lesser
1. 基本情報と概要
単語: lesser
品詞: 形容詞
意味(英語):
- “smaller in size, amount, or importance”
意味(日本語):
- 「より小さい、より重要度が低い、劣る」
「lesser」は何かと比べて「より小さい」または「重要ではない」というニュアンスを表すときに使われる形容詞です。日常会話よりも、少し丁寧またはフォーマルな言い回しに近いですが、決まり文句として「the lesser of two evils」(二つの悪のうち、より悪くない方=より小さな悪) などで広く使われます。
活用形
- 形容詞のため、名詞のような複数形や動詞のような活用はありません。
- 同じ語幹「less」を含む語として、動詞 “lessen” (~を減らす) などがあります。
他の品詞になった時の例
- less (副詞/形容詞): 「少なく/より少ない」
- lessen (動詞): 「減らす、減少する」
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 一般的な話題で比較や論説をするときに役立つ語ですが、やや文語的・フォーマルな響きもあるため中上級レベル向けと考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成: “less” + “-er” (比較級を表す接尾語の名残)
- “less” は「より少ない」を表します。
- “-er” は本来比較級を作る接尾語ですが、「less」自体が比較級の意味を持つため、やや特殊な形で形容詞として定着しています。
派生語や類縁語:
- less (形容詞/副詞): 「より少ない/少なく」
- lesson (名詞): 「授業、教訓」※ 発音もつづりも似ていて紛らわしいですが、語源は異なります。
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- lesser value(より低い価値)
- lesser amount(より少ない量)
- lesser degree(より低い程度)
- lesser importance(より重要度が低い)
- the lesser of two evils(二つの悪のうちより悪くない方)
- lesser-known fact(あまり知られていない事実)
- lesser charge(より軽い罪状/容疑)
- lesser extent(より小さい範囲/程度)
- lesser priority(優先度が低い)
- lesser demand(需要が低い)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 古英語 “læssa” や “lǣs” に由来し、「小さい」「少ない」を意味する語の比較表現として使われてきました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 「量」「重要度」「価値」など、いずれの観点でも「あるものより小さい/低い」ことを強調します。
- 口語ではやや硬い印象を与えるので、日常会話では “smaller” や “less important” と言い換えることも多いです。
- フォーマル、文章、熟語的用法 (the lesser of two evils) で特によく見られます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として名詞を修飾する場合が多い (e.g., “lesser evil”, “lesser value”)。
- 「the lesser of two ~」のように「二つのうち、より小さい方」という決まり文句で頻出。
- 主に可算・不可算を問わず、比較対象がある場合に使われます。
- 文語的・フォーマルな響きが強いため、日常のカジュアルスピーチではあまり乱用しない方が自然です。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例 (3つ)
“I’ll choose the lesser portion for dinner tonight.”
- 「今夜はより小さい方のポーションを選ぶよ。」
“Between washing dishes and taking out the trash, I think washing dishes is the lesser chore.”
- 「皿洗いとゴミ出し、どっちも面倒だけど、皿洗いの方がまだマシかな。」
“He bought a lesser-known brand of headphones, but they work really well.”
- 「彼はあまり知られていないブランドのヘッドホンを買ったけど、すごく調子いいよ。」
(2) ビジネスシーンでの例 (3つ)
“We should allocate lesser funds to non-essential projects this quarter.”
- 「今期は、必須でないプロジェクトにはより少ない資金を割り当てるべきです。」
“A lesser budget doesn’t always mean lower quality.”
- 「予算が少ないからといって、必ずしも品質が落ちるわけではありません。」
“Let’s focus on major clients and give lesser priority to smaller accounts for now.”
- 「まずは主要顧客に集中して、今のところは小規模アカウントの優先度を下げましょう。」
(3) 学術・専門的な文脈での例 (3つ)
“In this study, we examined the effects of a lesser concentration of the chemical on plant growth.”
- 「本研究では、植物の成長に対する低濃度の化学物質の影響を調べました。」
“When assessing risk, organizations often choose the lesser of two evils in policy-making.”
- 「リスク評価を行う際、組織はしばしばポリシー決定において二つの悪のうちより悪くない方を選択します。」
“Some minor variables had a lesser impact on the final outcome.”
- 「いくつかの補助変数は最終結果にあまり大きな影響を及ぼしませんでした。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- smaller(より小さい)
- 「サイズ」に焦点を当てるときに使いやすい。
- 「サイズ」に焦点を当てるときに使いやすい。
- minor(重要度が低い)
- 「より重要度が低い」ことを示すが、フォーマル度は同程度。
- 「より重要度が低い」ことを示すが、フォーマル度は同程度。
- inferior(劣っている)
- 品質や地位などが「劣る」ニュアンスが強く、やや否定的。
- 品質や地位などが「劣る」ニュアンスが強く、やや否定的。
反意語 (Antonyms)
- greater(より大きい、より重要な)
- major(主要な、重要度の高い)
- superior(より優れている、上位の)
“lesser” が数量や重要度を「小さい/低い」として捉えるのに対し、これらの単語は「大きい/高い」方向を示します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈlɛs.ər/ (米国英語), /ˈles.ə(r)/ (英国英語)
- アクセント: “less” の部分に強勢が置かれ、後半 “-er” は弱く発音されます。
- 米英ともに大きな差はありませんが、米英で “-r” の発音がある/ないの違いが出ます。
- よくある間違い: “lesser” と “lesson” の音やスペルを混同することがありますが、後者は /ˈlɛs.ən/ のように “-n” で終わります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “less” と混同しがち: “less” は副詞・形容詞として使われ、「量が少ない」「程度が低い」と幅広く使われますが、“lesser” は「何かとの比較を含意した形容詞」かつ「フォーマル/文語寄り」という点が異なります。
- スペルミス: “leser” や “lasser” などと誤記しがち。不規則な見た目から正確なつづりに注意が必要です。
- 試験での出題傾向: TOEICや英検では “the lesser of two evils” の慣用表現や文章読解中の比較文で登場する場合があります。文脈で比較を表す形容詞としてしっかり区別しておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「less + er」=「さらに“less”」。すでに少ないものを比較して「もっと少ない/重要度が低い」と覚えると分かりやすいです。
- 覚え方: “lesser” と聞くと「小さい方、ちょっと下の方」というニュアンスを思い浮かべる。文語・熟語的に「~のうちの小さい方」を表す際に有効です。
- 学習テクニック: “the lesser of two evils” のフレーズを丸ごと覚えておくと、比較文脈での使い方がすぐに思い出せます。
以上が “lesser” の詳細な解説です。比較表現やフォーマルな文脈で重宝する単語なので、使い分けやニュアンスを押さえておきましょう。
いっそう小さい(少ない,重要でない),より劣った