元となった辞書の項目
compassionate
解説
以下では、形容詞“compassionate”について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語での意味
- “compassionate”: feeling or showing sympathy and concern for others(他者への思いやりや同情心を感じ、示す)
日本語での意味
- 「慈悲深い」「思いやりのある」「情け深い」
「compassionate」は他者の苦しみや悲しみに対して、共感や優しさ、思いやりをもって対応するときに使います。比較的ポジティブで優しいニュアンスが強い単語で、人に対して使われる場合が多いです。
品詞
- 形容詞 (adjective)
活用形
英語の形容詞は、基本的に名詞のような複数形や動詞のような活用はありませんが、比較級や最上級は以下のように作ります。
- 原級: compassionate
- 比較級: more compassionate
- 最上級: most compassionate
他品詞形
- 名詞形:compassion(思いやり、同情)
- 動詞形は存在しません(“compassionate”は形容詞であり、直接の動詞形はありません)。
- しかし、名詞 “compassion” を動詞にする “to feel compassion for ...」(…に対して思いやりを感じる)のような形で表現します。
CEFRレベル
- この単語は「B2:中上級」レベルで学習する語彙として考えられます。
- B2:中上級…より高度な語彙や言い回しを使いこなす段階。
- B2:中上級…より高度な語彙や言い回しを使いこなす段階。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹(root):compassion(名詞:思いやり・同情)
- 接尾語(-ate):形容詞化を促す一部の語尾(compassion + ate)が組み合わさり、形容詞形になっています。
関連・派生語
- compassion(名詞):思いやり、同情
- compassionate leave(名詞フレーズ):家族の不幸などのための特別休暇
- compassionately(副詞):思いやりをもって
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- compassionate care(思いやりのあるケア・看護)
- a compassionate response(思いやりのある対応)
- compassionate approach(慈悲深いアプローチ)
- be compassionate toward others(他人に対して思いやりを持つ)
- deeply compassionate(深く思いやりのある)
- show a compassionate attitude(思いやりのある態度を示す)
- inherently compassionate(本質的に思いやりのある)
- a compassionate gesture(思いやりのあるしぐさ/行為)
- promote compassionate understanding(思いやりのある理解を促す)
- compassionate leadership(思いやりのあるリーダーシップ)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “compati” (com-「共に」+ pati「苦しむ」) に由来。そこからフランス語を経て、英語の “compassion” となり、形容詞形が “compassionate” になりました。
ニュアンス
- 「相手の気持ちや苦しみに寄り添う」という優しいニュアンスが強い。
- 感情面に寄り添う言葉なので、優しさや共感、慈しみ、人間味を感じさせる表現です。
- 文章でも会話でも使われますが、フォーマル/インフォーマルを問わずに使えるため、愛他心や思いやりを表す場面全般で適切です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
- “be compassionate (about/towards/with 〜)”
例: He is compassionate towards stray animals. - “show (one’s) compassionate side”
例: She showed her compassionate side by volunteering at the shelter.
イディオム的な表現
直接のイディオムは少ないものの、“compassionate leave”(家族の不幸などで与えられる特別休暇)はイディオム的・慣用表現としてよく登場します。
使用シーン
- フォーマル/カジュアル双方で利用可能です。
- ビジネスメール、スピーチ、日常会話など幅広い文脈で使用されます。
文法上のポイント
- 形容詞としてのみ使用される。
- 名詞としては「compassion」、副詞としては「compassionately」と形を変える点に注意します。
5. 実例と例文
日常会話
- “He was so compassionate when I told him about my problems.”
(私が悩み事を話したとき、彼はとても思いやりを示してくれました。) - “I love talking to her because she is always compassionate.”
(彼女はいつも思いやりがあるので、彼女と話すのが大好きです。) - “A compassionate friend is someone who listens without judging.”
(思いやりのある友人とは、批判せずに話を聞いてくれる人のことです。)
ビジネス
- “Our company strives to create a compassionate work environment.”
