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grasp
解説
名詞 “grasp” の詳細解説
1. 基本情報と概要
単語: grasp
品詞: 名詞 (可算名詞 / 不可算名詞として使われる場合もあり)
意味(英語・日本語)
- 英語: “grasp” (as a noun) means “a firm hold or grip on something,” or “an understanding or comprehension of a subject.”
- 日本語: 「しっかりつかんでいること」「把握、理解」という意味です。
例えば「物をぎゅっとつかむ」場面から、「話題や概念をしっかり理解する」場面まで幅広く使われます。
ニュアンスと使われ方
- 「しっかりとつかむ」という物理的な感覚から、「物事をしっかりと把握する」という抽象的な意味まで含む単語です。
- 具体物にも抽象概念にも使える便利な単語です。
活用形
- 名詞のため、原則として活用はありません。複数形は “grasps” です。
- 例) This concept is beyond my grasp. (単数)
- 例) Their grasps on the rope were firm. (複数)
- 例) This concept is beyond my grasp. (単数)
他の品詞形
- 動詞 “to grasp”: 「〜をつかむ」「〜を理解する」
- 例) I tried to grasp the handle. / I grasped the main idea.
CEFRレベルの目安
- B1(中級)レベル以上:
- “grasp” という単語は日常会話や文章で頻繁に用いられますが、抽象的な「理解」を表す用法はやや中級レベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: grasp
- 「つかむ」「握る」、さらに「理解する」という意味が凝縮されています。
- 「つかむ」「握る」、さらに「理解する」という意味が凝縮されています。
- 接頭語・接尾語は特に含まれません。
派生語・類縁語など
- grasp (動詞): つかむ、理解する
- graspable (形容詞): つかむことができる、理解できる (まれに使われる形容詞)
コロケーション(共起表現)や関連フレーズ 10選
- have a (firm/strong) grasp on something
- ~をしっかりと把握している
- ~をしっかりと把握している
- get a grasp of something
- ~を理解する
- ~を理解する
- lose one’s grasp
- 理解を失う、制御を失う
- 理解を失う、制御を失う
- tighten one’s grasp
- 握りを強くする、理解を深める
- 握りを強くする、理解を深める
- within one’s grasp
- ~の範囲内で、手が届く範囲に
- ~の範囲内で、手が届く範囲に
- beyond one’s grasp
- 理解や手の届かない範囲に
- 理解や手の届かない範囲に
- grasp at straws
- 藁にもすがる思いで手を尽くす (慣用表現: 動詞フレーズ)
- 藁にもすがる思いで手を尽くす (慣用表現: 動詞フレーズ)
- a good grasp of the language
- 言語をしっかりと理解していること
- 言語をしっかりと理解していること
- slip from one’s grasp
- (物が)手からすべり落ちる、(機会や理解が)失われる
- (物が)手からすべり落ちる、(機会や理解が)失われる
- grasp the opportunity
- 機会をつかむ (こちらは動詞用法に近い表現)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “græsp” や “gæsp” に由来し、「つかむ」「握る」といった意味で使われていました。そこから派生して、「抽象的にしっかり理解する」という趣旨へと広がりました。
ニュアンス・使用時の注意
- 物理的にも抽象的にも「しっかりとつかむ・把握する」イメージがあり、口語的・文章的どちらにも幅広く使われます。
- カジュアルな場面からフォーマルな場面まで対応可能です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文・イディオム例
- “have a firm grasp on + (名詞)”
例) She has a firm grasp on mathematical concepts. - “be beyond one’s grasp”
例) This theory is beyond my grasp.
フォーマル / カジュアル
- フォーマルな文脈: 論文やビジネス文書で「正確な理解」を示す表現として使われる場合があります。
- カジュアルな会話: “He’s got a good grasp of what’s going on.” のように、「彼は何が起きているのかをよくわかってるね」と軽い口調で使われることも。
文法上のポイント
- 可算名詞・不可算名詞の両方で扱われる場合があります。
- 類型的には「概念そのもの」を指す際に不可算名詞扱いすることがありますが、複数形で具体的な「(複数の)つかみ方」「いくつもの理解」を表して可算名詞として使う例も多いです。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I don’t have a good grasp of the rules yet. Could you explain again?”
