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past
解説
1. 基本情報と概要
単語: past
品詞: 前置詞 (※名詞や形容詞、副詞としても使われる場合があります)
意味
- 英語: “beyond in time” / “after a particular point in time or place”
- 日本語: 「~を過ぎて」「~の先に」「~を通り過ぎたところに」
「past」は、「ある特定の時点や場所を越えた先にある」「そこから先」というニュアンスを表す前置詞です。「何時を過ぎた時刻」「ある場所を通り過ぎた位置」などの状況でよく使われます。
活用形
前置詞のため動詞のような活用形はありません。
ただし、品詞が変わる場合があります。以下の例を参考にしてください:
- 名詞: the past (「過去」という意味)
- 形容詞: past events (「過去の出来事」という意味)
- 副詞: He walked past. (「彼は通り過ぎた」のように副詞的に用いる)
CEFRレベル:A2(初級)
- 「日常会話や簡単な文の中で、場所や時刻を示す前置詞として学習されることが多い」レベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源: 「past」は古英語「pæst」などを経ていまの形になった言葉で、「通り過ぎる」というニュアンスをもともと持っています。
- 前置詞としては、まとまった接頭語・接尾語はありません。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10例)
- go past …(…を通り過ぎる)
- walk past …(…のそばを通り過ぎる)
- drive past …(車で…を通り過ぎる)
- past midnight(真夜中を過ぎて)
- past the deadline(期限を過ぎて)
- past your house(あなたの家を通り過ぎて)
- five minutes past ten(10時5分過ぎ)
- move past …(…を乗り越える、…を通り抜ける)
- just past …(ちょうど…を過ぎたところ)
- past due(期限切れになっている)
3. 語源とニュアンス
語源
「past」は古英語から受け継がれた語で、同じ語幹から「pass(通り抜ける)」なども連想できます。もともと「通り過ぎること」を意味しており、そこから「前の時代」「昔」という名詞・形容詞の意味、「通り越す」という動詞的な意味が広がりました。
ニュアンスと使用時の注意
- 時間的に「~を過ぎて」「~の後で」を示すカジュアルな表現として日常的に使います。例えば「It’s five past ten.(10時5分過ぎだよ)」のように時刻表現で頻繁に登場します。
- 場所的にも「…を越えて進む」の意味で使われます。口語でもビジネスでも幅広く使われるため、とても一般的でフォーマル・カジュアル両方のシーンに対応可能です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文例
- 時刻表現: It’s [数字] minutes past [時].
- 例: “It’s ten minutes past three.”(3時10分過ぎです)
- 例: “It’s ten minutes past three.”(3時10分過ぎです)
- 場所表現: … + 動詞 + past + 場所
- 例: “He walked past the store.”(彼はその店を通り過ぎました)
- 例: “He walked past the store.”(彼はその店を通り過ぎました)
フォーマル/カジュアル
- 時刻を説明するときは、日常的な会話からビジネス会話まで幅広く使われる。
- 書き言葉でも口語でもどちらでも問題なく使えます。
可算・不可算、他動詞・自動詞など
- 前置詞なので名詞の可算・不可算は関係しません。
- 同じスペルの名詞 “the past” は不可算名詞として使われることが多い(「過去」を指す場合)。
5. 実例と例文
日常会話で使われる例文(3つ)
- “It’s twenty minutes past six. Let’s get going!”
- (もう6時20分過ぎだよ。出発しよう!)
- (もう6時20分過ぎだよ。出発しよう!)
- “Could you walk past the bakery and pick up some bread?”
- (パン屋を通り過ぎるときにパンを取ってきてもらえる?)
- (パン屋を通り過ぎるときにパンを取ってきてもらえる?)
- “I think we went past the turn. Let’s check the map.”
- (曲がり角を通り過ぎたと思う。地図を確認しよう。)
ビジネスシーンで使われる例文(3つ)
- “The deadline is already past, so we need an extension.”
- (締め切りはすでに過ぎているので、延長が必要です。)
- (締め切りはすでに過ぎているので、延長が必要です。)
- “Our office is just past the main entrance on the left.”