(弊社は思いやりのある職場環境を創造するよう努めています。) - “A compassionate approach to customer service can improve our reputation.”
(顧客対応における思いやりのあるアプローチは、当社の評判を高める可能性があります。) - “We should be compassionate towards employees facing personal challenges.”
(個人的な困難に直面している従業員に対して、思いやりを持つべきです。)
学術的・専門的
- “Studies show that compassionate leaders tend to have more loyal followers.”
(研究によると、思いやりのあるリーダーは、より忠実な部下を持つ傾向があります。) - “Compassionate healthcare significantly improves patient satisfaction and outcomes.”
(思いやりのある医療ケアは、患者の満足度と治療成果を大幅に向上させます。) - “In psychological research, a compassionate mindset can reduce stress and burnout.”
(心理学の研究では、思いやりのある考え方がストレスや燃え尽き症候群を減らすことが示されています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
empathetic(共感的な)
- 「他者の立場や気持ちを深く理解する」という意味合いで類似した雰囲気。
- “compassionate”より心情への距離が近く、「相手を自分ごとのように感じる」ニュアンス。
- 「他者の立場や気持ちを深く理解する」という意味合いで類似した雰囲気。
sympathetic(同情的な)
- 「他人の不幸や苦しみに同情する」ニュアンス。
- “compassionate” は行動面の「優しさ」も含むイメージが強い。
- 「他人の不幸や苦しみに同情する」ニュアンス。
kind(優しい)
- 全般的に優しさを示す一般的な形容詞。
- “compassionate” はより「相手の苦しみに寄り添う」含みがある。
- 全般的に優しさを示す一般的な形容詞。
caring(気遣いのある)
- 「気にかけて世話をする」といったニュアンス。
- “compassionate”より日常的で、広範囲に使える表現。
- 「気にかけて世話をする」といったニュアンス。
反意語 (Antonyms)
- indifferent(無関心な)
- unfeeling(感情のない、冷淡な)
“compassionate” は相手への思いやりが強いので、その反対は「冷淡」「無関心」といった単語になります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /kəmˈpæʃ(ə)nət/
- イギリス英語: /kəmˈpæʃənət/
強勢(アクセント)
- “com-PASS-ion-ate” の “PASS” の部分にストレスが置かれます。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- 大きな差はありませんが、アメリカ英語では「シュ」音が少し強調されることがあります。
- イギリス英語では語尾の「-ate」がややはっきり発音される傾向があります。
よくある発音ミス
- “com-passion-ate” の “passion” の「パ」部分に強勢があることを意識しないと「コンパッシオネイト」のように曖昧になる場合があります。
- また「compassionate」は「コンパッション+ate」の形で、母音の位置を間違って発音しやすい点に注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミスが起きやすい:
- × “comassionate”
- × “compasionate”
- など ‘p’ と ‘s’ の位置、重複を間違えないよう注意。
- × “comassionate”
- 同音異義語はほぼないが、“compassion” と “comparison” はスペル・発音・意味が全く異なるので混同に注意。
- 資格試験(TOEIC・英検など)での出題傾向:
- リーディングやリスニングでビジネス上の文脈、医療・介護などで“compassionate care”のような表現が登場する場合があります。
- 類義語や対義語の選択問題で出されることもあります。
- リーディングやリスニングでビジネス上の文脈、医療・介護などで“compassionate care”のような表現が登場する場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「com-(共に)+ passion(苦しみ)」が起源。「相手の苦しみと共にあるイメージ」を持つと覚えやすいでしょう。
- “passion” の単語が入っているので、「熱意 (passion) ではなく、相手の痛みに心を寄せる (compassion)」と覚えると区別しやすいかもしれません。
- “compassionate” は相手を思いやる情熱を秘めているイメージ。自分が「相手の苦しみに共に寄り添う」というストーリーにすると記憶に残りやすいです。
以上が形容詞“compassionate”の詳細な解説です。人の優しさや思いやりを表現するうえで便利な言葉ですので、ぜひ覚えて活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
あわれみ深い,情け深い