元となった辞書の項目
dove
解説
以下では、英単語「dove (名詞)」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語での意味
- dove: a small pigeon, often used as a symbol of peace.
日本語での意味
- 「ハト」を指します。「平和の象徴としてよく登場する小型のハト」というニュアンスで、優しさや穏やかなイメージを伴う単語です。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 単数形: dove
- 複数形: doves
※「dove」は動詞 “dive” の過去形として使われることもありますが、ここでは名詞として解説しています。動詞 “to dive” の過去形には “dove” または “dived” があり、アメリカ英語では “dove” もよく使われます。
他の品詞形
- dovish (形容詞): 「ハト派の」「穏健な」などの意味で政治・経済の文脈で使われることがあります。
- dove (動詞形) は本来存在しませんが(「dive」の変則的過去形を除く)、派生語として “dove-like” や “doveish” のような表現もまれに見られます。
CEFRレベルの目安
- B1(中級)
→ 動物名称としてはA2レベル程度に感じるかもしれませんが、「平和の象徴」「政治的なハト派」といった抽象的な用法まで含めるとB1程度になると考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- dove は元々の語幹が「dove」として一語で成り立っており、明確な接頭語や接尾語は含まれません。
代表的な派生語・類縁語
- dovecote / dovecot(ハト小屋)
- dovish(ハト派の、穏健な)
- dovelet(小さいハト、あまり一般的ではない)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- white dove(白いハト)
→ 平和の象徴としてのイメージ - a flock of doves(ハトの群れ)
- dove of peace(平和の象徴としてのハト)
- dove release(ハトの放鳥)
→ 結婚式や平和式典で使われる - cooing dove(クークーと鳴くハト)
- Hawks and doves(タカ派とハト派)
→ 政治や外交でよく使われる対比表現 - gentle as a dove(ハトのように穏やか)
→ 温和さを表す比喩 - mourning dove(ナゲキバト)
→ 北米に多いハトの一種 - dove symbolism(ハトの象徴性)
- to be a dove(ハト派である)
→ 平和的・譲歩的な立場をとる
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語 “dūfe” から由来するとされ、ゲルマン祖語にさかのぼる語です。歴史的にハトは「聖なる鳥」や「平和」の象徴とされ、スピリチュアルな文脈でも使われてきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- “dove” と聞くと多くの英語話者は「白いハト」や「平和」をイメージします。政治的文脈では「戦争や対立を望まないハト派」を指すため、文脈に応じた解釈が必要です。
- カジュアルな日常会話でも動物名としての意味で使われますが、比喩的に「温和な人」という意味を含んでいる場合もあります。正式なフォーマルシーンでは「ハト派」の政治用語として出てくることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
名詞として可算名詞 (countable noun) です。
例: one dove / two doves構文例:
1) (主語) + (動詞) + a dove- I saw a dove in the garden.
2) (形容詞) + dove - A white dove symbolizes peace.
- I saw a dove in the garden.
イディオム・よく使われる表現
- “to be a dove in politics” → 「政治においてハト派である」
- “gentle as a dove” → 「ハトのように優しい(穏やか)」
- “to be a dove in politics” → 「政治においてハト派である」
フォーマル/カジュアル
- フォーマルな文脈では政治・外交や宗教・儀式などでの使用が見られます。
- カジュアルな場面では単に鳥の名前としてか、「優しい」という比喩として使われることがあります。
- フォーマルな文脈では政治・外交や宗教・儀式などでの使用が見られます。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
- “Look! There’s a beautiful dove sitting on the balcony.”
(見て! バルコニーにきれいなハトがとまってるよ。) - “I love hearing the cooing of doves in the morning.”
(朝のハトのクークーという鳴き声を聞くのが大好き。) - “She is as gentle as a dove, always kind to everyone.”
(彼女はハトのように穏やかで、いつもみんなに親切だよ。)
ビジネス(少しフォーマル)
- “Our logo features a dove to represent our commitment to peace and cooperation.”
(当社のロゴには平和と協力の理念を表すためにハトをあしらっています。) - “In negotiations, he played the role of the dove, advocating compromise.”
(交渉において、彼はハト派として妥協点を探る役割を果たした。) - “The company’s main trademark is a white dove, symbolizing trust and harmony.”
(その企業のメイントレードマークは白いハトで、信頼と調和を象徴しています。)
学術的/文脈(よりフォーマル)
- “Historically, the dove has been associated with divinity and prophecy.”
(歴史的にハトは神性や予言と結びつけられてきました。) - “In zoological classification, doves and pigeons belong to the same family, Columbidae.”
(動物分類学的には、ハトとハト科はどちらもColumbidae(ハト科)に属します。) - “Research suggests that the mourning dove is adapting well to urban environments.”
(研究によれば、ナゲキバトは都市環境にも上手く適応しているようです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- pigeon(ピジョン/ハト)
- 一般的なハトを指す言葉。野外でよく見かける大柄な種類も含む。
- “dove” よりもやや大きめのハトを連想させることが多い。
- 一般的なハトを指す言葉。野外でよく見かける大柄な種類も含む。
- dove of peace(平和のハト)
- 「白い鳩」としての象徴に特化した言い回し。
- 実質的に “dove” とほぼ同義だが、象徴性がより強調される。
- 「白い鳩」としての象徴に特化した言い回し。
反意語(Antonyms)
- hawk(タカ)
- 鳥のタカに加え、政治・外交で「強硬派」を意味することが多い。
- 対比構造で “hawks and doves” (タカ派とハト派) としてよく登場する。
- 鳥のタカに加え、政治・外交で「強硬派」を意味することが多い。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /dʌv/ (米・英共通)
- アクセント: 一音節語なので特にアクセント移動はありません。/dʌv/ の “ʌ” は日本語の「ア」と「オ」の中間のような音です。
- アメリカ英語とイギリス英語での大きな発音の違いはほぼありません。
- よくある間違い: “doʊv” のように /oʊ/ と長めに発音してしまうケース。実際は /dʌv/ の短い「ダヴ」に近い発音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 綴り (スペル) の混同
- “dove” を “douve” などと誤記する例。
- “dove” を “douve” などと誤記する例。
- “dove” (名詞) と “dove” (動詞の過去形: dive の過去形) の混同
- 意味が全く違うので文脈に注意しましょう。
- 意味が全く違うので文脈に注意しましょう。
- 象徴的な意味合い(平和の象徴/ハト派)と実際の鳥としての意味を区別する必要があります。
- TOEICや英検などの試験では、「hawks and doves」という政治用語や「symbol of peace」として出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「平和の象徴として白いハト」をイメージすると覚えやすいです。
- “do” と “love” を合わせたようにも見える綴りなので、「優しさ・穏やかさを表す単語」とイメージすると記憶に定着しやすいでしょう。
- また、「ハト派」を表す英単語として政治ニュースなどで “dove” が使われると覚えると、時事英語とも結びつけやすくなります。
以上が名詞「dove」についての詳細な解説です。
「平和の象徴」や「政治的に穏健な立場」を示すときに使われる印象的な単語なので、ぜひ使うシーンとともに覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
ハト(pigeonのうち比較的小さいもの;平和の象徴とされる)
意味(2)
《おもに米》(平和的な態度をとる)ハト派の人(政治家)