mold
以下では、名詞「mold」について、さまざまな観点から詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: mold
品詞: 名詞 (主に2つの意味があります)
(菌の)カビ
- 英語の意味: A type of fungus that grows on damp or decaying organic matter.
- 日本語の意味: 食品や壁などに生えたりする「カビ」のことです。湿気が多かったり、古い食品に見られる灰色や緑色のものを指します。
- こういう場面で使われる: 「パンにカビ(mold)が生えてしまった」と言ったりする場合に使います。日常生活で食品・建物の状態を表すときなどに用いられます。
- 英語の意味: A type of fungus that grows on damp or decaying organic matter.
型・鋳型
- 英語の意味: A hollow container used to give shape to molten or liquid material when it cools and hardens.
- 日本語の意味: 液体や柔らかい材料(チョコレート、プラスチック、金属など)を固めたり成形するための「型」「鋳型」です。
- こういう場面で使われる: お菓子作りで使うシリコン型、金属の鋳型、プラスチック成形の型など、形を作るときに使います。
- 英語の意味: A hollow container used to give shape to molten or liquid material when it cools and hardens.
活用形
- 複数形: molds
他の品詞形
- 動詞形: to mold (〜を形作る)
例: “to mold clay into a vase” (粘土を花瓶の形にする) - 形容詞形: molded (成形された), moldy(カビの生えた) など
CEFRレベル
- B2(中上級)
「mold」は複数の意味を持ち、生活・技術の両面で頻回に出てくるため、少し語彙を広げたい方にとっては学ぶ価値のある単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- アメリカ英語「mold」、イギリス英語「mould」と綴られることがあります。
- 「mold」として接頭語・接尾語などは特にありませんが、動詞形・形容詞形として派生しやすい単語です。
他の単語との関連性
- moldy(形容詞): カビの生えた
- to mold(動詞): 形を作る、影響を与える
- molding(名詞): 成形、または部屋の壁などに設置する装飾的な縁取り
コロケーション・関連フレーズ(10個)
- “bread mold”
- パンのカビ
- パンのカビ
- “mold growth”
- カビの繁殖
- カビの繁殖
- “to get rid of mold”
- カビを取り除く
- カビを取り除く
- “chocolate mold”
- チョコレートの型
- チョコレートの型
- “silicone mold”
- シリコン製の型
- シリコン製の型
- “metal mold”
- 金属の型
- 金属の型
- “mold spores”
- カビ胞子
- カビ胞子
- “mold resistance”
- カビに対する耐性
- カビに対する耐性
- “to mold clay”
- 粘土を成形する
- 粘土を成形する
- “mold release agent”
- 型離れ剤
3. 語源とニュアンス
- 語源: 中英語で “mold(e)”、“mould(e)” として存在しており、古フランス語 “modle” やラテン語の “modulus(測る・尺度・小さな尺度)” に由来すると考えられています。
- 歴史的な使用: もともとは容器や型を指す言葉として使われ、そこから派生して「形作る」という動詞の意味も生まれました。また、美術や宴会料理などの型抜きが行われる場面で古くから用いられてきています。
- ニュアンス・使用時の注意点
- 「カビ」を指すとき: 不衛生や腐敗のイメージを伴うため、食品衛生などに関わる会話で用いられます。
- 「型」を指すとき: 工業的・料理的な文脈で「成形するための器具」として使われます。
- 「カビ」を指すとき: 不衛生や腐敗のイメージを伴うため、食品衛生などに関わる会話で用いられます。
- フォーマル/カジュアル
- 「カビ」の意味では日常的に使われる一方、「型」の意味では工業や料理の文脈で使われやすいです。一般にそれほどフォーマル・カジュアルの隔たりはありません。
4. 文法的な特徴と構文
可算・不可算
- 「カビ」の「mold」は、文脈によって可算・不可算の両方で使われます。
- 不可算: “There is mold on the wall.”(壁にカビが生えている)
- 可算: “I saw different molds on the bread.”(パンにさまざまな種類のカビが生えていた)
- 「型」の「mold」は可算名詞で数えられます(one mold, two molds)。
- 「カビ」の「mold」は、文脈によって可算・不可算の両方で使われます。
一般的な構文
- “There is mold on 〜” → 「〜にカビがある」
- “to pour (material) into the mold” → 「(材料)を型に流し込む」
- “There is mold on 〜” → 「〜にカビがある」
イディオム・表現
- “break the mold” → 常識を破る、型破りなことをする
例: “He really broke the mold with his unique style.”
