元となった辞書の項目
tip
解説
以下では、名詞としての “tip” をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: tip
品詞: 名詞 (可算名詞)
主な意味:
- 先端、先っぽ (the end or extremity of something)
- 助言、ヒント (useful piece of advice or hint)
- チップ、心づけ (small sum of money given as a reward for service)
日本語では「先端」「ヒント」「チップ(お金)」などを表します。日常会話からビジネスまで、状況に応じてさまざまな意味で使われます。相手に「ちょっとしたアドバイスを与える」ときにも “tip” が使われますし、レストランなどでサービスに対して渡すお金も “tip” です。
- 活用形(名詞): tip (単数形), tips (複数形)
- 他の品詞例(動詞 “to tip”):
- to tip (〜にチップを渡す / 〜を傾ける / 〜を倒す)
- 例:He tipped the waiter.(彼はウェイターにチップを渡した)
- to tip (〜にチップを渡す / 〜を傾ける / 〜を倒す)
CEFRレベルの目安: B1(中級)
「tip」という単語は複数の意味を持ち、日常会話でも比較的よく登場するため、中級レベル(B1)で把握し始めるのがおすすめです。
2. 語構成と詳細な意味
“tip” は短い単語で、接頭語や接尾語といった明確な区切りはありません。語幹としては “tip” 全体が基本形です。
他の単語との関連性
- tip off (動詞句): (情報などを)こっそり教える
- tiptoe (動詞/名詞): つま先で歩く、つま先
- tipping point: 転換点
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- tip of the iceberg
- 日本語訳: 氷山の一角
- 日本語訳: 氷山の一角
- leave a tip
- 日本語訳: チップを置く(支払う)
- 日本語訳: チップを置く(支払う)
- a helpful tip
- 日本語訳: 役立つヒント
- 日本語訳: 役立つヒント
- top tip
- 日本語訳: 最高のヒント
- 日本語訳: 最高のヒント
- safety tips
- 日本語訳: 安全のためのアドバイス
- 日本語訳: 安全のためのアドバイス
- travel tips
- 日本語訳: 旅行のためのヒント
- 日本語訳: 旅行のためのヒント
- cooking tips
- 日本語訳: 料理のコツ
- 日本語訳: 料理のコツ
- a tip jar
- 日本語訳: チップ用の瓶(レジ横によく置かれているもの)
- 日本語訳: チップ用の瓶(レジ横によく置かれているもの)
- a gardening tip
- 日本語訳: 園芸に関するアドバイス
- 日本語訳: 園芸に関するアドバイス
- on the tip of one’s tongue
- 日本語訳: (言葉などが)喉まで出かかっている
3. 語源とニュアンス
- 語源: 中英語 (Middle English) の頃から使われており、もともと “tippen” (先に触れる、軽く叩くなどの意味) に由来するといわれます。
- 歴史的な使われ方: 「先端」「先っぽ」の意味が元来の中心でしたが、時代を経て「ヒント・助言」「サービスに対する報酬(チップ)」という派生的な意味が広がりました。
- ニュアンスと注意点:
- 「助言」の意味で使うときは気軽に使える印象ですが、ビジネスでは「valuable tip」「useful tip」というとフォーマル寄りの言い方になります。
- レストランやタクシーでの「チップ」を指すときは日常会話でも使われますが、習慣のない国で使う場合などは注意が必要です(文化的背景が異なるため)。
- 「助言」の意味で使うときは気軽に使える印象ですが、ビジネスでは「valuable tip」「useful tip」というとフォーマル寄りの言い方になります。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): a tip, two tips, many tips などのように数えられます。
代表的な構文・フレーズ:
- (1) give someone a tip
- 例: “He gave me a useful tip for studying.”(彼は勉強について役に立つヒントをくれた)
- (2) leave a tip
- 例: “Don’t forget to leave a tip for the waiter.”(ウェイターにチップを忘れずに渡してね)
- (3) the tip of something
- 例: “The tip of the pen is broken.”(ペンの先が壊れている)
- (1) give someone a tip
フォーマル/カジュアル
- 「アドバイス」の意味での “tip” は会話・文章のどちらでも比較的カジュアルに使えます。
- 「心づけ」の意味での “tip” も日常会話中心ですが、ビジネス文脈では “gratuity” や “service charge” と書かれることが多いです。
- 「アドバイス」の意味での “tip” は会話・文章のどちらでも比較的カジュアルに使えます。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “Could you give me a tip on how to bake a fluffy cake?”
