borrow
以下では、英単語「borrow」について、できるだけ詳しく解説してみます。
1. 基本情報と概要
単語: borrow
品詞: 動詞 (verb)
活用形:
- 現在形: borrow
- 三人称単数現在形: borrows
- 過去形: borrowed
- 過去分詞形: borrowed
- 現在分詞・動名詞形: borrowing
意味(英語):
To take and use something from someone with the understanding that it will be returned.
意味(日本語):
誰かから「借りる」という意味です。物やお金などを一時的に使わせてもらって、後で返すことを表します。日常的に「本を借りる」「お金を借りる」というように使われる、比較的基本的な単語です。
他の品詞への変化例:
- 名詞形はありませんが、形容詞的に使う派生語(borrowableのような形)は日常ではあまり一般的ではありません。
- 「borrower」(借り手)のように名詞化された形もあります。
CEFRレベルの目安: A2(初級)
「borrow」は日常英会話で頻繁に使い、初級レベルの学習者も比較的早い段階から習得する単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「bor-」: 明確な接頭語ではなく、古いゲルマン祖語に由来する語根。
- 「-row」: 現代英語では接尾語としての意味をもっていません。
英語としてはパーツに分解しづらく、語源的には「borrow」はゲルマン系の言語から来ています。
他の単語との関連性・派生語
- 「borrower」(名詞): 借り手
- 「borrowing」(動名詞・現在分詞): 借りること、拝借
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- borrow money(お金を借りる)
- borrow a book(本を借りる)
- borrow something from someone(誰かから何かを借りる)
- borrow an idea(アイデアを借用する)
- borrow a pen(ペンを借りる)
- borrow heavily(多額に借りる)
- borrow trouble(厄介事を自ら招く、取り越し苦労をする)※少しイディオム的
- borrow a phrase(あるフレーズを借用する[言葉として引用する])
- borrow time(時間をかりる、一時的に延命するようなニュアンス)
- borrow clothes(服を借りる)
3. 語源とニュアンス
語源:
古英語の “borgian” にさかのぼり、さらにゲルマン祖語に由来すると考えられています。もともと「担保を取って物を貸す」といった意味合いがあったようです。
ニュアンスと使用上の注意:
- 「borrow」は「返すことを前提として借りる」ニュアンスが強いです。
- 口語・フォーマルどちらでも使われますが、日常会話で頻出します。
- 「借りパク」状態にならないよう、相手からきちんと許可を得る状況で使います。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (transitive verb): 必ず「何を」借りるかの目的語が必要です。
構文例:
- “borrow + 目的語”
- 例: I need to borrow your car.
- 例: I need to borrow your car.
- “borrow ~ from + 人 / 場所”
- 例: Can I borrow this book from you?
- “borrow + 目的語”
可算・不可算の使い分け: 「borrow」は動詞なので、物によって可算・不可算を意識するのは借りる対象となる名詞側です(bookは可算名詞、moneyは不可算名詞など)。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “Can I borrow your umbrella? I forgot mine at home.”
(傘を借りてもいい? 自分のを家に忘れちゃって。) - “I usually borrow books from the local library.”
(普段、地元の図書館から本を借りています。) - “If you need a pencil, you can borrow one from me.”
(もし鉛筆が必要なら、私のを使っていいよ。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “Could I borrow your laptop charger for a few minutes? Mine just died.”
(数分だけあなたのノートパソコンの充電器をお借りできますか? 私のが充電切れで。) - “We may need to borrow funds from the bank to expand our operations.”
(事業拡大のために銀行から資金を借りる必要があるかもしれません。) - “I borrowed some office supplies from the storage room. I’ll return them later.”
(倉庫からオフィス用品を借りてきました。後で返しますね。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “Researchers often borrow concepts from other disciplines to deepen their work.”
(研究者は他分野の概念をしばしば借用して自分たちの研究を深めます。) - “The theory borrows heavily from mathematics and statistics.”
(その理論は数学と統計学から大きく借用しています。) - “Linguists sometimes borrow terms from sociology to describe language behavior.”
(言語学者は言語行動を説明するために社会学の用語を借りることがあります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “take out” (something) : 単に「取り出す」「借り出す」の意味で、図書館やビデオレンタル時などに用いられる。
- “use” : 一時的に借りるというよりは「使う」の意味に近い。実際にはpermission(許可)を表さない場合も多い。
ただし“borrow”の完全な同義語というよりは、状況に応じて目的語やニュアンスが変化するため、置き換えには注意が必要です。
反意語 (Antonyms)
- “lend” : 「(相手に)貸す」の意。最も対になる語です。
- “return” : 「返す」の意。動作の方向が逆。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ˈbɑːroʊ/ (バーろう)
- イギリス英語: /ˈbɒrəʊ/ (ボロウ)
アクセント:
- “bor” の部分に強勢がきます(“BOR-row”)。
よくある発音の間違い:
- 最初の音を “barrow” のように /ˈbæroʊ/ と濁らせたり、最後を /-uː/(ウー)と伸ばしすぎたりしないように注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “borrow” と “lend” の混同
- “borrow” は「自分が借りる」、「lend” は「相手に貸す」です。立場の違いに注意。
- “borrow” は「自分が借りる」、「lend” は「相手に貸す」です。立場の違いに注意。
- スペル間違い
- “borow” と “r” を一つしか書かないミス、“borrowing” のときに “r” の数を間違えるなど。
- “borow” と “r” を一つしか書かないミス、“borrowing” のときに “r” の数を間違えるなど。
- 同音異義語との混同
- “borough”(行政区域)などスペリングが似た単語は音が似ていて混同しやすいです。
試験対策(TOEIC・英検など)
- パート3や4(リスニング)で、物の貸し借りの会話が出題されたり、リーディングでも文中の状況把握を問う問題で使われる可能性があります。
- “borrow” と “lend” がどちらの立場かを問う問題が頻出です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “bor” → 「ボール(ball)を一時的に使う」イメージで、誰かのものを借りている状態を思い浮かべてもよいかもしれません。
- 動作の方向が自分へ来る(I borrow from you)という立場の違いをはっきり覚えることで混乱を防げます。
- 覚え方の一例: “Borrow = to Bring something to me that I have to Return later.” と頭文字を意識すると記憶しやすいかもしれません。(B-R-R: Borrow = Bring, Return, Remember)
以上が、動詞 “borrow” の解説です。日常生活で頻繁に登場し、特に「借りる」と「貸す」の区別が混乱しやすい単語ですので、ぜひ用法の違いをしっかり意識して使ってみてください。
(…を担保として…から)…'を'借りる《+名+from+名+on+名》
〈言葉・思想・方法など〉'を'借りてまねる,模倣(もほう)する
借りる,借金する