元となった辞書の項目
slope
解説
1. 基本情報と概要
単語: slope
品詞: 主に動詞(ほかに名詞としても使われる)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 「slope」は「傾斜する」「斜面になる」といった意味を持つ動詞です。たとえば、「道が下り坂になっている」「屋根が斜めになっている」と伝えたいときに使います。
- やや専門的な場面(数学や地理など)から日常会話まで幅広く使われるため、B2(中上級)レベルと言えます。
動詞としての意味 (英語)
- to slope: to be inclined at an angle; to slant
動詞としての意味 (日本語)
- slope: 斜めに傾斜する、または傾斜させる
「道や土地がゆるやかに上ったり下ったり、あるいは建物の屋根が斜めになっている、といった場面で使う表現です。」
動詞の活用形
- 現在形: slope / slopes
- 過去形: sloped
- 過去分詞: sloped
- 現在分詞・動名詞: sloping
他の品詞になったときの例
- 名詞: slope(傾斜面、坂)
例) “There is a steep slope ahead.”(急な坂があります)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「slope」は一語で、特に明確な接頭辞や接尾辞は持ちません。
- 語幹部分は「slope」として完結しており、ラテン語やギリシャ語由来の接頭語・接尾語は含まれません。
派生語・類縁語
- sloping (形容詞): 傾斜した
- sloped (形容詞的に): 傾斜している(状態を形容するときに使われる場合がある)
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- slope upward(上向きに傾斜する)
- slope downward(下向きに傾斜する)
- gently slope(ゆるやかに傾斜する)
- sharply slope(急に傾斜する)
- the road slopes away(道が先のほうで下っていく)
- the ground slopes down to the river(地面が川に向かって下り傾斜している)
- slope angle(傾斜角)
- slope stability(斜面の安定、地形学・工学などで使用)
- slope off(俗:こっそり抜け出す/姿を消す)
- a sloping roof(傾斜のある屋根)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「slope」という単語は、中期英語で「slop(e)」や「aslope」として使われており、「斜めの状態」を表す言葉から派生したといわれます。
- 古い形である「aslope」は「a-(〜に向かって)」+「slope(斜め)」の意味合いを持ち、現代でも“slant”と同様の意味で続いています。
ニュアンス・使用上の注意
- 傾斜の程度をややフォーマルにもカジュアルにも言える便利な単語です。
- 文章でも口語でも使いやすいですが、地形や数学領域(グラフの傾きなど)ではより正確なイメージが必要となる場合があります。
- 口語表現として「slope off」は「こっそり去る(サボるように抜ける)」という少し砕けた表現になりますので、ビジネスやフォーマルな場面では避けたほうがよいです。
4. 文法的な特徴と構文
自動詞としての用法
- 例) The path slopes gently.
(その小道はゆるやかに傾斜している) - 自動詞的に使われるときは、「ものが傾斜している」という状態を表す。
- 例) The path slopes gently.
他動詞としての用法
- 例) He sloped the edges of the table.
(彼はテーブルの縁を斜めに仕上げた) - そこまで一般的ではありませんが、「何かを〜の角度にする、斜めにする」という意味で他動詞的にも使われることがあります。
- 例) He sloped the edges of the table.
イディオム “slope off”
- 「こっそり逃げる」というカジュアル表現。
フォーマル/カジュアルの区別
- 単に「傾く、傾斜する」という意味では日常・ビジネス・学術など広い場面で使え、フォーマル度合いをあまり選ばない。
- “slope off” などの口語表現はカジュアル度が高め。
- 単に「傾く、傾斜する」という意味では日常・ビジネス・学術など広い場面で使え、フォーマル度合いをあまり選ばない。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3例)
- “The driveway slopes down to the garage.”
(車道がガレージに向かって下り坂になってる) - “Be careful; the garden path slopes suddenly near the pond.”
(気をつけて。池の近くで庭の小道が急に下り坂になってるから) - “My yard slopes towards the street, so the rainwater drains easily.”
(うちの庭は道路のほうに傾斜しているから、雨水がすぐに流れていくね)
ビジネスシーンでの例文(3例)
- “We need to consider the slope of the entrance ramp for accessibility.”
(バリアフリーのために、入口のスロープの傾斜を検討する必要があります) - “The new design features a slightly sloping roof to allow water runoff.”
(新しい設計では、水はけを良くするためにわずかに傾斜した屋根を採用しています) - “Our safety analysis includes the angle at which the floor slopes.”
(当社の安全分析には、床がどの角度で傾いているかについても含まれています)
学術的な文脈(3例)
- “In geometry, the slope of a line indicates its steepness.”
(幾何学において、直線の「スロープ」はその傾きの度合いを示す) - “We measured how the land slopes over time due to erosion.”
(私たちは浸食によって土地がどのように傾斜していくかを経時的に測定した) - “The seismic study revealed that the plate subtly slopes along the fault.”
(地震学の研究により、そのプレートが断層に沿ってわずかに傾いていることが明らかになった)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- incline(傾く、傾ける)
- よりフォーマルで、数学や科学の文脈で使われることが多い。
- よりフォーマルで、数学や科学の文脈で使われることが多い。
- tilt(傾ける、傾く)
- 日常会話でも使えるが、単に「少し斜めにする」ニュアンス。
- slant(斜めになる、傾ける)
- 「斜交する」「意図的に偏っている(バイアスがある)」のような含みを持つことがある。
反意語
- level(平らにする/平らな状態)
- 傾斜がない、水平・水平面にする。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語: /sloʊp/
- イギリス英語: /sləʊp/
- アメリカ英語: /sloʊp/
アクセント
- 強勢は第1音節(語頭) “slope” に置かれます。(slope の一音節なので、実質そこが強勢)
発音上の注意
- アメリカ英語は「スロウプ」に近く、イギリス英語では「スロウプ/スロープ」に近い発音になります。
- “slop” (/slɑp/) や “scope” (/skoʊp/) との聞き間違いに注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミスとして “sloop”(小型帆船)と間違える人がいます。
- 同音ではありませんが「soap」「slop」「scope」など近い音の単語との混同に注意。
- 試験対策(TOEIC・英検など)では、グラフや地理を説明する文脈、または「slope of a line」(二次関数の導関数など)の形で出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「スロープ」を思い浮かべると「傾斜している通路」のイメージがすぐにわくため、そのまま「傾斜」「傾く」の動詞と関連付けて覚えるとよいでしょう。
- スペルの最後は “-pe” で終わるので、視覚的に “スロープ” のカタカナ発音・イメージと結びつけると綴りのミスを防げます。
- 数学の「関数の傾き(slope)」とセットで覚えると、ビジネスや学術での活用もスムーズになります。
以上が動詞「slope」の詳細解説です。
意味のイメージ
意味(1)
傾斜する,坂になる
意味(2)
…‘を'傾斜させる,‘に'勾配をつける