- “break the mold” → 常識を破る、型破りなことをする
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
“I need to throw this bread away. It’s covered in mold.”
- 「このパンは捨てなきゃ。カビがいっぱい付いちゃってる。」
“Don’t forget to clean the bathroom; I can see some mold starting to form.”
- 「バスルーム掃除を忘れないでね。ちょっとカビが生え始めてるのが見えるから。」
“Could you pass me that plastic mold for the cookies?”
- 「クッキー用のプラスチックの型を取ってくれる?」
ビジネスシーン(ややフォーマル)
“Our company invested in a new mold to improve the efficiency of plastic production.”
- 「我が社はプラスチック生産の効率を上げるために、新しい型を購入しました。」
“We noticed mold growing on the warehouse walls due to excess humidity.”
- 「倉庫の湿度が高すぎるせいで、壁にカビが発生していることに気付きました。」
“Please ensure the mold is properly lubricated before each use.”
- 「使用のたびに、型にきちんと潤滑剤を塗ってください。」
学術的・専門的文脈
“The study examined various mold species and their impact on indoor air quality.”
- 「その研究では、室内の空気の質に対するさまざまなカビの種類の影響を調べました。」
“We used a 3D-printed mold to prototype the new medical device.”
- 「新しい医療機器の試作品は3Dプリンターで作った型を使用しました。」
“Mold formation on historical artifacts poses a serious risk to their preservation.”
- 「歴史的遺物に生えるカビは、保存に重大なリスクをもたらします。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- fungus(菌類)
- 日本語: 真菌、カビ類まとめて指す
- 違い: fungus は生物学分野で使われやすく、「菌全般」を指す用語。
- 日本語: 真菌、カビ類まとめて指す
- mildew(ミルデュー)
- 日本語: (特に植物や湿気の多い場所で発生する)カビの一種
- 違い: moldと同じく「カビ」だが、見た目や生育場所が異なる場合に特に呼ばれる。
- 日本語: (特に植物や湿気の多い場所で発生する)カビの一種
- cast(鋳型)
- 日本語: 鋳型、または鋳造された製品
- 違い: すでに成形されたものや、そのプロセスを指すニュアンスが強い。
- 日本語: 鋳型、または鋳造された製品
反意語
- disassemble(分解する) といった真逆の文脈を持つ語はありますが、直接的な意味での反意語はありません。強いて言えば、
break the mold
(型を壊す、常識を破る)という表現が慣用的に“前の決まりきった形を壊す”というニュアンスを持ちますが、「mold」の反意語ではなく慣用句です。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /moʊld/
- イギリス英語: /məʊld/
- アメリカ英語: /moʊld/
- 強勢(アクセント): 一音節の単語のため特に強勢位置は意識しやすいですが、口の形・母音に注意。
- よくある発音の間違い:
- “mold”を“mould”と綴るなど、アメリカ英語とイギリス英語の違いに注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: アメリカ英語とイギリス英語(mold / mould)の違いを混同することが多いです。
- 同音異義語との混同: 同音異義語は特にありませんが、「gold」とスペリングが似ているため、視覚的に取り違えないようにしましょう。
- 試験対策: TOEICや英検で出題される場合、カビによる衛生問題や製造工程(型を使う)に関連した文章で見かけることがあります。文脈によって意味が変わる点を覚えておくと良いでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「カビの『もじゃもじゃ』」と「形を作る『型』」という二つのイメージ。
- スペルの最後が
-ld
であることに注目して「カビで 'old'(古い)ものに見える→ mold」と関連づけて覚える手もあります。 - 料理好きの方は「お菓子の型」→ “cake mold”などでイメージしやすいですが、同じ単語で「カビ」も表すことをセットで覚えるとよいでしょう。
以上が名詞「mold」の詳細な解説です。日常生活からビジネス、学術的なシーンまで幅広く使われる単語ですので、ぜひ覚えて活用してみてください。
〈C〉型に入れて作った物
〈U〉〈C〉(一般に)(…の)形,姿(shape)《+of+名》
〈U〉《文》(人の)特性,性格,性質
〈C〉(材料を流し込んで特定の形を作る)型;鋳型(いがた);(プディング・ゼリー用の)流し型