- (当社オフィスは正面玄関を入ってすぐ左手の先にあります。)
- (当社オフィスは正面玄関を入ってすぐ左手の先にあります。)
- “We should not dwell on past mistakes; let’s focus on our next steps.”
- (過去の失敗を引きずるのではなく、次のステップに集中しましょう。)
学術的な文脈で使われる例文(3つ)
- “Past research has indicated a correlation between these two variables.”
- (過去の研究では、この2つの変数の相関が示されています。)
- (過去の研究では、この2つの変数の相関が示されています。)
- “We need to move past outdated theories and adopt a fresh perspective.”
- (時代遅れの理論を乗り越え、新しい視点を採用する必要があります。)
- (時代遅れの理論を乗り越え、新しい視点を採用する必要があります。)
- “The data suggest that climatic conditions in the past were significantly different.”
- (過去の気候条件は現在とかなり異なっていたことを示唆しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- beyond(〜の向こうに)
- “beyond” は物理的・抽象的に超えている状態をより強く示唆する。
- 例: “The village is beyond the mountains.”(その村は山の向こうにある)
- “beyond” は物理的・抽象的に超えている状態をより強く示唆する。
- after(~の後に)
- 時間的に後を示すときに使われるが、場所を通り過ぎるニュアンスはない。
- 例: “We have a meeting after lunch.”(昼食後に会議があります)
- 時間的に後を示すときに使われるが、場所を通り過ぎるニュアンスはない。
反意語
- 直接的な前置詞の反意はありませんが、時間的には “before” が対比されます。
- 例: “before 10 o’clock” と “past 10 o’clock” は対照的な意味を持つ。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA)
- イギリス英語: /pɑːst/
- アメリカ英語: /pæst/
- イギリス英語: /pɑːst/
- 強勢(アクセント)
- 単音節なので特に強勢位置は区別されません。
- 単音節なので特に強勢位置は区別されません。
- 発音の違い
- イギリス英語では「パースト」のように「ɑː」(長音)
- アメリカ英語では「パスト」のように「æ」の発音が多い
- イギリス英語では「パースト」のように「ɑː」(長音)
- よくある間違い
- “passed”(動詞の過去・過去分詞)とスペルを混同しないよう注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “past” と “passed” の混同
- “passed” は動詞 “pass” の過去形・過去分詞形です。綴りや発音が似ていますが役割が異なるので注意。
- “passed” は動詞 “pass” の過去形・過去分詞形です。綴りや発音が似ていますが役割が異なるので注意。
- スペルミス
- “passt”や“paste”などと書き間違えないように。
- “passt”や“paste”などと書き間違えないように。
- 試験対策
- TOEICや英検などで、時刻表現(It’s ten past three.)や、締め切りを過ぎた表現(past the deadline)として問われることがあります。また“passed”との使い分け問題もよく出題されます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「たった今通りすぎた」というイメージで“past”を覚えるとわかりやすいでしょう。
- 「服を通り‘past’(パスして)先に行く」などと語呂合わせすると、動詞“pass”と関連づけて記憶に残りやすくなります。
- 時刻表現“A past B”は「A分過ぎB時」とセットで覚えておくと便利です。特にイギリス英語では日常的に使われます。
以上が、前置詞「past」の詳細解説です。場所や時間を表す際によく登場する重要な前置詞ですので、ぜひ例文やフレーズを繰り返し練習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
過ぎ去った,終わった(over)
意味(2)
《名詞の前にのみ用いて》過去に起こった,過去の,昔の
意味(3)
《名詞の前にのみ用いて》前任の,元の
意味(4)
(文法で)過去の
意味(5)
(場所)を通り越して,の先に
意味(6)
(時刻)を過ぎて;(年齢)を過ぎて
意味(7)
(能力・限度など)を越えて,の及ばない
意味(8)
(ある数・量)を越えて,…以上
意味(9)
《the~》過去
意味(10)
過去[時制];過去形
意味(11)
過ぎて,通り越して
意味(12)
《期間を表す語の前後で完了形の文で用いて》(…の期間を)過ぎた,最近(…)の
意味(13)
《a~,one's~》(国などの)歴史;(人の)経歴,(特にいかがわしい)過去