元となった辞書の項目
classic
名詞
〈C〉(一つの分野の中で)規範(模範)となる作品,代表作 / 〈C〉代表的芸術家,古典的作家 / 《the classics》《しばしばC-》古典文学 / 〈C〉伝統的な(由緒ある)行事
解説
1. 基本情報と概要
英単語: classic
品詞: 名詞 (ただし形容詞としてもよく使われます)
意味(英語で)
- A work of art, literature, music, or film that is highly regarded and has lasting value or significance.
- Something that is an outstanding example of its kind.
意味(日本語で)
- 芸術・文学・音楽・映画などで、高い評価を受けながら長らく価値や重要性を持ち続けている作品のこと。
- その種類において典型的・模範的な例を指す。
「classic」という名詞は、たとえば『古典的名作』のように、一時的な流行ではなく、長い間多くの人から愛されたり、評価されたりしている作品や物事を指します。英語学習者にもよく耳にする単語で、何かが「定番」であることを指す場面でも使われます。
活用形
- 名詞形: classic / classics(複数形: “the classics” など)
- 形容詞形: classic(例: “a classic novel” / “classic design”)
他の品詞
- 形容詞: “classic” → 「古典的な」「典型的な」という意味。
CEFRレベル
- B1 (中級)〜B2 (中上級)
・英語学習者なら比較的早い段階で目にする単語ですが、文学や芸術などの文脈で使われるため、理解には多少の文脈知識が必要になることが多い単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語源: 後述のとおり、ラテン語 “classicus” に由来します。
- 現在の英語形 “classic” は、主に「一流」「模範的」というニュアンスをもっています。
関連する派生語や類縁語
- Classical: 主に古代ギリシャやローマなどの古典文化や、クラシック音楽の「古典的な」という形容詞。
- Classify: 「分類する」という意味の動詞(語幹「class-」+ 接尾語「-ify」)。
- Classy: 「上品な」「高級感のある」というややカジュアルな形容詞。
よく使われるコロケーション(10個)
- a classic example(典型的な例)
- a classic case(典型的な事例)
- a modern classic(現代の名作)
- a timeless classic(時代を超えた名作)
- read the classics(古典作品を読む)
- become a classic(名作になる)
- a cult classic(カルト的名作)
- classic literature(古典文学)
- classic film(名作映画)
- a classic piece of advice(定番のアドバイス)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “classicus” に由来し、「一級の」「第一等級に属する」といった意味がありました。
- 古代ローマで戸籍や税制関連の区分において「上流階級」を指す言葉から発展し、「高水準の作品、あるいは標準となる芸術作品」を指すようになりました。
微妙なニュアンスや使用上の注意
- 「定番」「昔からある名作」として賞賛するポジティブなニュアンスが強いです。
- そのため「古臭い」という意味ではなく、「時代を超えて優れたもの」という、肯定的な響きを持ちます。
- 文体は比較的フォーマルからカジュアルまで幅広く使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 “classic” は可算名詞
- 複数形は “classics” となり、しばしば “the classics” として「古典作品、名作群」を総称する言い方が使われます。
- 複数形は “classics” となり、しばしば “the classics” として「古典作品、名作群」を総称する言い方が使われます。
- 形容詞 “classic”
- 「典型的な」「古典的な」「時代を超えた名作の」といった意味を表します。
- 「典型的な」「古典的な」「時代を超えた名作の」といった意味を表します。
- 使用シーン
- フォーマル・カジュアル問わず使えるが、内容に合わせた文脈判断が必要。
一般的な構文・イディオム
- This book is a classic.(この本は古典的名作だ)
- It has become a classic in its field.(その分野の古典的存在になった)
- The classics(古典作品群)
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “Have you read any good classics lately?”
(最近、何か古典作品を読んだ?) - “I love watching classic movies on the weekend.”
(週末に名作映画を観るのが大好きなんだ。) - “That old car is a real classic—it still runs great.”
