詞 (ただし、「all」は形容詞、限定詞 (determiner)、代名詞などとしても頻繁に使われます)
意味(英語):
• (adverb) completely, entirely, totally
意味(日本語):
• (副詞として) 完全に、まったく、すっかり
「all」は「すべて」を表す単語としてよく知られていますが、副詞として使う場合は「完全に」「すっかり」という意味を表したり、形容詞を強調する役割を担います。日常会話でもカジュアルに使われることが多いです。
活用形:
「all」が形を変えて活用することはありませんが、他の品詞(限定詞・代名詞など)として使われる場合に文中での役割が変わります。
他の品詞での使用例:
- 限定詞 (determiner) : “All people are welcome.”(すべての人が歓迎される)
- 代名詞 (pronoun) : “All is well.”(すべて順調だ)
CEFRレベル: A1(超初心者)
非常に基本的な単語のひとつで、幅広いレベルで学習・使用されます。副詞としての使い方はA2〜B1程度でも扱われることがありますが、単語自体はA1レベルに含まれます。
2. 語構成と詳細な意味
「all」は、接頭語・接尾語の付与がない短い語です。もともと「すべて」を示す語幹そのものが「all」に相当します。
他の単語との関連性(派生語や類縁語)
- altogether (副詞: 完全に、全体として)
- all-around (形容詞: 多才な、全面的な)
コロケーション・関連フレーズ(10個)
- all alone - (まったくひとりで)
- all right - (大丈夫、問題ない)
- all out - (全力で)
- all done - (すっかり終わった)
- all the time - (いつも)
- all the way - (はるばる、ずっと)
- all too often - (あまりにもたびたび)
- all over - (すっかり終わって、いたるところで)
- all set - (準備万端)
- all for nothing - (すべて無駄に)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語: eall
- ゲルマン祖語: *allaz
歴史的には「すべて」を指す意味合いで一貫して使われてきた語です。
ニュアンス・使用時の注意点
副詞の「all」は、口語的な場面でしばしば「とても」「完全に」のような強調表現になります。カジュアルなニュアンスが強いので、ビジネスやフォーマルな文章では「totally」「completely」などを使う方が自然なこともあります。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文やイディオム
- “I’m all alone.”
- 「まったくひとりぼっちだ」という強調表現。
- 「まったくひとりぼっちだ」という強調表現。
- “He was all excited.”
- 「彼はすっかり興奮していた」という意味合いの強調。
- 「彼はすっかり興奮していた」という意味合いの強調。
- “You’re all set.”
- 「準備万端整っている」という軽い口語表現。
フォーマル/カジュアル
- カジュアルな口語や会話で使われることが多い。
- フォーマルな文書では「completely, entirely, totally」を代わりに用いることが多い。
可算・不可算 / 他動詞・自動詞
- 「all」は名詞としては不可算名詞の前にも可算名詞の前にも使われますが、副詞としては可算・不可算の区別はありません。
- 動詞ではないため、他動詞・自動詞の区別もありません。
5. 実例と例文
それぞれ3例ずつ示します。副詞として「all = 完全に/すっかり/とても」の意味を意識してください。
日常会話での例文
- “I’m all done with my homework.”
(宿題はすっかり終わったよ。) - “She was all nervous before the test.”
(彼女はテストの前にすごく緊張していたよ。) - “It’s all good. Don’t worry!”
(問題ないよ、気にしないで!)
ビジネスでの例文
- “We’re all set for the presentation tomorrow.”
(明日のプレゼンテーションの準備は万端です。) - “He’s all finished with the quarterly report.”
(彼は四半期レポートをすべて仕上げました。) - “I’m all prepared to negotiate the contract.”
(その契約交渉の準備はすべて整っています。)
学術的な文脈での例文
- “The findings are all documented in the appendix.”
(その調査結果はすべて付録に記載されています。) - “They are all convinced by the hypothesis.”
(彼らはその仮説を完全に確信しています。) - “The results are all replicated in subsequent studies.”
(その結果は後続の研究でも完全に再現されています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- completely(完全に)
- entirely(完全に)
- totally(まったく、完全に)
- wholly(全面的に)
- fully(十分に、完全に)
上記の類義語は「all」よりもフォーマルで、「まったく」「完全に」をニュートラルに伝えたい場面で使われます。
反意語(Antonyms)
- partially(部分的に)
- incompletely(不完全に)
「少しだけ」「部分的に」という意味で、副詞としては「all」の反対の状態を表します。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ɔl/ または /ɑl/ (地域差あり)
- イギリス英語: /ɔːl/
アクセントと注意点
- 短い単語のため、強勢は単語全体に置かれます(「オール」のようになります)。
- アメリカ英語では “オール” と “アール” の中間のような発音になる場合があります。
- よくある間違いは「オー」だけのように発音してしまうこと。口を広めに開いてしっかり “l” を発音すると自然です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- 短い単語ゆえにあまりないですが、「al」「oll」などと書き間違えないように注意。
- 短い単語ゆえにあまりないですが、「al」「oll」などと書き間違えないように注意。
- 同音異義語との混同
- 同音異義語としては特にありませんが、「already (すでに)」と「all ready (準備万端)」の使い分けに注意。
- 同音異義語としては特にありませんが、「already (すでに)」と「all ready (準備万端)」の使い分けに注意。
- 試験対策
- TOEIC・英検などで難易度の高い問題になることは少ないですが、熟語表現(all of / all that / not at all など)や、「全く〜ない」を示す構文 (not at all) などに絡む出題に注意してください。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「“all” = “すべて”」というイメージを持っておくと、そこから派生して「すっかり」「完全に」という副詞的な意味を理解しやすくなります。
- 短い単語なので、繰り返し声に出してリズムとイントネーションを体得しましょう(“It’s all good!” “I’m all done!” など)。
- カジュアルな強調表現として覚えておくと、会話の彩りが豊かになります。
「all」はごく基本的な単語ですが、副詞として使うことで「完全に」「まったく」のような強調表現を手軽に作れます。カジュアルな会話では頻繁に登場しますので、ぜひ使い慣れて表現の幅を広げてみてください。