other than
1. 基本情報と概要
単語(フレーズ): other than
品詞: 主要には前置詞的(あるいは接続詞的)に使われるフレーズです。
意味(英語): except for, apart from
意味(日本語): ~以外に、~を除いて、~のほかに
「other than」は「~以外に」という意味で、特定のものを除外したり、例外を示したりするときに使います。また文脈によっては「~に加えて」というニュアンスになる場合もあります。日常会話から書き言葉まで幅広く使われ、特定の選択肢から外す感覚を表現したいときに便利な表現です。
活用形について
「other than」は複数形や時制変化などがないフレーズなので、活用は特にありません。
品詞転換もありませんが、単語の一部である other
が形容詞や代名詞として使われる場合はあります。(例: the other side
など)
CEFRレベルの目安:
- B1 (中級)
英語にある程度慣れてきた学習者が、理由の説明や例外を表すために使える表現です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- other: 「他の」「別の」という意味の形容詞・代名詞
- than: 比較級の比較対象を示す接続詞などとして用いられる語
二つが合わさって、「~以外」や「~を除いて」という意味の表現を作っています。
派生語や関連する表現
- another: 「もう一つの、別の」 (「other」と「an」を組み合わせた単語)
- others: 「他の人々、他のもの」
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- no one else other than ~(~以外に誰も~ない)
- nothing other than ~(~以外何も~ない)
- anyone other than ~(~以外の誰か)
- anything other than ~(~以外の何か)
- other than that(それ以外には)
- I can’t think of anything other than ~(~以外のことは考えられない)
- no choice other than ~(~以外の選択肢がない)
- I’m not allowed to do anything other than ~(~以外は許可されていない)
- there’s no reason other than ~(~以外に理由はない)
- other than the fact that ~(~という事実を除けば)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「other」はゲルマン系に由来する古い語で、「もう一方の」「別の」などを意味します。
- 「than」はもともと比較表現や相違を示す役割を持つ語です。
それらが組み合わさることで、「別のこと(もの)を挙げる・比較対象から外す」というニュアンスが育まれました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「other than」は多くの場合、「除外」を表す意味合いが強いです。
- 一部の文脈では「~に加えて」という肯定的ニュアンスでも使われることがありますが、通常「~のほかに」とやや限定的に使用される感じです。
- ビジネス文書や日常会話など、カジュアルからフォーマルまでどちらでも使えます。
4. 文法的な特徴と構文
1) 前置詞的に使われる例:
- “I have no pets other than a cat.”
(猫以外にペットを飼っていない)
2) 接続詞的に近い用法として:
“You shouldn’t do anything other than listen carefully.”
(注意深く聞くこと以外はしないほうがいい)- 一般に「名詞や動名詞を続けて、例外や排除を示す」構文で使われます。
- フォーマル/カジュアルを問わず頻繁に使われますが、書き言葉では正確に例外を示す際に重宝されます。
- 一般に「名詞や動名詞を続けて、例外や排除を示す」構文で使われます。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
“I don’t watch any TV shows other than comedy programs.”
(コメディ番組以外はテレビ番組を見ないんだ。)“Do you have any hobbies other than hiking?”
(ハイキング以外に何か趣味はある?)“I rarely eat sweets other than chocolate.”
(チョコレート以外のお菓子はあまり食べないんだ。)
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
“We do not accept any proposals other than those submitted by the deadline.”
(締め切りまでに提出された提案以外は受け付けません。)“Other than cost reduction, what other benefits can we expect from this plan?”
(コスト削減以外に、このプランからどんな利点が期待できますか?)“I have no other meetings scheduled today other than the one at 3 p.m.”
(3時の会議以外、今日は他にミーティングは入っていません。)
学術的・フォーマルな文脈での例文 (3つ)
“No data other than the official statistics should be referenced for this research.”
(この研究では公式統計以外のデータを参照すべきではありません。)“The committee found no evidence other than circumstantial reports.”
(委員会は状況証拠以外に何の証拠も見つけられなかった。)“Other than establishing a control group, the researcher must also ensure random sampling.”
(対照群を設定することに加えて、研究者はランダムサンプリングも保証しなければならない。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
except (for)(~を除いて)
- “I like all vegetables except for eggplants.” (ナスを除いては野菜は全部好き。)
- “other than” とほぼ同義のときもありますが、”except (for)”のほうが一般的な「除外」を端的に表します。
- “I like all vegetables except for eggplants.” (ナスを除いては野菜は全部好き。)
apart from(~のほかは、~以外は)
- “Apart from the cost, I think this idea is perfect.” (費用以外は、このアイディアは完璧だと思う。)
- “other than” と同様に「除外」「追加両面」で使える。
- “Apart from the cost, I think this idea is perfect.” (費用以外は、このアイディアは完璧だと思う。)
besides(~に加えて)
- “Besides English, he also speaks Spanish.” (英語に加えて、スペイン語も話す。)
- 「除外」よりも「追加」のニュアンスが強い。
- “Besides English, he also speaks Spanish.” (英語に加えて、スペイン語も話す。)
aside from(~を別にすれば)
- “Aside from one minor issue, everything else looks good.” (小さな問題を別にすれば、他はすべて良さそうだ。)
- 「その他は」というニュアンスで使う。
- “Aside from one minor issue, everything else looks good.” (小さな問題を別にすれば、他はすべて良さそうだ。)
反意語
- “including” 「~を含めて」
- 明確な反意表現としては「排除」vs「包含」の関係です。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ˈʌðər ðæn/
- イギリス英語: /ˈʌðə ðan/
アクセント
- “other” の “o” にストレス、続く “than” は強く発音されずに流れるように続きます。
よくある発音の間違い
- “th” の発音が「サ行」や「ダ行」になってしまうことがあります。下を軽く噛んで摩擦音を出すように注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「other than」と「rather than」の混同
- “rather than” は「むしろ~」という比較選択の意味合いが強いので、使い分けましょう。
- “rather than” は「むしろ~」という比較選択の意味合いが強いので、使い分けましょう。
- スペルミス: “other” の “th” の位置、”than” の “a” と “e” の混同 (then / than) などに注意。
- TOEICや英検などの試験でも、理由や例外を述べる問題、あるいは会話文中で「それ以外」の選択肢を示す問題に絡んで出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “other than = 他のものを除いて” とイメージすると覚えやすいです。
other
は「別の」という意味、than
は比較対象を示す、とイメージしておけば「比較対象から外す→除外」という雰囲気をイメージできます。- “than” のスペルは “then (そのとき)” と間違えやすいので、「比較を表す“than”」として区別するポインティングをするとよいでしょう。
以上が “other than” の詳細解説です。ぜひ使いこなして、例外や除外を手軽に表現してみてください。
...に加えて, ...のほかに
《否定文で》....以外(…ない), ...を除いて(…ない)