元となった辞書の項目
linger
解説
動詞 “linger” の詳細解説
1. 基本情報と概要
単語: linger
品詞: 動詞 (自動詞)
意味(英語):
- To stay in a place or in a situation for longer than necessary or expected.
意味(日本語):
- 「長居をする」「ぐずぐずする」「名残惜しそうにとどまる」という意味です。必要以上に長くとどまったり、なかなかその場を離れない様子を表します。名残惜しさや未練などのニュアンスがある単語です。
活用形:
- 現在形: linger
- 過去形: lingered
- 過去分詞: lingered
- 進行形: lingering
他の品詞例:
- 形容詞: lingering (例: lingering feeling「なかなか消えない気持ち」)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 日常会話よりも少し表現が豊かになるレベルの単語です。文章や会話のなかで、「まだそこにいる」「名残惜しむ」という少しニュアンスのある表現をしたいときに使われます。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語: 特にありません。
- 語幹: linger
- 接尾語・派生: “lingering” は現在分詞 / 形容詞として使われ、「長引く」「残る」といった意味合いとなります。
関連・派生語
- lingerer(名詞形・あまり一般的ではありませんが、「なかなか去らない人」というニュアンス)
- lingeringly(副詞形。「いつまでもぐずぐずと」「残るように」という意味)
よく使われるコロケーション(10個)
- linger around …(ぶらぶらする)
- linger on …(まだ残っている / 長引いている)
- linger in the air …(空気中にまだ残っている)
- linger over coffee …(コーヒーを飲みながら長居をする)
- linger at the table …(テーブルで長く居座る)
- linger in one’s mind …(心や頭の中に残り続ける)
- lingering doubt …(拭いきれない疑い)
- lingering smell …(なかなか消えないにおい)
- lingering memory …(ずっと残る思い出)
- linger a little longer …(もう少し長くとどまる)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 中英語 (Middle English) の “lengeren” に遡り、さらに古英語 (Old English) の “lengan” (to prolong 「長引かせる」) に由来すると言われています。「長く留まる」という意味がもともと含まれています。
ニュアンスと注意点:
- 名残惜しそうにその場を離れずにいるイメージが強い単語です。ポジティブに「余韻を楽しんでいる」という意味合いでも、ネガティブに「ぐずぐずして時間を無駄にしている」という意味合いでも文脈によって解釈が変わります。
- 口語でも文章でも使えますが、やや文学的な響きがあるため、フォーマルな文章に使うと気持ちを微妙に表現しやすいです。
4. 文法的な特徴と構文
- 自動詞として使われるのが一般的で、「場所にとどまる」「状態が続く」という意味を持ちます。目的語を直接取らないことが多い点に注意してください。
- 「linger + 前置詞」で細かいニュアンスを出す表現が一般的です。たとえば “linger on”、「いつまでも続く」「残る」、などです。
構文例
- S + linger + 場所/状況.
- 例: He lingered at the party long after it ended.
- 例: He lingered at the party long after it ended.
- S + linger on + (in …).
- 例: The memory lingered on in her mind.
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “I like to linger over my morning coffee and reflect on the day ahead.”
(朝のコーヒーをゆっくり飲みながら、その日のことを考えるのが好きなんだ。) - “She lingered near the exit because she wasn’t sure if she wanted to leave yet.”
(彼女は出口のそばでなかなか去りがたそうにしていた。) - “Don’t linger too long after school; we need to catch the train.”
(放課後あんまりグズグズしてないでね。電車に乗らなきゃいけないから。)
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “Some questions about the proposal still linger, so let’s address them in the next meeting.”
(提案についていまだにいくつか疑問が残っているので、次のミーティングで取り上げましょう。) - “Despite finishing the project, a sense of uncertainty lingers among the team members.”
(プロジェクトは終わったのに、チーム内にまだどこか不安が残っています。) - “She lingered in the conference room, hoping to have a quick word with the manager.”
(彼女はマネージャーと少し話をしたいと思い、会議室に居残っていました。)
学術的/フォーマルな文脈での例文 (3つ)
- “The effects of the study’s findings may linger for years, influencing future research.”
(その研究結果の影響は何年も続き、今後の研究にも影響を与えるかもしれません。) - “Questions about the long-term environmental impact of the chemical linger, necessitating further investigation.”
(その化学物質の長期的な環境への影響については疑問が残っており、さらなる調査が必要です。) - “Even after the initial debate was resolved, some reservations lingered among the scientific community.”
(当初の議論が解決した後も、科学界の一部には懸念がなお残っていました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- remain(とどまる)
- “remain” は「依然として」というニュアンスが強く、継続状態にフォーカスしています。
- “remain” は「依然として」というニュアンスが強く、継続状態にフォーカスしています。
- stay(いる・滞在する)
- “stay” は単純に「そこにいる・滞在する」という意味。名残惜しさや感情は含まれません。
- “stay” は単純に「そこにいる・滞在する」という意味。名残惜しさや感情は含まれません。
- loiter(うろつく)
- “loiter” は特に目的もなくフラフラするイメージで、否定的に使われることが多いです。
- “loiter” は特に目的もなくフラフラするイメージで、否定的に使われることが多いです。
- dawdle(ぐずぐずと時間をかける)
- “dawdle” はのろのろと動きが鈍いイメージ。行動が遅いことを指すことが多いです。
- “dawdle” はのろのろと動きが鈍いイメージ。行動が遅いことを指すことが多いです。
反意語
- leave(去る)
- depart(出発する)
- hurry(急ぐ)
“linger” は「長くとどまる」という意味なので、その反対は「すぐに去る」「急いで立ち去る」などになります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA (米国英語): /ˈlɪŋɡɚ/
- IPA (英国英語): /ˈlɪŋɡə/
いずれも lin-gər のように、最初の音節 “lin” に強勢が置かれます。
- アメリカ英語では /ɚ/(アー)という「r」の音が残ります。
- イギリス英語では /ə/(ア)という「r」の音がはっきりしない弱い音になります。
よくある間違い:
- “l” の後の “ɪ” を長めに発音して “lee” のようにしないように注意します(「リンガー」ではなく「リ(ン)ガー」のようなニュアンス)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “liger” や “lenger” などと書き間違えないように注意します。
- 同音異義語は特にありませんが、“anger” や “finger” など、綴りが似ている単語があり間違いやすいです。
- 試験での出題傾向: TOEICや英検で出る場合は、「残る」「長引く」という文脈の語彙問題や長文読解でみかける可能性があります。状況描写(人がその場を離れない・感情が残り続ける)などを表す選択肢に登場することがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “linger” の “lin” の部分を “long” と結びつけて、「長く居残る、長く続くイメージ」と覚えると忘れにくいです。
- また “linger” と “finger” のように「-inger」のスペリングが用いられる単語をまとめて発音を確認しておくと混同を避けられます。
以上が動詞 “linger” の詳細な解説です。日常のちょっとした場面からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使える便利な表現なので、ぜひ覚えておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
(ぐずぐずして)なかなか立ち去らない《+on》
意味(2)
〈病人が〉(危篤状態で)生き続ける《+on》
意味(3)
なかなか無くならない《+on》
意味(4)
(…に)手間どる《+over+名》