cast
1. 基本情報と概要
単語: cast
品詞: 名詞 (ただし、同形の動詞「cast」も存在します)
CEFRレベル: B2 (中上級)
- グループでの会話や、エンタメ分野の記事などでよく見聞きする単語ですが、使いこなすには少し慣れが必要なレベルです。
意味(英語 & 日本語)
(名詞) 「出演者(全員)」「キャスト」
- 英語では
the group of actors in a play, movie, or TV show
という意味です。 - 日本語では「(演劇や映画などの)出演者全員」を指します。
- 例えば「The cast of the play is very talented.」(その舞台の出演者たちは非常に才能豊かだ)というように使います。
- こういう場面で使われると、「登場人物を含む全体」というニュアンスになります。
- 英語では
(名詞) 「鋳型」「鋳造物」
- 何かを型に流し込んで作られたものを指します。
- 日本語でも「ギプス」「鋳物(いもの)」などの意味にも繋がります。
- 例えば「a plaster cast」(ギプス)、「a bronze cast」(青銅の鋳物)という形で使われます。
- 何かを型に流し込んで作られたものを指します。
(名詞) その他の意味として「投げること」「振る動作」の意味を持つ場合もありますが、日常的には上記1・2番目の用法が主に使われます。
主な活用形
- 名詞は数えられる場合: a cast / casts
- 動詞形の「cast」は不規則動詞で、過去形・過去分詞形ともに「cast」となります。(cast–cast–cast)
他の品詞になった時の例
- 動詞: to cast
- 例:
They decided to cast him in the lead role.
(彼を主役に配役することに決めた)
- 例:
- 形容詞的表現: “casting” は「鋳造を行う」「配役の」などの意を含む形容詞(または動名詞的表現)として使われる場合があります。
- 例:
a casting director
(キャスティング・ディレクター)
- 例:
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「cast」は単音節で、現代英語としては目立った接頭語・接尾語を含みません。
- 語幹はスカンジナビア系(古ノルド語の
kasta
= 「投げる」)が起源です。
他の単語との関連性
- caster(キャスター): 「キャスター付きの台車」などに使われるが、語源的には「投げる人/もの」を意味する語から派生といわれます。
- casting(キャスティング): 「配役の決定」「鋳造」などの名詞形。
コロケーションや関連フレーズ(10個)
- star-studded cast
- 「スターが勢ぞろいのキャスト」
- 「スターが勢ぞろいのキャスト」
- supporting cast
- 「助演陣」「脇役の出演者たち」
- 「助演陣」「脇役の出演者たち」
- plaster cast
- 「ギプス」
- 「ギプス」
- cast members
- 「キャストメンバー」
- 「キャストメンバー」
- entire cast
- 「出演者全員」
- 「出演者全員」
- cast list
- 「キャスト(出演者)のリスト」
- 「キャスト(出演者)のリスト」
- cast of thousands
- 「(大規模な)数えきれないほど多いキャスト」
- 「(大規模な)数えきれないほど多いキャスト」
- cast party
- 「出演者たちの打ち上げパーティ」
- 「出演者たちの打ち上げパーティ」
- all-star cast
- 「オールスターキャスト」
- 「オールスターキャスト」
- original cast
- 「オリジナルキャスト」「初演時の出演者」
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古ノルド語の
kasta
(投げるという意味)。中英語を経て、現代英語の「cast」となりました。 - 昔は「投げる」という動詞の意味が中心でしたが、そこから「型に流し込む」(=鋳造)というニュアンスが生まれ、さらに「人を役に割り当てる」(投げ入れる)というイメージになり、最終的に「(役を与えられた)出演者全体」という名詞にも派生しました。
- 使用時の注意点: 「俳優陣」という意味で使うときは、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで用いられます。一方「鋳造物」などの専門的な意味で使う場合は、やや技術的・ビジネス的な文脈で使われることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (countable/可算): 「a cast」「the cast」「casts」と数えられます。
- 「the cast is…」と単数扱いをすることが多いですが、「the cast are…」と集合として複数扱いする場合もあります。文章全体の文体や話者の好みにより、単数・複数どちらも可能です。
- 一般的な構文例
The cast includes several famous actors.
- 「キャストには数人の有名な俳優が含まれる」
We had a great cast this season.