(あの古い車、まさに名車だよ。いまだに調子がいいんだ。)
ビジネスシーン (ややフォーマル)
- “Our CEO referenced a classic management book in her presentation.”
(CEOはプレゼンで有名な経営書について言及していました。) - “We need to study some classics on leadership to refine our strategy.”
(リーダーシップの定番書をいくつか読んで、戦略を洗練させる必要があります。) - “This approach is considered a classic in project management.”
(このやり方はプロジェクトマネジメントの分野で定番とされています。)
学術的文脈 (フォーマル)
- “In literary studies, many scholars focus on the classics for foundational theories.”
(文学研究において、多くの学者は基礎理論として古典作品に注目します。) - “His analysis of the American classics was widely acclaimed.”
(米国の古典文学に関する彼の分析は広く高い評価を受けました。) - “We must reference seminal works, including the classics, to construct our hypothesis.”
(私たちは仮説を構築するために、古典作品を含む重要な研究を参照しなければなりません。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- masterpiece(傑作)
- 個別の作品に対して優れた芸術性や完成度を強調する。
- “classic” は長い歴史と広範な評価を伴うことが多い。
- 個別の作品に対して優れた芸術性や完成度を強調する。
- canonical work(正典的作品)
- 研究や批評において公認され、基準として扱われる作品や作家。やや学術的・フォーマル。
- 研究や批評において公認され、基準として扱われる作品や作家。やや学術的・フォーマル。
- exemplar(模範)
- 手本や実例という意味が強く、文学や芸術以外でも使われる。
反意語
- obscure work(あまり知られていない作品)
- 「有名で定番」の対極として、「ほとんど知られていなくて埋もれた作品」というニュアンス。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈklæsɪk/
- アメリカ英語では [klӕsɪk] が一般的。
- イギリス英語でも同じ発音で、/ˈklæs.ɪk/ と表記されることも。
- アメリカ英語では [klӕsɪk] が一般的。
強勢(アクセント)の位置
- 最初の “cla-” にアクセントが置かれます: CLA-ssic
よくある発音の間違い
- “classic” の /æ/ の母音は日本語の「ア」に近いが、口を大きめに開く必要がある。
- スペルは “classical” (形容詞) と混同しやすいので注意 (“classical” には /ˈklæsɪkəl/ と語末に “-al” がつく)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “clas sic” → “class ic” というように、 “ss” をひとつにしてしまうなどのミス。
- 形容詞形式との混同: “classic” (形容詞・名詞) と “classical” (形容詞) は使う場面が異なる場合がある。
- “classic music” と言うと、定番の音楽というニュアンス。
- “classical music” と言うと、モーツァルトやベートーヴェンなどのクラシック音楽(特に西洋の正統な音楽様式)を指す。
- “classic music” と言うと、定番の音楽というニュアンス。
- 同音異義語との混同: 同音異義語は特に見当たらないが、「classy」と混同しないように注意。全く違う意味になる。
- 試験での出題傾向: TOEICなどの英語テストでは、 “classic example” や “modern classic” などで “classic” が形容詞・名詞両方で問われる可能性あり。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「クラシックカー」や「クラシック音楽」といった日本語でも使われる表現から想起すると覚えやすいです。
- 「時代を超えて愛されるもの」「模範的なもの」というキーワードを頭に置くと、どんな場面で使えばよいかイメージしやすくなります。
- “class” という単語には「等級」「クラス」のイメージがあるので、“classic” は「上のクラスに位置づけられる特別なもの」と関連づけると記憶に残りやすいでしょう。
以上が名詞「classic」の詳細解説です。長い歴史を持つ芸術作品や“定番”と評される物事を表す便利な単語なので、ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉(一つの分野の中で)規範(模範)となる作品,代表作
意味(2)
〈C〉代表的芸術家,古典的作家
意味(3)
《the classics》《しばしばC-》古典文学
意味(4)
〈C〉伝統的な(由緒ある)行事