tyrant
1. 基本情報と概要
単語: tyrant
品詞: 名詞 (countable noun)
意味(英語): A cruel and oppressive ruler who exercises power in an unfair or harsh way.
意味(日本語): 暴君。残酷で抑圧的に権力を振るう支配者のこと。
例えば、「権力を握って、それを自分勝手な方法で行使するようなリーダー」というニュアンスがあります。日常会話の中でも、「あの上司は暴君みたいだね(He’s like a tyrant.)」のように、比喩的にも使うことがあります。
活用形:
- 単数: tyrant
- 複数: tyrants
- 単数: tyrant
他の品詞の例:
- 動詞: tyrannize(暴力的・権力的に支配する)
- 例: He tyrannizes his subordinates.
- 形容詞: tyrannical(暴君的な)
- 例: a tyrannical regime(暴君的な政権)
- 名詞: tyranny(圧政、専制政治)
- 例: the tyranny of the majority(多数派による圧政)
- 動詞: tyrannize(暴力的・権力的に支配する)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
日常の基礎的な語彙ではありませんが、歴史や政治などの話題でよく登場し、文芸作品にも頻出する単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成: 「tyrant」は、ギリシャ語の “τύραννος (týrannos)” を由来とし、英語に取り入れられたラテン語 “tyrannus” にも基づいています。明確な接頭語・接尾語は含まれていません。
派生語・類縁語:
- tyranny(名・圧政・専制政治)
- tyrannical(形・暴君的な)
- tyrannize(動・暴君的に支配する)
- tyranny(名・圧政・専制政治)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- cruel tyrant(冷酷な暴君)
- petty tyrant(小さな権力を笠に威張る“プチ暴君”)
- overthrow a tyrant(暴君を打倒する)
- living under a tyrant(暴君のもとで暮らす)
- power-hungry tyrant(権力に飢えた暴君)
- tyrant’s reign(暴君の治世)
- label someone a tyrant(誰かを暴君と呼ぶ・指名する)
- a medieval tyrant(中世の暴君)
- corporate tyrant(企業内の暴君的存在)
- domestic tyrant(家庭内の暴君)
- cruel tyrant(冷酷な暴君)
3. 語源とニュアンス
語源: 古代ギリシャ語の “τύραννος (týrannos)” に端を発し、元々は「支配者」の意味でしたが、やがて「不当な権力者、暴君」という否定的な意味が強まっていきました。
ニュアンス:
- 強い否定的・感情的な響きを伴う単語です。
- 政治的な文脈だけでなく、比喩や日常会話で「あのボスはまるで暴君だ」のように使うこともあります。
- 口語よりはややフォーマル寄りですが、カジュアルな会話でも比喩的に使われることがあります。
- 強い否定的・感情的な響きを伴う単語です。
4. 文法的な特徴と構文
文法的ポイント:
- 数えられる名詞(可算名詞)なので、a tyrant / the tyrant / tyrants の形をとります。
- 「tyrant of 〜」の形で、〜を暴力的に支配している人や存在を表すこともあります。(例:He was the tyrant of his household.)
- 数えられる名詞(可算名詞)なので、a tyrant / the tyrant / tyrants の形をとります。
よく使われる構文やイディオム:
- overthrow the tyrant(暴君を倒す)
- act like a tyrant(暴君のように振る舞う)
- be ruled by a tyrant(暴君に支配される)
- overthrow the tyrant(暴君を倒す)
フォーマル/カジュアル:
- 歴史的・政治的文脈ではフォーマル。
- 日常会話で使う際は比喩的表現が多い。
- 歴史的・政治的文脈ではフォーマル。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“My older brother can be such a tyrant when we play video games.”
(ゲームをするとき、兄はまるで暴君みたいになるの。)“I feel like my roommate is a tyrant; he dictates all the house rules without discussion.”