- 「今シーズンのキャストは素晴らしかった」
- イディオム的表現
- 「cast in stone」は「(計画などが)完全に確定している、変更不可の」といった比喩表現ですが、より一般的には
set in stone
と表現されます。
- 「cast in stone」は「(計画などが)完全に確定している、変更不可の」といった比喩表現ですが、より一般的には
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
I loved the cast of that new drama; they all played their roles perfectly.
- 「あの新ドラマのキャストがすごく良かった。みんな役を完璧にこなしてたよ。」
Are you going to the cast party after the show?
- 「公演の後のキャストの打ち上げに行くの?」
There’s a huge cast for this musical, right?
- 「このミュージカルって出演者がすごく多いんだよね?」
ビジネスの文脈(3つ)
Our production team is still finalizing the cast for the next commercial.
- 「我々の制作チームは、次のコマーシャルのキャストをまだ最終決定していません。」
The cast’s availability will affect our shooting schedule.
- 「キャストのスケジュール状況が撮影日程に影響を与えます。」
We plan to unveil the cast list at the corporate event next week.
- 「来週の企業イベントでキャスト一覧を発表する予定です。」
学術的な文脈(3つ)
In ancient metallurgy, a cast is created by pouring molten metal into a mold.
- 「古代の冶金術において、鋳造は溶かした金属を型に流し込むことで作られます。」
A detailed study on the cast of fossils can reveal morphological structures.
- 「化石の鋳型を詳しく調べることで形態的構造を明らかにできます。」
The cast of the historical play was carefully chosen based on linguistic ability.
- 「その歴史劇のキャストは、言語能力を基準に慎重に選ばれました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
ensemble (アンサンブル)
- 「(劇や音楽などの)出演者グループ」という意味。主に音楽やじゅん劇の分野で使うと、やや上品で専門的なニュアンスになります。
company (カンパニー)
- ダンスカンパニーや劇団など、「団体」の意味を持ちます。舞台では「演劇集団」を指すことがあります。
group (グループ)
- 一般的に「グループ」で、映像や舞台作品以外にも様々な集まりに使えます。
※「cast」は、特に「舞台・映画の出演者たち」というニュアンスが強く、他の単語はより広範・別分野にも及ぶ場合があります。
反意語 (Antonyms)
- 出演者を指す「cast」の直接的な反意語はあまり存在しませんが、あえていうなら「audience」(観客) が対比される場合があります。
- 「cast」が「演じる人たち」、
- 「audience」が「観る人たち」という関係です。
- 「cast」が「演じる人たち」、
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- アメリカ英語 (US): /kæst/ (「キャスト」の「キャ」に近い)
- イギリス英語 (UK): /kɑːst/ (「カー」に近い母音)
- アメリカ英語 (US): /kæst/ (「キャスト」の「キャ」に近い)
- 強勢 (アクセント): 一音節語なので、特にアクセントは先頭の /k/ 音節。
- よくある発音ミス:
- 日本人学習者は「かすと」と母音を余分に入れがちですが、単音節で一気に発音するイメージです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリング:
cast
とcost
(費用)を混同するミスが起こりやすいので注意。 - 同音異義語との混同: 同音異義語はさほどありませんが、活用形が変わらない動詞「cast」もあるので、文脈で見分けることが重要です。
- 試験での出題傾向: TOEICや英検のリスニングパートや長文読解では、「映画や舞台の話題」「企業のCM制作」などのテーマでキャストの意味が出てくることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「投げる(cast) → 型に流し込む(cast) → 役を投げ込む(cast) → 出演者全員(cast)」という流れをイメージすると、派生した意味をまとめて覚えやすくなります。
- スペリングで迷う場合、「a」を小さく「投げ込む」イメージでイメージすると、
c+a+st
で「キャスト」の音と一緒に覚えられます。
以上が、名詞「cast」の詳しい解説です。活用と意味の広がりをしっかり押さえて、スムーズに使い分けられるようにしましょう。
〈C〉投げること,(光・影・視線などを)投げかけること
〈C〉(物を)投げられる距離,射程
〈C〉(劇・映画の)配役
〈C〉(骨折した手足を固定する)ギプス
〈C〉(…の)鋳型,鋳造[物]《+of+名》
〈C〉〈U〉(人・物の特懲的な)外形,外観;(…の)型,傾向;性質《+of+名》
〈U〉(…の)色合い,色調《+of+名》
《a cast》(材木などの)ゆがみ,そり;《まれ》(軽度の)斜視