sheer off
1. 基本情報と概要
英単語・フレーズ: “sheer off”
品詞: 句動詞 (phrasal verb)
意味(英語): To suddenly change direction; to swerve or deviate sharply from a course.
意味(日本語): 急に進路を変える、急に逸れる。例えば、車や船などが進んでいた方向を“ひょい”と逸れるようなイメージの表現です。
「sheer off」は何かにぶつかりそうになったり、急に避ける必要があったりする場面で、方向を急に変えることを表します。話し手のニュアンスとしては「予想外に急旋回する」「衝突を避けるためにとっさに逸れる」といった感じです。
活用形
- 現在形: sheer off / sheers off
- 進行形: sheering off
- 過去形: sheered off
- 過去分詞: sheered off
※「sheer」は形容詞(例: “sheer luck” = 「まったくの幸運」)や副詞(例: “cliff rising sheer from the sea” = 「切り立つ崖」)としても使われますが、ここでは「sheer + off」として句動詞としての用法を扱います。
CEFRレベルの目安
- B2 (中上級): 日常的な動作表現から一歩進んだ表現として、やや専門的・具体的にニュアンスを伝えるのに使われる単語です。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- sheer: 元々は「すっと逸れる」「まっすぐ」「完全に」など複数の意味を持つ単語。
- off: 離れる、分離する、進路から外れる意味の副詞・前置詞。
「sheer off」で、「まっすぐ(勢いよく)外れる」というイメージを連想しやすいです。
他の単語との関連性・派生語
- sheer away:ほぼ同義で使われ、急に方向を変えることを指します。
- veer off: 同じく「急にそれる」という意味の語ですが、少し日常的に「車がハンドルを切る」などにもよく使われます。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- “sheer off course”
- コース(進路)から急に逸れる
- コース(進路)から急に逸れる
- “sheer off at the last moment”
- 最後の瞬間に急に逸れる
- 最後の瞬間に急に逸れる
- “the car sheered off the road”
- 車が道から急にそれた
- 車が道から急にそれた
- “sheer off to avoid collision”
- 衝突を避けるために急にそれる
- 衝突を避けるために急にそれる
- “sheer off in panic”
- 慌てて急にそれる
- 慌てて急にそれる
- “sheer off unexpectedly”
- 思いがけず急に進路を変える
- 思いがけず急に進路を変える
- “sheer off from the main path”
- メインの道から急に外れる
- メインの道から急に外れる
- “sheer off under pressure”
- プレッシャーを受けて急に道を外れる
- プレッシャーを受けて急に道を外れる
- “sheer off to dodge an obstacle”
- 障害物を避けるために急旋回する
- 障害物を避けるために急旋回する
- “sheer off at high speed”
- 高速で急にそれる
- 高速で急にそれる
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「sheer」は中英語(Middle English)や古ノルド語起源をたどり、「まっすぐ」「完全に」「垂直に」などの意味を持ちます。航海術において船が急に角度を変える際にも使われました。
- ニュアンス/使用上の注意:
- “sheer off”はカジュアルな会話でも使えますが、少し書き言葉ややや文語的・比喩的に使われることもあります。
- 特に衝突や影響を避ける場面によく登場するため、急激かつ明確な方向転換をニュアンスとして含みます。
- “sheer off”はカジュアルな会話でも使えますが、少し書き言葉ややや文語的・比喩的に使われることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 文法上のポイント:
- 自動詞的に振る舞い、対象を直接目的語としては取りません(“sheer off + 名詞”というよりは “sheer off (from/away from + 名詞)” という形が多い)。
- 例: “The car sheered off the highway.”(高速道路からそれた)
- 自動詞的に振る舞い、対象を直接目的語としては取りません(“sheer off + 名詞”というよりは “sheer off (from/away from + 名詞)” という形が多い)。
- 一般的な構文:
- “Sheer off (from something)”
- “Sheer away (from something)”
- “Sheer off (from something)”
- フォーマル/カジュアル:
- 日常会話では「veer off」「swerve」などの動詞もよく使われますが、少しドラマチック・文学的に表現したい時に“sheer off”が使われることもあります。
5. 実例と例文
ここでは「日常会話」「ビジネス」「学術的」の3つのシーンで、それぞれ3つずつ例文を示します。
A. 日常会話
“I had to sheer off at the last second to avoid hitting that cyclist.”
