元となった辞書の項目
traitor
解説
1. 基本情報と概要
単語: traitor
品詞: 名詞 (noun)
意味(英語): a person who betrays someone or something (e.g., a friend, a cause, or a country)
意味(日本語): 裏切り者、反逆者(友人や国、仲間など、大切な相手や組織を裏切る人)
「traitor」は、誰かや何かを裏切る人、主に国家や仲間の信頼を裏切る人に使われる名詞です。硬い響きを伴い、深刻な裏切りを指すことが多いです。裏切り行為をした個人を非難する時に用いられます。
活用形
- 単数形: traitor
- 複数形: traitors
他の品詞形
- traitorous (形容詞): 裏切りの、裏切りに関する
例: “He made a traitorous decision.” (彼は裏切り行為にあたる決断をした)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
- B2: 中上級レベル。抽象的かつ幅広いトピックについて分かりやすく表現できる段階の人が理解するレベルの単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 英語において明確な接頭語や接尾語は含まれませんが、語源的にはラテン語の “traditor” (裏切り者) が由来です。
- 現在の形 “traitor” はフランス語(古フランス語: traitour)を経由して英語へと入ってきました。
派生語や類縁語
- betray (動詞): 裏切る
- betrayal (名詞): 裏切り
- traitorous (形容詞): 裏切りの
- treason (名詞): 反逆罪(特に国家に対する裏切りを意味)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- “be labeled a traitor” – (裏切り者の烙印を押される)
- “call someone a traitor” – (誰かを裏切り者と呼ぶ)
- “branded as a traitor” – (裏切り者として烙印を押される)
- “traitor to the cause” – (大義や理想の裏切り者)
- “traitor to one’s country” – (自国の裏切り者)
- “a traitor in our midst” – (我々の中にいる裏切り者)
- “accuse someone of being a traitor” – (誰かを裏切り者だと非難する)
- “punish the traitor” – (裏切り者を処罰する)
- “act of a traitor” – (裏切り者の行為)
- “track down a traitor” – (裏切り者を追い詰める)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “traditor” (引き渡す人、裏切る人) → 古フランス語 “traitour” → 中英語 “traitor”
- 元の意味は「敵に引き渡す人」「秘密を渡す人」という意味を持ち、重い罪として扱われてきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「traitor」は非常に強い批判や非難のニュアンスを伴います。国家や大義への裏切りを筆頭に、深刻な裏切り行為に対して用いられることが多いため、日常会話で使う場合は慎重を要します。
- 文章・報道・歴史の文脈で使われると、フォーマルな響きも持ちますが、カジュアルに「裏切り者!」と罵る際にも使用されるため、感情が高ぶったシーンでも登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun) です。形は “traitor” (単数)、 “traitors” (複数) で扱います。
- 通常は「~は裏切り者だ」という形で使われ、人や特定の存在を指す場合に用いられます。
- 例: “He is a traitor.” / “They are traitors.”
- 場合によっては前置詞 “to” を伴い、「~を裏切る人」を指す表現がよくあります。
例: “He is a traitor to his country.”
一般的な構文やイディオム
- “to betray someone’s trust” は「誰かの信頼を裏切る」という意味ですが、名詞形 “traitor” に直接的な関係表現 “to” を付け加えることで「〜への裏切り者」という構文を作れます。
例: “He is a traitor to his own family.”
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “You called me a traitor just because I changed teams? That’s not fair!”
- (チームを変えただけで私を裏切り者呼ばわりするなんて不公平だよ!)
- (チームを変えただけで私を裏切り者呼ばわりするなんて不公平だよ!)
- “I don’t think he’s a traitor; he just has a different opinion.”
- (彼が裏切り者だとは思わないよ。彼はただ違う意見を持っているだけだよ。)
- (彼が裏切り者だとは思わないよ。彼はただ違う意見を持っているだけだよ。)
- “Stop joking around and calling people traitors!”
- (冗談で人を裏切り者呼ばわりするのはやめなよ!)
