provided
1. 基本情報と概要
単語: provided
品詞: 接続詞(conjunction)
※動詞 “provide” の過去形・過去分詞形としての “provided” もありますが、ここでは接続詞としての “provided” に焦点を当てます。
意味(英語): “on the condition that” / “if”
意味(日本語): 「もし〜ならば」「〜という条件で」という意味で、条件を設定するときに使われる接続詞です。
「provided (that) ...」の形で使い、「こういう条件付きならばこうなるよ」というニュアンスがあります。
使い方(やさしい日本語で):
“provided” は「〜という条件付きで」という意味で、少しフォーマルな文章や、論文・ビジネス文章などでよく使われます。「if」にくらべてかたく聞こえることがあります。
活用形(動詞としての provide との関連):
- 原形: provide
- 過去形: provided
- 過去分詞: provided
- 現在分詞: providing
ただし「接続詞の provided」はこの動詞の形から派生した慣用的な使い方であり、形としては変化しません。
他の品詞になった時の例:
- 動詞 (provide): “They provide excellent service.”(彼らは素晴らしいサービスを提供する)
- 形容詞はありませんが、分詞形容詞的に “provided equipment”(提供された機材)のような使い方は可能です。
CEFRレベル: B2(中上級)
- B2: 日常会話だけでなく、ビジネスや学術場面もある程度こなせるレベル。ややかたい表現や複雑な構文を理解できる。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- provide + -d (過去形・過去分詞形) から派生した「provided」が、接続詞として慣例的に用いられています。
- 接頭語 “pro-” は「前へ」「先に」というニュアンスがあります。
- 語幹 “vid” はラテン語由来で「見る」(vidēre) や「提供する」と結びついていると考えられます。
- 接尾語 “-ed” は動詞の過去形・過去分詞形を表すものです。
他の単語との関連性(派生語や類縁語など)
- provision (名詞): 「供給、支給、用意、条項」
- provider (名詞): 「提供者」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- provided (that) we finish on time
- (もし予定通り終わるならば)
- (もし予定通り終わるならば)
- provided (that) you agree
- (もしあなたが同意するならば)
- (もしあなたが同意するならば)
- provided (that) all the documents are ready
- (すべての書類が準備できているという条件で)
- (すべての書類が準備できているという条件で)
- only provided that …
- (ただし…という条件の下でのみ)
- (ただし…という条件の下でのみ)
- is permitted provided that …
- (…という条件下で許可される)
- (…という条件下で許可される)
- are allowed provided (that) …
- (…という条件下で認められる)
- (…という条件下で認められる)
- provided (that) no further issues arise
- (これ以上問題が起きないなら)
- (これ以上問題が起きないなら)
- provided (that) you can handle it
- (あなたがそれを扱えるという条件で)
- (あなたがそれを扱えるという条件で)
- we will proceed provided (that) we receive confirmation
- (確認を受け取るという条件で進めます)
- (確認を受け取るという条件で進めます)
- you can participate provided (that) you meet the criteria
- (基準を満たせば参加できます)
3. 語源とニュアンス
語源
- “provide” はラテン語の “providēre” (pro-「前へ」+ vidēre「見る」) に由来し、「先を見通して準備する」という意味が元になっています。
- そこから「供給する」「提供する」という意味へ発展し、さらに過去形形態 “provided” を接続詞として「〜という条件で」という使い方が確立しました。
ニュアンス・使用上の注意点
- 「if」 よりもややフォーマルな響きがあるため、ビジネス文書や公的文章、学術的な文脈でよく使われます。
- 口語でも使われることはありますが、カジュアルな会話では “if” や “as long as” のほうが自然に聞こえる場合が多いです。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
“Provided (that) + 主語 + 動詞, …”
例:
- “Provided (that) we arrive on time, we can catch the train.”
“..., provided (that) + 主語 + 動詞”
例:
- “We can catch the train, provided (that) we arrive on time.”
イディオム的用法
- 特にイディオム化しているわけではありませんが、“provided that” は慣用的な1つのまとまりとして扱われます。
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: “Provided that all requirements are met, the application will be approved.”
- カジュアル: “If all requirements are met, we’ll approve the application.”