- 「あの自転車の人をはねないように、最後の瞬間に急ハンドルを切らなくちゃいけなかったんだ。」
“The dog ran straight at me, so I sheered off to the side.”
- 「犬がまっすぐこっちに走ってきたから、横にひょいとそれたよ。」
“We should sheer off from that route if the traffic is too heavy.”
- 「渋滞がひどいなら、そのルートはやめて別の道に急に変えよう。」
B. ビジネス
“Our strategy must sheer off from traditional methods if we want to stand out.”
- 「差別化を図りたいなら、従来の方法から急激に方向転換しなければなりません。」
“If the meeting heads towards an argument, we might need to sheer off to another topic.”
- 「もし会議が口論になりかけたら、別のトピックに急いで逸らす必要があるかもしれません。」
“Companies often sheer off risky investments when the economy shows signs of decline.”
- 「景気後退の兆候があると、多くの企業はリスクの高い投資から急に方向転換します。」
C. 学術的・専門的
“In maritime history, ships would sheer off to avoid rocks or icebergs.”
- 「海事史において、船は岩礁や氷山を避けるために急に進路を変えました。」
“Aircraft might sheer off from its flight path under certain emergency protocols.”
- 「航空機は、特定の緊急プロトコルに従い、飛行経路から急旋回することがあります。」
“Under psychological stress, individuals may sheer off from established social conventions.”
- 「心理的ストレス下では、人々は従来の社会的慣習から急に逸脱することがあるのです。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
veer (off) (車・船などが急に方向を変える)
- “veer off the road” = 「道路から逸れる」
- “sheer off”とほぼ同じ意味だが、“veer”のほうが一般的に日常会話でもよく使われる。
- “veer off the road” = 「道路から逸れる」
swerve (ハンドルを急に切る、よける)
- “swerve to avoid a pedestrian” = 「歩行者を避けるために急ハンドルを切る」
- “sheer off”より直接的に「ハンドルを切る」イメージが強い。
- “swerve to avoid a pedestrian” = 「歩行者を避けるために急ハンドルを切る」
diverge (分岐する、逸れる)
- “diverge from the planned path” = 「計画された道筋からそれる」
- 文語的なニュアンスが強く、抽象的な話題にも使える。
- “diverge from the planned path” = 「計画された道筋からそれる」
反意語
- stay on course: 進路をそのまま維持する
- remain: そのままでいる/変わらない
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- “sheer”: /ʃɪər/ (イギリス英語), /ʃɪr/ (アメリカ英語)
- “off”: /ɒf/ (イギリス英語), /ɔːf/(地域差あり), /ɔf/ (アメリカ英語)
- “sheer”: /ʃɪər/ (イギリス英語), /ʃɪr/ (アメリカ英語)
- アクセント
- 句動詞のため “sheer OFF” というように後半を強調する場合もありますが、自然な会話では “SHEER off” と“sheer”を強く言う場合もあります。どちらも実際には聞かれます。
- よくある発音の間違い
- “sheer” を “share” (/ʃeər/) と混同しないように注意すること。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “shear off” と書いてしまう(“shear”は「刈る」という意味の動詞)。“sheer” と “shear” は別単語なので要注意。
- 同音/類似表現: “sheer” (完全なる) と “shear” (刈る) は綴りも意味も違うが、混同しやすい。
- 試験対策: TOEICや英検などでは頻繁に出る表現ではありませんが、文章読解中に「急にそれる」の意味を読み取れないと理解を阻害する場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “sheer off”は、「まっすぐ一直線の状態から“ひょい”と横にそれるイメージ」と覚えましょう。
- 「sheep(羊)が急に跳ねて横にいくイメージで“sheer off”」と関連づけて覚えるなど、ゴロ合わせ的に工夫しても面白いかもしれません。
- スペルは “sheer” (真っ直ぐ・完全に) であることを頭に入れ、発音も /ʃɪər/(イギリス英語)や /ʃɪr/(アメリカ英語)で確認しましょう。
以上が “sheer off” の詳細な解説です。急に進路を変えたり、逸れたりするときに使う表現なので、特に「衝突を回避する」「気分や計画を急に変える」イメージで覚えると使いやすいと思います。
(不快なもの・危険から)離れる,(…を)避ける《+away(off)from+名》
〈特に船が〉針路からそれる,向きを変える《+away(off)》