元となった辞書の項目
on behalf of
解説
以下では、英語表現「on behalf of」について、学習者の方にもわかりやすいようにできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語 / 日本語)
- 英語: “on behalf of (someone/something)”
- 日本語: 「(人・組織など)の代理として」「(人・組織など)を代表して」「〜に代わって」
「on behalf of」は、誰かの代理として行動したり、誰かを代表して話をしたりする場面で使われる表現です。ちょっとフォーマルな響きがあり、ビジネスや公式な場面でもよく使われます。
品詞
- 「on behalf of」は前置詞句(プレポジショナル・フレーズ)です。
動詞などの活用形というよりは、前置詞に続いて「behalf」という名詞が入っており、さらに「of」が続く特殊な形です。そのため、動詞のような活用(過去形・現在進行形など)はありません。
他の品詞の例
- 「behalf」は単独で名詞ですが、単独で使われるよりも「on behalf of ○○」とセットで使われることがほとんどです。
CEFRレベル
- 目安: B2(中上級)
フォーマルな文脈で使われることが多いため、中級以上で出てくる表現として位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- on + behalf + of
- on: 前置詞
- behalf: 名詞(「代理、代表」)
- of: 前置詞
- on: 前置詞
実際は「on + 名詞 + of」で「〜の代理として」という意味をつくる、やや慣用的なフレーズです。
関連語・派生語
- in behalf of:文献や古い表現では見かけることもあるが、現代英語では「on behalf of」が主流。
- on one’s behalf:同じ意味で使われることが多い。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- on behalf of the entire staff
(スタッフ全員を代表して) - speak on behalf of someone
(誰かを代表して話す) - thank you on behalf of ○○
(○○を代表して感謝する) - sign a contract on behalf of the company
(会社を代表して契約書に署名する) - vote on behalf of the shareholders
(株主を代表して投票する) - apologize on behalf of the team
(チームを代表して謝罪する) - on behalf of all members
(メンバー全員を代表して) - accept an award on behalf of someone
(誰かを代表して賞を受け取る) - issue a statement on behalf of the organization
(組織を代表して声明を出す) - act on behalf of a client
(顧客を代理して行動する)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「behalf」は、中英語(Middle English)の “behalfe” に由来するとも言われています。古くは「助け・味方・支持」といった意味合いがあり、「~の側(味方)に立つ」というニュアンスから「代理・代表」の意味へ派生したとされています。
ニュアンス・使用時の注意点
- かしこまった場面やビジネスシーンでよく使われるため、フォーマルな印象が強い表現です。友達同士のカジュアルな会話でも通じますが、あえて「on behalf of」を使うと少し改まった響きになります。
- 「for(〜のために)」と混同されがちですが、「for」よりも「代理・代表」のニュアンスが強いのが特徴です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- on behalf of + 名詞/代名詞
例: “I would like to speak on behalf of my manager.”
(マネージャーを代表して発言したいと思います。)
イディオムやバリエーション
- in one’s behalf(やや古風・あまり一般的ではない)
- on one’s behalf(よりカジュアルに「人称代名詞の所有格」を使う形)
フォーマル/カジュアルでの使い分け
- フォーマルな文章やスピーチ:“On behalf of the company, I would like to welcome you.”
- カジュアルな表現:そこまで頻繁ではないが、日常会話でも使われるときは丁寧な印象。
文法上のポイント
- 「on behalf of」自体は前置詞句扱いなので、直後には名詞(もしくは代名詞)がきます。
- 目的格で代名詞を使う場合は所有格として“someone’s behalf”にするのではなく、必ず“on (someone’s) behalf of…”の形になる点に注意します。(実際には“on his behalf”などとする)
5. 実例と例文
それぞれの文脈で3つずつ例文を提示します。
(1) 日常会話での例文(カジュアルな場面)
- “Could you pick up my package on behalf of me if it arrives while I’m out?”
(私が外出中に荷物が届いたら、代わりに受け取ってくれる?) - “I’m speaking on behalf of Jane because she’s stuck in traffic.”
