narrate
以下では、動詞「narrate」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語)
“narrate” = to tell a story or describe events, often in a structured or spoken way.
意味(日本語)
「narrate」は、物語や出来事を“語る、叙述する、ナレーションをする”という意味の動詞です。
文脈によっては「物語を順序立てて話す」「映画やドキュメンタリーなどでナレーションを行う」といったニュアンスでも使われます。
例えば、「彼は自分の人生について詳細に語った」というように、自ら体験した出来事を順序立てて語るシーンでよく使われます。
品詞
- 動詞 (to narrate)
活用形
- 原形:narrate
- 三人称単数現在形:narrates
- 現在分詞/動名詞:narrating
- 過去形/過去分詞形:narrated
他の品詞になったときの例
- 名詞:narration (物語ること、叙述)、narrator (語り手、ナレーター)
- 形容詞:narrative (物語の、叙述の)
CEFRレベル参考
- B2(中上級)
やや文語調で、多くは書き言葉やフォーマルな状況、また映画やドキュメンタリーのナレーションなどで使われるため、中上級の学習者向けと言えます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹:narr-
- 接尾語:-ate(動詞化する接尾語)
「narrate」は、ラテン語の語幹 “narr- (語る、話す)” に、英語において動詞化する接尾語 “-ate” がついた形です。
派生語・類縁語
- narration: 物語を語る行為、叙述
- narrator: 物語の語り手、ナレーター
- narrative: 物語の、物語
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- narrate a story → 物語を語る
- narrate a documentary → ドキュメンタリーのナレーションをする
- narrate one’s experiences → 体験を語る
- narrate in first person → 一人称で語る
- narrate an audiobook → オーディオブックのナレーションをする
- carefully narrate events → 出来事を注意深く語る
- dramatically narrate scenes → 劇的に場面を語る
- narrate a historical account → 歴史的事項を叙述する
- narrate in chronological order → 時系列順に語る
- narrate from memory → 記憶に基づいて語る
3. 語源とニュアンス
語源
- 「narrate」はラテン語の “narrare” (語る)にさかのぼります。
ラテン語 “narrare” は、 “gnarus” (知識のある、経験豊富な)から派生しており、「知識や経験をもとに語る」というニュアンスを持ちます。
ニュアンス・使用時の注意点
- 物語や出来事を順序立てて“説明する・話す”ことに焦点があるため、単に「言う」よりもフォーマル、あるいは書き言葉的です。
- 映画やドキュメンタリーなどの「ナレーションをする」という意味で使われる場合は、やや専門的・フォーマルな響きがあります。
- 日常会話ではそれほど頻繁に使われませんが、「物語や個人の体験を詳細に語る」といった文脈では適しています。
4. 文法的な特徴と構文
- “narrate” は他動詞(transitive verb)として用いられます。
例: “She narrated the entire event to the audience.” - フォーマルな文脈や書き言葉、ドキュメンタリーの脚本などでよく用いられます。
イディオムや定型表現
- “narrate from start to finish” → はじめから終わりまで詳細に語る
- “narrate the proceedings” → (会議などの)進行を説明する・実況する
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
“Could you narrate your trip across the country? I’d love to hear the details.”
(あなたの国内旅行について語ってもらえますか? 詳しく聞きたいんです。)“My grandmother used to narrate bedtime stories every night.”
(祖母は毎晩寝る前にお話を語ってくれたものだ。)“He likes to narrate his childhood memories whenever he gets nostalgic.”
(彼は懐かしくなると、子どもの頃の思い出を語るのが好きだ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
“During the presentation, the host will narrate each slide to provide context.”
(プレゼン中、ホストは各スライドについて状況を説明してくれます。)“He was asked to narrate the company’s history for the promotional video.”
(彼はPR動画のために会社の歴史をナレーションするよう依頼されました。)“Please narrate the timeline of the project from inception to completion.”
(プロジェクトの開始から完了までのタイムラインを順を追って説明してください。)
学術的な文脈での例文(3つ)
“In her thesis, she narrates the evolution of language policy in post-colonial regions.”
(彼女の論文では、ポストコロニアル地域における言語政策の変遷が語られています。)“The documentary aims to narrate the biodiversity crisis through visual storytelling.”
(そのドキュメンタリーは、ビジュアルストーリーテリングを通じて生物多様性の危機を語ることを目的としています。)“This historical text narrates the events leading up to the war in great detail.”
(この史料は戦争に至るまでの出来事を非常に詳細に描写しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- “tell” → (言う、語る)
- 一般的に「言う」「語る」を指すシンプルな言葉。カジュアルな場面でも使いやすい。
- 一般的に「言う」「語る」を指すシンプルな言葉。カジュアルな場面でも使いやすい。
- “relate” → ((物語などを)語る、関連づける)
- 「...について語る」という意味で、ややフォーマルなニュアンスがある。
- 「...について語る」という意味で、ややフォーマルなニュアンスがある。
- “describe” → (描写する)
- 視覚的・細部まで説明するニュアンスが強い。
- 視覚的・細部まで説明するニュアンスが強い。
- “recount” → (詳しく話す、物語る)
- 過去の出来事を一つひとつ順序立てて話すときに用いられやすい。
- 過去の出来事を一つひとつ順序立てて話すときに用いられやすい。
反意語(Antonyms)
- “conceal” (隠す)
- 「言わない、隠す」という意味で、「語る」とは正反対のイメージ。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /nəˈreɪt/ または /ˈnæreɪt/
- イギリス英語: /nəˈreɪt/
アクセントの位置
- アメリカ英語では “nar-RATE” と第2音節に強勢が置かれる場合と、 “NA-rate” と第1音節に強勢が置かれる場合が両方聞かれます。
- イギリス英語では、第2音節 “-rate” に強勢が置かれることが多いです(nə-RATE)。
よくある発音ミス
- “narrate” の最後の “-ate” を曖昧に発音して “narrat” のようにしてしまうミス。
- “narrate” の第一音節を [nar] ではなく [nə] とするかどうかで戸惑う場合があるので注意が必要。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミスとして “narate” と1つ “r” を抜かしてしまうことがあるので注意。
- “narrate” と「narrative」「narrator」などの派生語を混同しがち。
例) “narrator” は「語り手」という名詞、“narrative” は「物語の」という形容詞あるいは名詞。 - 英検やTOEICなどでは、文脈によって “tell,” “describe,” “narrate,” “recount” のような表現を区別させる問題が出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ナレーション(narration)」というカタカナ語を思い出せば、「語る」「述べる」という意味がすぐ頭に浮かびやすいでしょう。
- “narrate” を覚えるときは、映画などの“ナレーション”をイメージして、声付きで場面を説明する様子を想像すると覚えやすいです。
- 「narr-」は「話し手」「ストーリーを語る」を連想する語根として意識しておくと、関係する単語の学習にも役立ちます。
以上が、動詞 “narrate” の詳細解説です。しっかりと音読しながら、例文や派生語をあわせて覚えると理解が深まるでしょう。
…‘の'話をする,‘を'物語る,述べる
(ドラマなどで)語り手になる