exalt
以下では、動詞 “exalt” をできる限り詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語: exalt
品詞: 動詞 (Verb)
活用形:
- 原形: exalt
- 三人称単数現在形: exalts
- 現在分詞・動名詞: exalting
- 過去形・過去分詞: exalted
英語での意味:
“to raise someone or something to a higher position or level,” “to praise highly or glorify”
(誰かや何かをより高い地位やレベルに引き上げること、強く称賛・讃えること)
日本語での意味:
「(地位やレベルを) 高める」「大いに称える、崇める」というニュアンスです。宗教的・フォーマルな文脈では「神聖視する」「崇高なものと見る」というような意味合いも持ちます。
(「誰かの偉大さや功績を讃える」「身分を引き上げる」ような場面でよく使われる、ややかしこまった感じの言葉です。)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)からC1(上級)程度
- B2(中上級):ニュースや新聞など、かなり内容のある英文を理解できるレベル
- C1(上級):専門的な会話や文章も概ね理解でき、表現も高度なレベルが必要となる段階
他の品詞への変化例:
- 名詞形: exaltation (エグザルテーション) … “大いなる賞賛” “高揚感” といった意味
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- ex- : 「外へ」「上へ」「超えて」などを表すラテン語由来の接頭辞
- alt(語幹) : ラテン語の “altus” (高い)に由来
つまり “exalt” は「高みへ引き上げる」「上へと大きく持ち上げる」といったニュアンスを持っています。
他の単語との関連性
- exaltation (名詞) : 高揚、崇敬、歓喜
- exalted (形容詞) : 高貴な、崇高な、高揚した
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- exalt someone to a position
(誰かをあるポジションに引き上げる) - exalt the virtues of …
(…の美徳を大いに称える) - be exalted for one’s achievements
(功績により讃えられる) - exalt the Lord (宗教的文脈)
(主を崇める) - exalt one’s status
(地位を向上させる) - exalt in a speech
(スピーチで熱烈に称賛する) - exalt over the success
(成功を大いに称賛する) - place someone on an exalted pedestal
(誰かを非常に高い評価・立場で見る) - exalt the importance of …
(…の重要性を強調する) - feel exalted by praise
(賞賛によって高揚感を抱く)
3. 語源とニュアンス
語源:
ラテン語の “exaltare” (ex-「外へ/上へ」 + altus「高い」) に由来します。
古フランス語経由で英語に入っており、「高く掲げる・高揚させる」という意味が伝承されてきました。
ニュアンス・注意点:
- 「物理的に高く上げる」というより、「地位や名誉を高める」「精神的・感情的に高揚させる」という比喩的ニュアンスを多く持ちます。
- 宗教やフォーマルな文章、称賛の表現で使われることが多く、口語的な場面ではあまり頻出しません。
- 崇敬の感情や誇らしさを伴うことが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- “exalt” は基本的に 他動詞 (transitive verb) として使われます。
- 例: “They exalt him.” (彼を讃える)
- 例: “They exalt him.” (彼を讃える)
- イディオム的な用法はあまり多くありませんが、宗教的あるいは文学的文章で “exalt above all others” (すべての他者より讃えられる) のような表現があります。
- フォーマルな文脈・宗教的文脈でよく使用されるため、カジュアルな口語では代わりに “praise” や “elevate” などが使われることが多いです。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I wouldn’t say I exalt him, but I do admire his hard work.”
(彼を過剰に称えているわけではないけれど、努力は本当にすごいと思うよ。) - “She exalts her old teacher whenever she talks about her success.”
(成功談を語るときは、いつも彼女は昔の先生のことをとても高く評価するんだ。) - “You don’t have to exalt me, I just did what anyone would.”
(そんなに僕を称えなくてもいいよ、誰でもやることをやっただけだから。)
(2) ビジネスでの例文
- “The board decided to exalt the project leader to a higher management role.”
(役員会は、そのプロジェクトリーダーをより上級の管理職に引き上げる決定を下しました。) - “Our marketing campaign aims to exalt the brand’s reputation.”