- ふわふわなケーキを焼くコツを教えてくれない?
- ふわふわなケーキを焼くコツを教えてくれない?
- “I always leave a small tip for the barista.”
- 私はいつもバリスタに少額のチップを置いていくんだ。
- 私はいつもバリスタに少額のチップを置いていくんだ。
- “Here’s a tip: take a break every hour to stay focused.”
- アドバイスだけど、集中力を維持するために1時間おきに休憩をとるといいよ。
ビジネスでの例文 (3つ)
- “I got a great tip from my mentor about time management.”
- メンターからタイムマネジメントについて素晴らしい助言をもらいました。
- メンターからタイムマネジメントについて素晴らしい助言をもらいました。
- “He offered me a tip on how to negotiate better with clients.”
- 彼はクライアントとよりうまく交渉する方法に関して助言をしてくれました。
- 彼はクライアントとよりうまく交渉する方法に関して助言をしてくれました。
- “Any tips on improving the sales presentation?”
- 販売プレゼンを改善するためのヒントはありますか?
学術的な文脈での例文 (3つ)
- “The professor’s tip on structuring the research paper was invaluable.”
- 研究論文の構成についての教授の助言はとても貴重だった。
- 研究論文の構成についての教授の助言はとても貴重だった。
- “We studied the tip of the glacier during our field research.”
- 私たちはフィールド調査で氷河の先端部分を調べた。
- 私たちはフィールド調査で氷河の先端部分を調べた。
- “He shared some tips on how to write a compelling abstract.”
- 彼は説得力のある要旨の書き方についていくつかのコツを共有してくれた。
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (synonyms)
- hint(ヒント)
- 「ちょっとした助言」という意味では “tip” と近いですが、“hint” の方がやや示唆的なニュアンスが強いです。
- 「ちょっとした助言」という意味では “tip” と近いですが、“hint” の方がやや示唆的なニュアンスが強いです。
- suggestion(提案)
- 「提案」として言う場合は “tip” よりももう少し直接的でフォーマル寄りです。
- 「提案」として言う場合は “tip” よりももう少し直接的でフォーマル寄りです。
- pointer(助言、指し示すもの)
- 口語で使われることが多く、短いアドバイスのニュアンスが強いです。
- 口語で使われることが多く、短いアドバイスのニュアンスが強いです。
- advice(助言)
- “advice” は不可算名詞で、ややフォーマルな響きがあります。集まりとしてのアドバイスを指す場合が多いです。
- “advice” は不可算名詞で、ややフォーマルな響きがあります。集まりとしてのアドバイスを指す場合が多いです。
(“tip” が「先端」という意味の場合の類義語としては “end,” “point,” “edge” などがあります。)
反意語 (antonyms)
厳密な反意語はありませんが、「先端」「アドバイス」それぞれに対して「末端」「良くない・誤った助言」など文脈上対応可能な語が出てくることがあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /tɪp/
- アメリカ英語 (US): [tɪp]
- イギリス英語 (UK): [tɪp]
音の違いやアクセント位置に差はほとんどありません。
- よくある間違い: “tip” と “type” ( /taɪp/ ) を混同してしまうことがあります。母音の発音に注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “tip” は短い単語ですが、ダブル “p” と書いて “tipp” と間違えるケースがあります。
- 同音異義語との混同: 実際に同音異義語はほぼありませんが、前述の “type” (タイプ) など別の単語と混ざりやすいです。
- 試験での出題傾向: TOEIC や英検などでは「宿泊施設やレストランなどでチップを渡すシーン」や「ビジネス上でのアドバイス提供」を表す文脈で頻出します。文脈から「アドバイスの tip なのか、心づけの tip なのか」を見分けましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Tip” のイメージ: “先”(先端)+ “ちょっとしたアドバイス” をイメージすると覚えやすいです。先端がちょっと出ている所から「氷山の一角」や「ヒント」というニュアンスも連想できます。
- 勉強テクニック: 同じ “t” で始まる “trick” (トリック) と関連づけて、「tip & trick(ヒントとコツ)」のようなセットで覚えるのもおすすめです。
- スペリング: “短く ‘t-i-p’、「ちょっとした一押し」というイメージ」で覚えるとよいでしょう。
以上が名詞 “tip” の詳細な解説です。先端、助言、チップなど多義な単語のため、文脈によって意味をしっかりとつかむことが大切です。ぜひいろいろな場面で使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…の)先,はし,先端《+of+名》
意味(2)
先端に付ける物(部分)