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unforeseen
解説
1. 基本情報と概要
単語: unforeseen
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): not anticipated or expected
意味(日本語): 予期しなかった、思いがけない、予測できなかった
「unforeseen」は、予期していなかった出来事や状況などを表すときに使われます。突然起こったり、事前の見込みがなかったりするニュアンスがあります。
活用形
英語の形容詞は時制による変化はありませんが、比較級・最上級を作る場合は以下のようになります。もっとも一般的には「more unforeseen」「most unforeseen」と表現しますが、日常的にはあまり使われないかもしれません。
- 比較級: more unforeseen
- 最上級: most unforeseen
※「unforeseen」は形容詞として使われますが、名詞形は直接的にはありません。似た表現としては「unforeseeability (unforeseeableの名詞形)」などがあります。
他の品詞形
- 動詞: foresee(「予見する」「予測する」)
- 現在形: foresee
- 過去形: foresaw
- 過去分詞: foreseen
- 現在形: foresee
- 形容詞: unforeseeable(「予測不可能な」)
- 名詞: foresight(「先見の明」)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)レベル
- 「foresee」はB2レベル程度で学習する語彙であり、その派生形「unforeseen」も同程度の難易度と考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語 (prefix): un-(「否定」や「〜でない」を意味する)
- 語幹 (root): fore(「前もって」) + see(「見る」)
- 接尾語 (suffix): なし
- ただし、「foresee」の過去分詞形「foreseen」に否定の接頭語「un-」がついた形と理解するとわかりやすいです。
関連語・派生語
- foresee (動詞): 予測する、予見する
- foreseen (過去分詞/形容詞): 予測された
- unforeseeable (形容詞): 予測不可能な
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- unforeseen circumstances(予想外の状況・事態)
- unforeseen event(予期しない出来事)
- unforeseen consequence(思いがけない結果)
- unforeseen expense(予想外の出費)
- unforeseen difficulty(思いがけない困難)
- unforeseen complication(不測の複雑化)
- unforeseen challenge(予期しない挑戦)
- unforeseen delay(思わぬ遅延)
- unforeseen problem(予測不能の問題)
- unforeseen risk(思いも寄らないリスク)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「foresee」という動詞(「予測する」)の過去分詞形「foreseen」に、否定や逆を示す接頭語「un-」がついた形です。
- 「foresee」は「fore (前もって) + see (見る)」が語源で、「事前に見る→予測する」という意味。
- そのため「unforeseen」は「事前に見られなかった→予想外の」という意味になります。
ニュアンス
- 「unforeseen」は何かが起こったとき、「本来は予測できるかもしれなかったが結果的に予測できなかった」という含みがあります。
- フォーマル・カジュアルどちらでも比較的使用頻度が高く、公的な書類やビジネス文書でもよく登場します。
- 口語でも使えますが、「unexpected」や「unanticipated」に比べるとややフォーマルな印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 品詞: 形容詞のみとして使われ、「予測できなかった事柄」にかかる形容詞句として利用します。
- 「unforeseen + 名詞」の形で、「予測されなかった◯◯」という表現が最も多い用法です。
- 文書(フォーマル)・スピーチ・日常会話(カジュアル)など、幅広い文脈で使用できます。
使用上の注意
- 他動詞・自動詞といった区別は形容詞ですので関係ありません。
- 名詞としての利用は基本的にありません。
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “I couldn’t attend the party due to some unforeseen problems at home.”
(家で思いがけない問題が起きて、パーティーに行けなかったんだ。) - “We had to change our picnic plans because of the unforeseen rain.”
(予期しなかった雨のせいで、ピクニックの予定を変更しなきゃいけなかった。) - “The car broke down on the way, which was totally unforeseen.”
(途中で車が故障した。まったく予想していなかったよ。)
(B) ビジネスでの例文
- “Due to unforeseen circumstances, we need to postpone the product launch.”
(不測の事態により、製品の発売を延期しなければなりません。) - “The project has run into unforeseen complications and will require more funding.”
(プロジェクトで思わぬ複雑化が起こり、追加の資金が必要です。) - “Please update the risk assessment to account for any unforeseen scenarios.”
(あらゆる予想外のシナリオに対応するため、リスク評価を更新してください。)
(C) 学術/フォーマルな文脈での例文
- “The researchers encountered unforeseen variables that impacted the study’s results.”
(研究者たちは研究結果に影響を及ぼす予期せぬ変数に直面した。) - “Such catastrophic outcomes were unforeseen during the initial phase of the investigation.”
(このような壊滅的な結果は、調査の初期段階では予測されていませんでした。) - “The theory failed to address several unforeseen phenomena in practical applications.”
(その理論は、実際の応用でいくつかの予想外の現象に対応できませんでした。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- unexpected(予期しなかった)
- 「unforeseen」よりカジュアル。あまり考えていなかった結果として起きるイメージ。
- 「unforeseen」よりカジュアル。あまり考えていなかった結果として起きるイメージ。
- unanticipated(予期していなかった)
- 「unforeseen」とほぼ同じレベルのフォーマル度だが、やや硬い印象。
- 「unforeseen」とほぼ同じレベルのフォーマル度だが、やや硬い印象。
- surprising(驚くべき)
- 意外性に重点があり、「驚き」を含意。
- 意外性に重点があり、「驚き」を含意。
反意語 (Antonyms)
- expected(期待された、予測された)
- anticipated(予期された)
- foreseen(前もって予見されていた)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˌʌnfɔːrˈsiːn/ (アメリカ英語: アンフォーシーン)
- イギリス英語の場合も同様に /ˌʌnfɔːˈsiːn/ と表記されることが多い
- アクセント: “-seen” の部分に強勢が置かれることが多いです。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ英語: /ʌn-fɔr-ˈsiːn/(フォーの音がやや短め)
- イギリス英語: /ʌn-fɔː-ˈsiːn/(フォーの音が伸びる)
- アメリカ英語: /ʌn-fɔr-ˈsiːn/(フォーの音がやや短め)
- よくある発音のミス: “unfore-seen” の最後の母音を /iː/ ではなく /ɪ/(イに近い短い音)で発音してしまうケース。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「unforseen」や「unforeseened」など、スペルを誤ること。
- 正: un·for·seen
- 途中の「e」を落とさないように注意。
- 正: un·for·seen
- 同音異義語との混同: “unforeseen” と “unforeseeable” の混同
- unforeseen → すでに起こった・ある事態に焦点
- unforeseeable → 未来に対して「予測不可能な」というニュアンス
- unforeseen → すでに起こった・ある事態に焦点
- 同意表現”unexpected”との誤解: 厳密には大きな違いはありませんが、”unforeseen”のほうがややフォーマルかつ「予測の可能性はあったかもしれないができなかった」というニュアンスが強いです。
- 試験対策: TOEICや英検などでもビジネス関連文書や記事中の「不測の事態」の表現として出題されることがあります。覚えておくと得点につながりやすい単語です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「un-(否定)」 + 「foresee(予見する)」 →「予見できなかった」→「予想外の」
- 「unexpected」と似てはいますが、「見通しが立たなかった」というニュアンスをイメージすると覚えやすいです。
- スペリングは「un-for-e-seen」と区切って覚えるとミスが減ります。
- 「unforeseen circumstance」というフレーズは非常に定型的なので、セットで覚えるのがおすすめです。
以上が形容詞「unforeseen」の詳細な解説です。予測できず、想定外の事態に直面した際によく使われる表現ですので、ビジネスや学術論文でも非常によく見かける単語です。ぜひ、実際のコミュニケーションでも活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
予知しない,思いがけない(unexpected)