(ルームメイトが暴君みたいで、家のルールを勝手に決めちゃうんだ。)“Don’t be a tyrant in the kitchen; let me cook the way I want.”
(キッチンで暴君みたいに振る舞わないでよ。私のやり方で料理させて。)
(2) ビジネスシーンでの例文
“The new manager is turning into a tyrant, micromanaging every detail.”
(新しいマネージャーは細部まで口を出して、暴君化しつつある。)“Employees complain that the CEO runs the company like a tyrant.”
(従業員は、CEOが会社をまるで暴君のように運営していると不満を言っている。)“We need a leader, not a tyrant, to boost team morale.”
(私たちはチームの士気を高めるために、暴君ではなくリーダーが必要だ。)
(3) 学術的・政治的文脈での例文
“History shows that the reign of a tyrant often ends in revolution.”
(歴史が示すように、暴君の治世はしばしば革命で終わる。)“Philosophers have debated how a society should protect itself from tyrants.”
(哲学者たちは、社会がいかに暴君から身を守るべきかを議論してきた。)“The dictator was widely regarded as a tyrant for his oppressive policies.”
(その独裁者は、その抑圧的な政策のために広く暴君とみなされていた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- dictator(独裁者)
- 「法律や制度を無視して、一人で権力を集中している人」というニュアンス。
- 「法律や制度を無視して、一人で権力を集中している人」というニュアンス。
- despot(専制君主、暴君)
- 「絶対的権力を振るう支配者」、tyrant とほぼ同義だが、やや古風。
- 「絶対的権力を振るう支配者」、tyrant とほぼ同義だが、やや古風。
- oppressor(抑圧者)
- 個人だけでなく集団として「抑圧する側」にも使われる。
- 個人だけでなく集団として「抑圧する側」にも使われる。
- autocrat(独裁者、独裁君主)
- 「自分の意志のみで決定を下す支配者」。dictator と似たニュアンス。
- 「自分の意志のみで決定を下す支配者」。dictator と似たニュアンス。
- dictator(独裁者)
反意語 (Antonyms)
- benevolent ruler(慈悲深い支配者)
- democrat(民主的な人、民主主義者)
- benevolent ruler(慈悲深い支配者)
使い分けの例:
- “dictator” は政治的に法律を無視して権力掌握しているイメージ。
- “tyrant” は人々を苦しめるような残酷さが強調されやすい。
- “despot” は歴史書等でやや文語的な印象。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈtaɪ.rənt/
- アクセント: 「ty-rant」の最初の音節 “ty” に強勢がきます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: どちらも /ˈtaɪ.rənt/ で大きな違いはありません。
- よくある発音ミス: 「ティーラント」と /i/ を入れてしまうミス。実際は /aɪ/(「タイ」)の音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「tirant」「tyranty」などと間違いやすい。
- 同音異義語との混同: とくに似た発音の単語はありませんが、“tyranny” と綴りや発音を混同する学習者が時々います。
- 試験対策での出題傾向: 歴史や政治についての読解問題、文学テキストなどに頻出。TOEICではあまり多くありませんが、英検や大学入試問題などの読解に見られることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 覚え方のイメージ: “tyrant” の “tyr-” から “力 (tyr)” を振りかざす支配者、という連想をすると覚えやすいかもしれません。
- 関連ストーリー: ギリシャ・ローマ時代の暴君のイメージや、中世ヨーロッパの専制君主を思い浮かべると印象に残りやすいです。
- 音やスペリングのポイント:
- タイ(/taɪ/)+ ラント(/rənt/)と区切って覚える。
- “tyranny” や “tyrannical” と関連づけてセットで覚える。
- タイ(/taɪ/)+ ラント(/rənt/)と区切って覚える。
「tyrant」は、歴史や政治の話題に限らず「強権的な人」の比喩としても使いやすい単語ですので、ぜひ活用してみてください。
暴君,圧制者
専制君主
僣王(古代ギリシアにおいて世襲以外の方法で王位を獲得した者)