元となった辞書の項目
memorial
解説
以下では、英単語 “memorial” をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語・日本語での意味
- 英語: “memorial”
「(人や出来事を)記念するものや施設」という意味です。 - 日本語: 「記念碑」「記念館」「追悼碑」「メモリアル」など
「memorial」は、亡くなった方や大きな出来事をしのび、記憶を後世に残すための(物的・象徴的な)記念のものを指す単語です。追悼の意味合いが強い言葉です。
品詞
- 名詞 (noun)
例: “They built a war memorial in the town square.” - 形容詞 (adjective) → “memorial service” 「追悼式典」のように形容詞としても使われる
活用形
名詞としての memorial は数を示す際に memorials(複数形)になります。
形容詞としての活用はありませんが、使用例として “memorial ceremony” などがあります。
他の品詞形
- 「memorial」は基本的に名詞や形容詞としてしか使用されません。
- 「memory」(名詞:記憶)→ 語形が似ていますが、意味や使い方が異なります。
- 「memorable」(形容詞:記憶に残る、忘れられない)→ 同じ「memo-」から派生しています。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
ある程度英語に慣れてくると(中上級レベル)自然に覚えやすい単語ですが、文脈による微妙なニュアンスを理解するにはB2程度が適切です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “memor” → 「記憶」を意味するラテン語 “memoria” に由来。
- 接尾語: “-ial” → 形容詞を作る接尾語。ここでは名詞としても機能が確立しています。
関連語や派生語
- memory (名詞): 記憶
- memorable (形容詞): 記憶に残る、印象的な
- commemorate (動詞): 記念する、追悼する
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- war memorial(戦争記念碑)
- memorial service(追悼式 / 追悼ミサ)
- memorial plaque(銘板)
- memorial event(記念行事)
- living memorial(生きた記念の象徴)
- memorial statue(記念像)
- memorial garden(記念庭園)
- memorial fund(記念基金)
- digital memorial(デジタル追悼 / オンライン上の追悼サイト)
- build a memorial(記念碑を建てる)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語“memoria” (記憶) から派生した “memorialis” が語源とされます。
- 歴史的には、重要な人物や出来事を忘れないよう何らかの形で「記憶」するための施設・遺物を指してきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「memorial」は“追悼”や“故人・出来事を忘れないため”の意味合いが強い語です。
- 口語でも使われますが、どちらかというとフォーマルなシーンや公的な文脈でよく用いられます(例: 政府や団体が行う式典・記念物など)。
- 「記念碑」や追悼関連で感情的にやや重みのある言葉です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文やイディオム
- Noun + memorial: “war memorial,” “national memorial”
- Memorial + Noun: “memorial plaque,” “memorial service”
- hold a memorial service (for ...): 「(…のために)追悼式を行う」
フォーマル / カジュアルの違い
- フォーマル: 政府や公式行事、追悼式典など → “They are unveiling a new memorial in honor of the soldiers.”
- カジュアル: 一般日常会話でも使えるが、あまり頻繁に登場する単語ではありません → “We visited the memorial last weekend.”
名詞: 可算・不可算
- “memorial” は可算名詞です。複数形にすると “memorials”。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “We went to the memorial in the park to pay our respects.”
(私たちはその公園の記念碑を訪れて敬意を表しました。) - “Have you seen the new memorial they built downtown?”
(街の中心部に新しく建てられた記念碑を見ましたか?) - “I like how the memorial garden honors local heroes.”
(地元の英雄たちに敬意を払うこの記念庭園は素敵だと思います。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “Our company donated funds to build a memorial for the victims.”
(当社は被害者のための記念碑建設に資金を寄付しました。) - “The unveiling of the memorial plaque will be part of our corporate social responsibility events.”
(銘板の除幕式は当社の社会貢献活動の一環となります。) - “The board decided to hold a memorial ceremony for the founder next month.”
(取締役会は来月、創設者をしのぶ式典を行うことを決定しました。)
学術的・公的な文脈での例文(3つ)
- “Historians have examined the cultural impact of national memorials on collective memory.”
(歴史学者らは国の記念碑が集合的な記憶に与える文化的影響を検証してきました。) - “This memorial symbolizes the ideals of freedom and justice in our society.”
(この記念碑は私たちの社会の自由と正義の理念を象徴しています。) - “Urban planners need to balance practical concerns with the desire to create memorial spaces.”
(都市計画者は実用的な課題と記念の空間を創造する願いとを両立させる必要があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
monument(記念碑)
- 「誰かや何かを称えるために建てられた建造物」。時に芸術性も含む。
- “monument” は主に建造物や構造物を指しますが、「memorial」はより広範な「追悼のもの」全般を含むニュアンスがあります。
- 「誰かや何かを称えるために建てられた建造物」。時に芸術性も含む。
tribute(捧げもの・献辞など)
- 敬意を示すという意味合いが強い。
- “tribute” は言葉や行為で敬意を表す時にも使われますが、物理的な記念の品でも指せます。
- 敬意を示すという意味合いが強い。
shrine(聖地・神社・殿堂など)
- 宗教的・聖的な意味合いが強い。必ずしも「追悼」とは限らない。
- 宗教的・聖的な意味合いが強い。必ずしも「追悼」とは限らない。
反意語(Antonyms)
- 「memorial」の直接的反意語はあまり定着していません。ただし、「忘却」や「無視」を表す際は “forgetfulness” や “oblivion” などが間接的に対比される場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(米国英語): /məˈmɔːriəl/
- IPA(英国英語): /mɪˈmɔː.ri.əl/
- 強勢(アクセント)の位置: 「mo*MO*rial」のように第2音節 “mo” にアクセントがきます。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- 英国英語では最初の音がやや /mɪ/ のように聞こえることがあります。
- アメリカ英語では /mə/ とやや曖昧母音になります。
よくある発音の間違い
- 「メモリアル」→ 正しくは第2音節“mo”に強勢。
- 語尾の “-ial” を「あいお」ではなく「イアル」のように短めに発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “memory” と混同
- “memory” は「記憶」で、“memorial” は「記念のもの」。
- “memory” は「記憶」で、“memorial” は「記念のもの」。
- スペリングミス
- “memorial” は中間の “r” を落としやすい。
- “memorial” は中間の “r” を落としやすい。
- 発音
- 強勢の場所を間違えやすい&末尾 “-al” の発音に注意。
- 強勢の場所を間違えやすい&末尾 “-al” の発音に注意。
試験対策(TOEIC・英検など)
- 公共施設・歴史的背景・社会文化的内容に関する読解問題として出題される場合があります。
- “memorial service” や “national memorial” のようなコロケーションで出題されることもよくあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語頭の “memo-” は “memory” と関連していると覚えると、そのまま「記念の」というイメージにつながります。
- 単語カードを作る際は “memorial” と “monument”、“memory” をセットにすると混同を防ぎやすいです。
- 建物や像などのイメージを思い浮かべると覚えやすいでしょう。(例: ワシントン記念塔、リンカーン記念堂など英語で “Washington Monument” や “Lincoln Memorial” という有名な例があります。)
以上が、“memorial” に関する詳細な解説です。
「記念」「追悼」というニュアンスをしっかりと理解し、文脈に応じて正しく使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
記念の,追悼の
意味(2)
記念物,記南像(碑);記念行事,記念式
意味(3)
《通例複数形で》(歴史の)記録,年代記
意味(4)
《まれ》(政府,議会などへ出す)請言書,陳情書