元となった辞書の項目
discretionary
解説
1. 基本情報と概要
単語: discretionary
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): Left to individual choice or judgment; not mandated by specific rules.
意味(日本語): 個人の裁量や判断に任された、任意の。
「何かを決定するときに、自分で判断して決めてもよいというニュアンスです。強制的・義務的ではなく、余裕や自由度がある場面で使われます。」
活用形
- 形容詞: discretionary
- 副詞: discretionarily (あまり一般的ではないが、「裁量的に」の意味)
- 名詞形: discretion(裁量、判断の自由)
他の品詞となった例
- discretion (名詞): 個人の判断の自由。
- discreet (形容詞, 発音は似ていて注意): 思慮深い、慎重な。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): ビジネスやアカデミックな文脈で使われることが多く、ある程度専門的なニュアンスを伴うためB2レベル程度で学習するとよいでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- discretion + -ary
- 「discretion」は「裁量」「判断の自由」を意味し、語尾に「-ary」がつくことで「~に関する」「~の」という形容詞が形成されます。
関連単語
- discretion (名詞): 裁量、自由裁量
- discreet (形容詞): 慎重である、思慮分別のある(スペリングが似ているが意味が異なる)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- discretionary spending(裁量的支出)
- discretionary power(裁量権)
- discretionary authority(任意の権限)
- discretionary bonus(裁量ボーナス)
- discretionary income(自由に使える収入)
- discretionary budget(裁量予算)
- discretionary fund(任意の資金)
- discretionary measure(裁量措置)
- exercise discretionary power(裁量権を行使する)
- discretionary decision-making(裁量的な意思決定)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の「discretio(区別する、選別する)」から派生。
- 「discretion(裁量)」という名詞から派生し、「裁量(discretion)に関する」という意味合いを持つ形容詞が「discretionary」です。
ニュアンス・使用時の注意点
- 使う場面: 主にビジネスや法的文書、形式ばった場面。
- 「自由に決定できる」という響きを持ち、但し責任が伴う場合も多いです。
- 口語というよりはややフォーマルな文脈で使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- discretionary は形容詞なので、名詞を修飾して使います。
例: a discretionary budget, discretionary power - 文中では通常 at one’s discretion(誰かの裁量で)と合わせて使われるケースが多いですが、これは “discretion” のフレーズです。
可算・不可算の区別
- 「discretionary」は形容詞のため、名詞との可算・不可算の区別には直接関与しません。
- 元の名詞「discretion」は不可算名詞として扱われることが多いです。
使用シーン
- フォーマル: 報告書、契約書、会議記録など
- カジュアル: 日常会話ではあまり聞かれず、「optional」などで言い換える方が一般的です。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “We have some discretionary money we can use for entertainment this weekend.”
- (今週末、娯楽に使ってもいい自由なお金が少しあるよ。)
- (今週末、娯楽に使ってもいい自由なお金が少しあるよ。)
- “My parents gave me discretionary control over how I spend my allowance.”
- (両親は、小遣いをどう使うか私の裁量に任せてくれた。)
- (両親は、小遣いをどう使うか私の裁量に任せてくれた。)
- “It’s up to you; the choice is entirely discretionary.”
- (あなた次第だよ。選択は完全に任意だよ。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “The manager has discretionary authority to approve special discounts.”
- (マネージャーは特別割引を承認する裁量権を持っている。)
- (マネージャーは特別割引を承認する裁量権を持っている。)
- “We set aside a discretionary fund for unexpected expenses.”
- (予期せぬ出費に備えて裁量的な資金を確保している。)
- (予期せぬ出費に備えて裁量的な資金を確保している。)
- “Employees may receive a discretionary bonus based on performance.”
- (従業員は業績に応じて任意のボーナスを受け取る場合がある。)
学術的・専門的な文脈での例文(3つ)
- “Under this policy framework, local governments have substantial discretionary power.”
- (この政策枠組みでは、地方自治体はかなりの裁量権を持っている。)
- (この政策枠組みでは、地方自治体はかなりの裁量権を持っている。)
- “Economists often analyze the impact of discretionary fiscal policies on the economy.”
- (経済学者はしばしば、裁量的な財政政策が経済に与える影響を分析する。)
- (経済学者はしばしば、裁量的な財政政策が経済に与える影響を分析する。)
- “Discretionary assessment methods can introduce variability in research outcomes.”
- (裁量的な評価方法は研究結果にばらつきをもたらす可能性がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- optional(任意の)
- 「強制でなく自由選択」という点では近いが、一般的な場面で使いやすい。
- 「強制でなく自由選択」という点では近いが、一般的な場面で使いやすい。
- voluntary(自主的な)
- 「自分から進んで」というニュアンスが強い。
- 「自分から進んで」というニュアンスが強い。
- flexible(柔軟な)
- 具体的に決まっていない、変動可能という意味合い。
- 具体的に決まっていない、変動可能という意味合い。
反意語
- mandatory(義務的な)
- 必ず実行が必要という意味。discretionaryの正反対。
- 必ず実行が必要という意味。discretionaryの正反対。
- compulsory(必修の、強制的な)
- 何かをせざるを得ない状況を示す。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /dɪˈskrɛʃ.ən.eri/ (米), /dɪˈskrɛʃ.ən.ər.i/ (英)
- アクセントは「scré」にあたり、dis-CRE-tion-ar-y のように第2音節に強勢があります。
- イギリス英語とアメリカ英語では末尾付近の [ər] の発音にやや差があります。
- “discretionary” を「ディスクレショナリー」と読むように、-tion- の部分が「シュン」となるイメージを持つと発音しやすいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “discretionary” の「-tion-」の部分を間違え、「discretionery」「descretionary」などと書かないように注意。
- 「discreet」との混同: 「discreet」は「控えめな、慎重な」の意味で、つづりも似ていますが全く別の意味です。
- TOEICやビジネス英語、海外大学での論文など、ビジネス・アカデミック分野の読解問題で出題されることがあります。文脈に合わせて「裁量」「任意」の意味を正確に理解しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「discretion(裁量)に関する」→ “discretion + ary” と覚えるとスペルミスを減らせます。
- 「disCREtionary」のように “CRE” の部分を強調し、“CRE”=decision(決定)の “cré” とイメージしておくと音と意味を関連づけやすいです。
- 「義務ではなく自由に決められる」というストーリーを思い浮かべると、実際の使用場面がイメージしやすくなります。
以上が形容詞 “discretionary” の詳細な解説です。自由裁量があるというニュアンスを意識して使いましょう。
意味のイメージ
意味(1)
任意の,自由裁量の