raise

1. 基本情報と概要

英単語: raise

品詞: 動詞 (他動詞)

CEFRレベルの目安: B2（中上級）

• B2レベルは、日常会話のほか、ある程度専門的な内容についても自分から発言できるレベルです。

意味 (英語)

1. (物や身体などを) 持ち上げる、引き上げる
   


2. (程度や数値、価格などを) 上げる、増やす
   


3. (資金や人員などを) 集める、募る
   


4. (問題や質問などを) 提起する、提案する
   


5. (子どもや動物を) 育てる

意味 (日本語)

1. 物や身体、状況などを上に持ち上げる、「高くする」という意味です。
   


2. 状況やレベル、金額などを「引き上げる」「高める」というニュアンスがあります。
   


3. お金や人などを「集める」「募る」という場面でも使われます。
   


4. 問題や質問を「提起する」「持ち出す」という意味でも使われます。
   


5. 子どもや動物を「育てる」という意味でも日常的に使われます。
   

複数の意味をもつ便利な単語です。会話や文章で頻繁に使われるので、活用形や用法をしっかり覚えておくとよいでしょう。

活用形

• 原形: raise
  


• 三人称単数現在形: raises
  


• 現在分詞 / 動名詞: raising
  


• 過去形 / 過去分詞: raised
  

他の品詞例

• 名詞形 (a raise): 「賃上げ」「昇給」の意味で用いられることがあります。
  
  例) I got a raise. (昇給をもらった)

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• 「raise」は明確に分割できる接頭語・接尾語がなく、単独の動詞として成立しています。
  


• 派生語や類縁語として、名詞形「raise」(昇給)や同音異綴りの「raze」（全壊する）などに注意が必要です。

コロケーションや関連フレーズ（10個）

1. raise awareness（意識を高める）
   


2. raise funds（資金を集める）
   


3. raise children（子どもを育てる）
   


4. raise your hand（手を挙げる）
   


5. raise an issue（問題を提起する）
   


6. raise a question（疑問を投げかける）
   


7. raise the bar（要求水準を引き上げる）
   


8. raise the stakes（リスクや利害を高める）
   


9. raise an objection（異議を唱える）
   


10. raise taxes（税金を引き上げる）

3. 語源とニュアンス

語源

• 「raise」は中英語の “raisen” に由来し、さらに古ノルド語の “reisa”（持ち上げる）という言葉からきています。


• この語源が示すように、もともとは「何かを上に持ち上げる」という単純な動作が中心的なイメージでした。

ニュアンス

• 「持ち上げる」「高める」といった積極的・上方向へのイメージがあります。
  


• 「raise an issue」「raise a question」のように、ビジネスでも「議題を持ち上げる」、日常会話でも「疑問を提起する」といった多様な文脈で使われます。
  


• フォーマル、カジュアルどちらでも幅広く使用される単語です。

4. 文法的な特徴と構文

1. 他動詞として使用されるのが基本です。必ず目的語を取ります。
   
   
   
   • 例: “He raised his hand.” (彼は手を挙げた)
     
   
   


2. 「raise」と「rise」の使い分け
   
   
   
   • raise は他動詞 (“I raise something.”)、
     
   
   
   • rise は自動詞 (“Something rises.”)。
     
   
   
   • 例: “The sun rises.” (太陽が昇る) / “They raise the flag.” (彼らは旗を掲げる)
   
   

一般的な構文・イディオム

• raise + 目的語
  


• raise + 質問/問題/話題など
  


• “raise one’s spirits” (人の気分を高める)
  


• “raise eyebrows” (驚きや不審の念を引き起こす)
  

フォーマルにもカジュアルにも対応できる動詞なので、様々なシーンで使用されます。

5. 実例と例文

日常会話での例文 (3つ)

1. “Could you raise the volume a bit?”
   
   （もう少し音量を上げてくれる？）
   


2. “I need to raise some money for my trip.”
   
   （旅行のためにお金を集める必要があるんだ。）
   


3. “He raised his hand to answer the teacher’s question.”
   
   （彼は先生の質問に答えるため手を挙げた。）

ビジネスシーンでの例文 (3つ)

1. “We plan to raise our prices next quarter.”
   
   （来四半期には価格を引き上げる予定です。）
   


2. “They managed to raise $100,000 for the new project.”
   
   （新プロジェクトのために10万ドルを募ることに成功しました。）
   


3. “Let’s raise this issue at the next meeting.”
   
   （次のミーティングでこの問題を提起しましょう。）

学術的・フォーマルな文脈での例文 (3つ)

1. “This report aims to raise awareness about environmental concerns.”
   
   （この報告書は環境問題への意識を高めることを目的としています。）
   


2. “He raised a critical question regarding the methodology.”
   
   （彼はその手法に関して重要な疑問を提起しました。）
   


3. “Our study seeks to raise new perspectives on urban development.”
   
   （私たちの研究は都市開発に関して新たな視点を提示することを目指しています。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)

1. lift（持ち上げる）
   
   
   
   • 「実際に物体を垂直に持ち上げる」イメージが強い。
     
   
   


2. elevate（昇格させる、高める）
   
   
   
   • フォーマルな場面で使われることが多い。
     
   
   


3. boost（高める、促進する）
   
   
   
   • 「勢いづかせる」というニュアンス。
     
   
   


4. increase（増加させる）
   
   
   
   • 数や量などを増やす場合に用いる。
     
   
   


5. heighten（強める、高める）
   
   
   
   • 感情や感覚などを「より強める」ニュアンスがある。
   
   

反意語 (Antonyms)

1. lower（下げる）
   


2. decrease（減らす）
   


3. reduce（縮小する）

7. 発音とアクセントの特徴

• IPA: /reɪz/
  


• アメリカ英語・イギリス英語ともに /reɪz/ の発音で、アクセントも同じく1音節目（単語全体）にあります。
  


• よくある間違いとしては、母音を [re:z] のように伸ばさず、[reɪz] と “ay” の音を意識することが大切です。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. rise と混同しやすい
   
   
   
   • raise (他動詞) / rise (自動詞) の区別をしっかり覚える。
     
   
   


2. スペルミス
   
   
   
   • “riase” といった誤記に注意。
     
   
   


3. 同音異綴りの “raze”
   
   
   
   • “raze” は「破壊する」「取り壊す」の意味で正反対なので注意！
     
   
   


4. TOEICや英検などの試験対策
   
   
   
   • 質問提起、募金や資金集めの文脈でよく出題される。
     
   
   
   • 「昇給（a raise）」という名詞形もビジネス英語で頻出。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「レイズ (reɪz)」＝「上に持ち上げるイメージ」を常に持っておく。
  


• “raise” は “a” の入っているほう→「上に何かを上げるイメージの動詞」、“rise” は “i” だけ→「自分で上がるイメージの動詞」と覚えると区別しやすい。
  


• 語源が古ノルド語 “reisa” に由来すると覚えると歴史を感じて記憶に残りやすいかもしれません。

以上が、“raise” の詳細解説です。多彩な意味を持ち、さまざまな文脈で使われる重要単語ですので、ぜひ使いこなせるように練習してみてください。