(私たちのマーケティングキャンペーンは、ブランドの評判を大きく高めることを狙っています。) - “He was exalted by the entire team for securing the important contract.”
(重要な契約を獲得して、彼はチーム全体に讃えられました。)
(3) 学術的・フォーマルな文脈での例文
- “In his paper, the philosopher exalts the value of moral integrity.”
(その哲学者は論文の中で、道徳的誠実さの価値を高く称えている。) - “The literature often exalts heroes who sacrifice themselves for the greater good.”
(文学作品には、大義のために自己を犠牲にする英雄を高く讃えるものが多い。) - “Religious texts frequently exalt divine beings as omnipotent and benevolent.”
(宗教的文書では、神々が全能で慈悲深いものとしてしばしば讃えられている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
praise(賞賛する)
- 日常会話での使用頻度は “exalt” より高い。
- “He praised her efforts.” など、よりカジュアルに使われる。
- 日常会話での使用頻度は “exalt” より高い。
laud(称賛する)
- やや文語的。フォーマルなスピーチや文章で使われる。
- やや文語的。フォーマルなスピーチや文章で使われる。
elevate(昇進させる、地位を高める)
- 身分・地位もしくは精神性を高めるときに使われるが、称賛というより物理的・比喩的に「上げる」ニュアンスが強い。
- 身分・地位もしくは精神性を高めるときに使われるが、称賛というより物理的・比喩的に「上げる」ニュアンスが強い。
glorify(崇める、栄光をたたえる)
- 宗教的文脈や、過度にほめそやすニュアンスがあるときに使われる。
- 宗教的文脈や、過度にほめそやすニュアンスがあるときに使われる。
uplift(励ます、高揚させる)
- 感情的に元気づけるニュアンスが強い。
- 感情的に元気づけるニュアンスが強い。
反意語 (Antonyms)
- demean(品位を下げる、中傷する)
- degrade(降格させる、格下げする)
- belittle(見くびる、小さく扱う)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- イギリス英語 (BrE): /ɪɡˈzɔːlt/
- アメリカ英語 (AmE): /ɪɡˈzɔːlt/ または /ɪɡˈzɑːlt/
強勢(アクセント)
- “ex-alt” の “alt” 音節に主な強勢が来ます。
- 「イグゾールト」のように発音するとイメージしやすいですが、/z/ に続く母音の違いでイギリス英語だと /ɔː/、アメリカ英語だと /ɔː/ または /ɑː/ になる傾向があります。
よくある発音の間違い
- “exalt” /ɪɡˈzɔːlt/ と “exult” /ɪɡˈzʌlt/ を混同しないように注意(“exult” は「歓喜する」という意味)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “ex” + “alt” であり、途中に “u” は入らない。 “exult” と混同しやすいので注意。
- 意味の混同: “exalt” は「大いに讃える、高める」、 “exult” は「大いに喜ぶ」。スペリングと意味の両方で区別が必要。
- 試験対策: TOEICや英検などではハイレベルの読解問題や、宗教・政治・文学的なパッセージに出てくることがあります。特に文脈から「高く称える」という意味を推測させる問題として出題されやすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “ex-” は「外へ/上へ」、 “alt” は「高い」を思い出して、「高いところへ押し上げる」とイメージすると覚えやすいです。
- 「エグザルト」と音を分解すると “ex + alt” が目立つので、「“高いところへ(ex) + 高さ(alt)”」で「高くする」というイメージで記憶にとどめると良いでしょう。
- 同音・類似スペリングの単語 “exult” と区別するために、「exalt は “alter(高い)” に関連」と考えると紛らわしさが減ります。
以上が、“exalt” の詳細な解説です。口語ではあまり使わないかもしれませんが、フォーマルな文脈や文章、宗教的儀式などでよく登場する語なので、特にリーディングで頻出する可能性が大いにあります。ぜひ区別や活用形に注意しながら覚えてみてください。
(高い地位に)〈人〉‘を'昇進させる,上げる《+名〈人〉+to+名》
〈人など〉‘を'ほめる,賞賛する