名詞/動詞との違いや注意点
- 「provided」は接続詞なので、主語と動詞を伴う節と一緒に用いられます。
- 動詞 “provide” は他動詞で、ふつう “provide something (to/for someone)” の形をとり、「(人に)〜を与える」という意味です。
- 接続詞 “provided” は他動詞・自動詞の区別は関係なく、節を導く役割だけを果たします。
5. 実例と例文
日常会話の例文(3つ)
- “You can borrow my car, provided you fill up the tank afterward.”
- 「ガソリンを入れておいてくれるなら、車を貸していいよ。」
- 「ガソリンを入れておいてくれるなら、車を貸していいよ。」
- “We can go hiking this weekend, provided the weather is nice.”
- 「天気が良ければ、週末にハイキングに行けるよ。」
- 「天気が良ければ、週末にハイキングに行けるよ。」
- “I’ll help you move, provided I’m free that day.”
- 「その日に予定がなければ、引っ越しを手伝うよ。」
ビジネスの例文(3つ)
- “The contract will be extended, provided both parties agree to the new terms.”
- 「新しい条件に両当事者が同意すれば、契約は延長されます。」
- 「新しい条件に両当事者が同意すれば、契約は延長されます。」
- “We can offer a discount, provided the order exceeds 100 units.”
- 「100個以上の注文なら、割引を提供できます。」
- 「100個以上の注文なら、割引を提供できます。」
- “You will receive a full refund, provided you return the product within 30 days.”
- 「30日以内に製品を返送すれば、全額返金いたします。」
学術的・専門的な文脈(3つ)
- “The experiment will be valid, provided all variables are strictly controlled.”
- 「すべての変数が厳密にコントロールされていれば、その実験は有効です。」
- 「すべての変数が厳密にコントロールされていれば、その実験は有効です。」
- “The researcher may publish preliminary findings, provided they clearly note the limitations of the study.”
- 「研究者は、研究の限界を明確に記載するという条件で、暫定的な研究結果を公表することができます。」
- 「研究者は、研究の限界を明確に記載するという条件で、暫定的な研究結果を公表することができます。」
- “Provided ethical guidelines are followed, human subjects may be included in the study.”
- 「倫理指針を遵守する条件であれば、人間の被験者を研究に含めても構いません。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- if(もし)
- よりカジュアルかつ一般的。
- 例: “If you finish on time, we’ll go to the party.”
- よりカジュアルかつ一般的。
- as long as(〜である限り)
- 条件が続く限りというニュアンス。
- 例: “As long as you’re careful, you can use my phone.”
- 条件が続く限りというニュアンス。
- on condition that(〜という条件で)
- “provided (that)” とほぼ同じくらいフォーマル。
- 例: “You can leave early on condition that you finish today’s tasks.”
- “provided (that)” とほぼ同じくらいフォーマル。
反意語
条件を否定する接続詞というものは特に存在しませんが、強いていえば “unless”(もし〜でないなら)などが逆方向の意味を担います。
- 例: “Unless you agree, we cannot proceed.”
- (あなたが同意しない限り、私たちは進められない。)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA): /prəˈvaɪdɪd/
- アメリカ英語: プロヴァイディッド(r をやや強く発音)
- イギリス英語: プロヴァイディッド(r をあまりはっきり発音しない)
強勢(アクセント)の位置: “-vi-” の部分に主アクセントが置かれます。
- pro*vi*ded
よくある発音の間違い:
- 最初の “pro” の “o” を強く読んでしまうこと。実際には弱化して「prə-」のように発音されることが多いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “provided” の “-vid-” の部分を “-vaid-” や “-vide-” と混同することがあります。
- “provide” と “provided” の混同: 動詞として “provide” を使うべきところで接続詞 “provided (that)” を使わないように注意しましょう。
- “provided that” の “that” の有無: “provided” の後ろに “that” が続くかは任意ですが、フォーマル文では “provided that” と続くのが自然です。口語では “provided” に続けても問題ありません。
- TOEIC・英検など試験での出題傾向: 実践的なビジネス文書や契約書類などのリーディング問題や、条件を設定する文法問題で問われることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “provided” は “provide” (与える) の過去形から派生して「〜をあげる(条件をあげる) → もしこうなら」というイメージで覚えるとよいでしょう。
- “if” のかたい版=“provided (that) …” として記憶すると、フォーマルな場面で使いやすくなります。
- スペリングで “pro-” + “vid” + “-ed” という3パーツを意識するとミスを減らせます。
上記のポイントを押さえることで、接続詞 “provided” を正しく理解してフォーマルな英語に活かすことができます。
もし…ならば,…という条件で