ビジネス (フォーマル/カジュアル混在)
- “Leaking confidential data could designate you as a traitor to the company.”
- (機密情報を漏らすと、会社の裏切り者として見なされかねません。)
- (機密情報を漏らすと、会社の裏切り者として見なされかねません。)
- “John was unfairly labeled a traitor because he moved to a rival firm.”
- (ジョンはライバル会社に移ったことで、不当に裏切り者のレッテルを貼られた。)
- (ジョンはライバル会社に移ったことで、不当に裏切り者のレッテルを貼られた。)
- “We must ensure no traitor within the organization compromises our goals.”
- (私たちは、組織内部に裏切り者がいて目標を損なうことのないようにしなくてはなりません。)
学術的 / 歴史的な文脈
- “Historically, anyone deemed a traitor to the crown faced severe punishment.”
- (歴史的には、王冠(王権)への裏切り者と見なされた者は厳しい罰を受けた。)
- (歴史的には、王冠(王権)への裏切り者と見なされた者は厳しい罰を受けた。)
- “The concept of a traitor has evolved over time, depending on societal values.”
- (裏切り者という概念は、社会的価値観に応じて時代とともに変化してきた。)
- (裏切り者という概念は、社会的価値観に応じて時代とともに変化してきた。)
- “In many ancient cultures, a traitor could be exiled or even executed.”
- (多くの古代文化において、裏切り者は追放や場合によっては処刑されることもあった。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- betrayer – 裏切る人
- 「traitor」とほぼ同義ですが、より直接的に「裏切った人」というニュアンスを強調します。
- 「traitor」とほぼ同義ですが、より直接的に「裏切った人」というニュアンスを強調します。
- turncoat – 転向者、裏切り者
- 政治的・イデオロギー的に立場を変えた人を指すケースが多いです。やや古風な響きがあります。
- 政治的・イデオロギー的に立場を変えた人を指すケースが多いです。やや古風な響きがあります。
- renegade – 裏切り者、脱党者
- 元所属組織を去り、反対陣営に加わるような人を指します。文語的・少し硬めの表現。
反意語 (Antonyms)
- loyalist – 忠誠を誓う人、忠実な人
- 「裏切り者」の真逆で、常に相手や組織に忠誠を尽くす人。
- 「裏切り者」の真逆で、常に相手や組織に忠誠を尽くす人。
- patriot – 愛国者
- 自国を裏切る「traitor」と対比して使われやすい言葉。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /ˈtreɪtər/
- イギリス英語: /ˈtreɪtə/
アクセント: 第1音節 “traí-” にアクセントがあります。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- アメリカ英語では語尾の “-tor” を /tər/ のように発音することが多いです。
- イギリス英語では語尾の “-tor” が /tə/ のようになりやすいです。
よくある発音の間違い - /tráɪtər/ と “ai” の部分を短く /trɪ/ としてしまうなど。
- 強勢を2音節目に置かないように注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “traiter” や “traider” といった誤りが起きがちです。
- 同音異義語との混同: 特に “trader” (貿易業者、取引業者) と混同しやすいので要注意。
- TOEICや英検など: 直接 “traitor” が出る頻度はあまり高くないですが、ニュース記事の読解や歴史文献の語彙として知っておくと有利になることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- スペリングのポイント: 「裏切り者」は “trust” を “raitor” (勝手なつづり) が崩すイメージで “trai-” と覚えてみると印象に残ります。
- 語源ストーリー: 「敵に引き渡す人」というイメージを頭に置くと意味を覚えやすいでしょう。
- “trader” (商人) とは発音が似て紛らわしいですが、「裏切り」は “traitor /treɪtər/」、「商人」は “trader /treɪdər/” と母音の部分に注意してください。
以上が “traitor” の詳細解説です。裏切り・反逆を表す強い言葉なので、使う場面とニュアンスに十分注意してください。
意味のイメージ
意味(1)
(国・主義・信用などに対する)裏切り者,反逆者,むほん人《+to+名》