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mystify
解説
1. 基本情報と概要
単語: mystify
品詞: 動詞 (verb)
意味(英語): to confuse or puzzle someone
意味(日本語): (人を)不可解にさせる、混乱させる、不思議がらせる
例えば、「観客を煙に巻く」「相手をわざと混乱させる」ような場面で使われる単語です。相手が理解できないように、わざと曖昧にしたりミステリアスな要素を与えたりするといったニュアンスがあります。
活用形:
- 現在形: mystify / mystifies (三人称単数)
- 現在分詞: mystifying
- 過去形: mystified
- 過去分詞: mystified
他の品詞形:
- 名詞: mystification(困惑、神秘化)
- 動詞: “mystify” 以外に、同じ語根から “mysticize” という形もまれに用いられますが一般的ではありません。
- 形容詞: mystifying(混乱させるような)、mysterious(神秘的な) などが関連語として使われます。
CEFRレベル目安: B2(中上級)
B2レベルとは、ある程度複雑な表現や抽象的な内容も理解し、会話に盛り込むことができる段階です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- mysti-: 「mystery(ミステリー)」や「mystic(神秘的な)」と同じ語根 “myst-” に由来し、「秘密・神秘・霧に包まれたもの」を表します。
- -fy: 「〜にする」「〜化する」という意味を持つ接尾辞です。たとえば “clarify”「明確にする」、 “purify”「浄化する」などでも使われています。
“mystify” は、「神秘性を帯びた状態にする」「不可解な状態にさせる」というニュアンスを持つ動詞です。
派生語・類縁語:
- mystery(名詞: 謎)
- mystic(形容詞: 神秘的な)
- mystification(名詞: 困惑、神秘化)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ10個
- be mystified by …(…によって困惑する)
- leave someone mystified(人を困惑させたままにする)
- completely mystify(完全に混乱させる)
- utterly mystify(全く理解できないようにする)
- remain mystified(ずっと混乱している状態である)
- mystify the audience(観客を煙に巻く)
- a mystifying explanation(不可解な説明)
- a mystifying phenomenon(不可解な現象)
- be thoroughly mystified(徹底的に混乱する)
- mystify the public(一般市民を戸惑わせる)
3. 語源とニュアンス
語源:
- “mystify” は “mystery” + “-fy” に由来します。
- “mystery” はギリシャ語の “mysterion”(秘密の儀式)に遡り、「秘められたこと」を意味します。
- 19世紀頃から「相手を困惑させる、謎めかす」という意味合いで動詞化して使われるようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点:
- 「複雑な説明で相手をわざと混乱させる」といった少し意図した混乱を含む場合があります。
- カジュアルな会話でも使われますが、「手品師が観客を不思議がらせる」「学術話題をわざと曖昧にする」など、やや書き言葉や解説的な文脈でも使われます。
- フォーマル度は中程度で、ビジネスやアカデミックな文脈でも問題なく使用できます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞(transitive verb): 目的語を伴います。
- 例: “He mystified the crowd with his magic tricks.”
- 例: “He mystified the crowd with his magic tricks.”
- 主な構文例:
- mystify + 目的語
- 例: “The lecturer’s complicated explanation mystified many students.”
- 例: “The lecturer’s complicated explanation mystified many students.”
- be mystified by + 名詞/内容
- 例: “I was mystified by the sudden change in her attitude.”
- 例: “I was mystified by the sudden change in her attitude.”
- mystify + 目的語
使用シーン:
- フォーマル: 論文やレポートで「何かを理解不能にさせる」という意味で使うとき。
- カジュアル: 日常会話で「こんがらがらせる」「不可解だよね」とざっくり言いたいとき。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文
- “He always tries to mystify me with his riddles.”
- 「彼はいつもなぞなぞで私を困惑させようとするんだよ。」
- 「彼はいつもなぞなぞで私を困惑させようとするんだよ。」
- “I’m mystified by how this gadget works.”
- 「このガジェットがどう動いているのか、まったくわからなくて不思議に思うよ。」
- 「このガジェットがどう動いているのか、まったくわからなくて不思議に思うよ。」
- “Her sudden mood swings constantly mystify me.”
- 「彼女の急な気分の変化には、いつも混乱させられるんだ。」
5.2 ビジネスシーンでの例文
- “The new software update mystified some of our clients at first.”
- 「新しいソフトウェアのアップデートは、最初は一部のクライアントを困惑させました。」
- 「新しいソフトウェアのアップデートは、最初は一部のクライアントを困惑させました。」
- “Try not to mystify the instructions; keep them straightforward.”
- 「説明はややこしくしないで、わかりやすくしてください。」
- 「説明はややこしくしないで、わかりやすくしてください。」
- “His complicated financial report mystified the board members.”
- 「彼の複雑な財務報告は、取締役会のメンバーを困惑させました。」
5.3 学術的・専門的な文脈での例文
- “The phenomenon continues to mystify researchers around the globe.”
- 「その現象は世界中の研究者をいまだに困惑させています。」
- 「その現象は世界中の研究者をいまだに困惑させています。」
- “Quantum mechanics can mystify even experienced physicists at times.”
- 「量子力学は、熟練した物理学者でさえ時に混乱させることがあります。」
- 「量子力学は、熟練した物理学者でさえ時に混乱させることがあります。」
- “The rare fossil record mystified paleontologists for decades.”
- 「その珍しい化石の記録は、何十年もの間古生物学者たちを困惑させてきました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- confuse(混乱させる)
- puzzle(当惑させる)
- baffle(途方に暮れさせる)
- perplex(困惑させる)
- bewilder(まごつかせる)
これらは「相手を混乱させる」という点で共通していますが、
- “mystify” は「謎めかす」「神秘を帯びて混乱させる」ニュアンス。
- “bewilder” は「多方向から情報が入ってきて混乱する」ようなニュアンス。
- “baffle” は「謎のものに直面して完全に理解不能に陥る」感じです。
反意語(Antonyms)
- clarify(明確にする)
- explain(説明する)
- enlighten(啓蒙する、理解させる)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号: /ˈmɪs.tɪ.faɪ/
- アメリカ英語(AmE)・イギリス英語(BrE)ともに、大きな違いはありません。
- アクセントは第1音節「mýs」に置かれます(“MIS-ti-fy”)。
よくある発音の間違い:
- “mys-ti-fy” と母音を誤って “maɪ” や “muː” のように読まないよう気をつけましょう。
- “mystery” とは別の単語なので、最後の “fy” でしっかり「ファイ」の音を出します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “mystify” を “mystyfy” などと間違えることがあるので注意。
- 同音・類似単語との混同: “mystery” や “mystic” のつづりと混同しやすいですが、動詞形の結末は “-fy” です。
- 用途上の誤用: “mystify” は相手を意図的に混乱させたり、本当に理由がわからなくて困惑させる場合に使います。単に「驚く」の意味ではありません。
- 試験対策: TOEIC や英検では、類義語のうちどれが最も適切かを問う問題が出ることがあります。 “confuse”“puzzle” などとの違いを押さえておくとよいでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “mystify” は “mystery(謎)” + “-fy(〜化する)” と覚えると理解しやすいです。
- 「謎を作り出す → 混乱させる」というイメージを頭に描くとスムーズに思い出せます。
- スペリングの “mys-ti-fy” を“ミスティファイ”とカタカナで音にしておくと記憶しやすいでしょう。
上記を意識して学習すると、単語の成り立ちから “mystify” の意味や用法をスムーズに理解・暗記できるはずです。
意味のイメージ
意味(1)
…‘を'惑わせる,煙に巻く
意味(2)
…‘を'神秘化する,なぞめかす