(ジェーンが渋滞にはまってるから、私が彼女の代わりに伝えてるんだ。) - “My friend asked me to apologize on behalf of him.”
(友達が、自分の代わりに謝ってほしいと言ってきた。)
(2) ビジネスでの例文(フォーマルな場面)
- “On behalf of our company, I would like to thank you for your support.”
(弊社を代表して、皆さまのご支援に感謝申し上げます。) - “I’m signing this agreement on behalf of the CEO.”
(CEOを代表してこの契約書に署名いたします。) - “The manager made a statement on behalf of the entire team.”
(マネージャーはチーム全体を代表して声明を発表した。)
(3) 学術的 / 公的な文脈
- “This research was conducted on behalf of the National Science Foundation.”
(この研究は、国立科学財団を代表して行われました。) - “The committee spoke on behalf of the public interest.”
(委員会は公益を代表して発言した。) - “We submitted the report on behalf of the environmental organization.”
(私たちは、その環境団体を代表してレポートを提出しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- for(〜のために)
- “I bought this gift for you.”(あなたのために買った)
- 代理・代表というより「…のために」という目的を表す。
- “I bought this gift for you.”(あなたのために買った)
- in the name of(〜の名の下に)
- “She acted in the name of justice.”(正義の名の下に行動した)
- 「代理」というよりもっと宗教的・精神的ニュアンスや「〜に関して」のニュアンスが強い。
- “She acted in the name of justice.”(正義の名の下に行動した)
- representing(代表して)
- “I’m representing our team here.”(ここではチームを代表している)
- 動詞形ながら、意味としてはon behalf ofに近い。
- “I’m representing our team here.”(ここではチームを代表している)
- on one’s account(〜のために、〜の責任で)
- 「(誰かの)目的や利益を守るために」という意味合いが強く、代理や代表という一致したニュアンスと少し異なる。
反意語
- 直接的な反意語はありませんが、“on behalf of”に対して、「自分自身のために」などと言いたい場合は “on my own” や “for myself” などを使います。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ɑːn bɪˈhæf ʌv/
- イギリス英語: /ɒn bɪˈhɑːf ɒv/
※“behalf”の部分は、英語圏でも地域や話者によって多少変化しますが、アメリカ英語は「ビハァフ」、イギリス英語は「ビハーフ」のように聞こえます。
アクセント
- “behalf”の後ろの “half” 部分にアクセントがきます。
- 強勢を置く場所は “be-HALF” (米: /bɪˈhæf/, 英: /bɪˈhɑːf/) となります。
よくある発音ミス
- “behave(行動する)” と混同して発音してしまう人がいますが、スペルも音も異なるので注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「on the behalf of」と言ってしまう
- 正しくは“on behalf of”です。冠詞 “the” は不要です。
- 正しくは“on behalf of”です。冠詞 “the” は不要です。
- 「in behalf of」との混同
- 現代英語では「in behalf of」はあまり使われず、「on behalf of」が標準的です。
- 現代英語では「in behalf of」はあまり使われず、「on behalf of」が標準的です。
- スペルミス “behave” と “behalf” の混同
- 単語のつづりが似ているので注意しましょう。
- 単語のつづりが似ているので注意しましょう。
- TOEICや英検などの資格試験でも、ビジネスメールや公式文書の一節として登場することがあります。文脈で代理や代表を示すキーフレーズとして覚えておくと得点アップが期待できます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「behalf」の“half”という部分を「ハーフ=半分」と結びつけ、「相手の立場(もう半分)に立って行動する」というイメージで覚えるとわかりやすいです。
- 「on behalf of」は丁寧な言い方で、自分が「代わりに働いている/話している」ほうが大事な状況や、ビジネスシーンでよく使われる、とイメージしましょう。
以上が、「on behalf of」についての詳細な解説です。
「〜を代表して」「〜の代理として」といった公式・ビジネスシーンで使う機会の多い表現なので、ぜひ会議やメールなどで使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(人)の代理で,(団体)を代表して
意味(2)
(人など)のために