(まだルールをよく理解できていないんだけど、もう一度説明してくれる?) - “Her grasp on the steering wheel was so tight, I could see her knuckles turn white.”
(彼女はハンドルをしっかり握りすぎて、指の関節が白くなっていたよ。) - “Do you have a firm grasp of the new schedule?”
(新しいスケジュールはしっかり把握している?)
ビジネス (ややフォーマル)
- “He demonstrated a solid grasp of the market trends during the presentation.”
(プレゼンで彼は市場動向をしっかり理解していることを示しました。) - “Having a clear grasp of our objectives will help us decide on the best strategy.”
(目標を明確に把握することが、最善の戦略を決める助けになります。) - “Your grasp of financial analysis is impressive.”
(あなたの財務分析の理解は素晴らしいですね。)
学術的な文脈 (フォーマル)
- “A thorough grasp of the foundational theories is essential for advanced research.”
(基礎理論を徹底的に把握することが、先端的な研究には欠かせません。) - “His grasp of quantum mechanics is evident in his latest paper.”
(彼の量子力学の理解は、最新の論文に明らかに表れています。) - “Students must develop a firm grasp of the basic principles before proceeding.”
(学生は先へ進む前に、基本的な原理をしっかり把握する必要があります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “understanding” (理解)
- 「知識として知っている」ニュアンスが強い。
- “grasp” はより能動的に「しっかりつかむ」イメージがある。
- 「知識として知っている」ニュアンスが強い。
- “comprehension” (理解力、把握力)
- よりフォーマル・学術的な響き。
- よりフォーマル・学術的な響き。
- “grip” (握り、把握)
- 物理的に「しっかり握る」意味が強く、抽象的に使う場合は “grip on the problem” のように少しカジュアル。
- 物理的に「しっかり握る」意味が強く、抽象的に使う場合は “grip on the problem” のように少しカジュアル。
反意語
- “ignorance” (無知)
- “misunderstanding” (誤解)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語 (AE): /ɡræsp/
- イギリス英語 (BrE): /ɡrɑːsp/ または /ɡræsp/ (地域によって “ɑː” と “æ” の違いがある)
強勢(アクセント)
- 一音節語なので特に強勢は意識しませんが、”gra”の音をはっきり発音します。
発音の違い
- アメリカ英語は “æ” (catの音)
- イギリス英語は “ɑː” (fatherの音) になることがあります。
よくある発音ミス
- /grəsp/ のように曖昧母音にならないように注意しましょう。短い語である分、一音一音をはっきり発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “grasp” を “graspe” などと書かないように注意。
- 発音の混乱: “grass” (草) /ɡræs/ と似て聞こえるので注意。(末尾の “p” 音がはっきりあるかどうか)
- 同音異義語ではないものの、 “graph” /ɡræf/ と見た目が似ているため混同しないように。
- TOEICや英検などで、 “a firm grasp on 〜” という表現として頻繁に出題されることがあります。
- “have a good grasp of 〜” という熟語表現の認識があるか問われます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「手のひら(palm)の中で何かをギュッとつかんで離さない」というイメージを持つと、物理的にも概念的にも「ぎゅっと把握」は同じ“grasp”と覚えられます。
- “GRASP” のスペリング中には “ASP” (毒蛇)が入っている、なんて連想して “しっかりつかむと危ない蛇が逃げないイメージ” などと結びつけると記憶に残りやすいかもしれません。
以上が名詞 “grasp” の詳細解説です。物理的に「つかむ」イメージと、抽象的に「理解をつかむ」イメージの両方をうまく結びつけると、日常生活から論文執筆まで幅広い場面で使いこなせるようになります。
意味のイメージ
意味(1)
《通例a~》(手などでしっかり)捕まえること,つかむこと
意味(2)
理解[力],知的把握[力]