元となった辞書の項目
bloody
解説
副詞「bloody」の徹底解説
1. 基本情報と概要
英語表記: bloody
品詞: 副詞(または形容詞としても使われます)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
- B2: 日常的な会話でもニュアンスが反映される単語であり、やや強めの言い回しとして学んでおくと便利です。ただし、不適切と感じられる場面もあるので、使用には注意が必要です。
意味(英語 & 日本語)
(Adverb) 副詞的用法: “very” / 「とても」「非常に」
→ 主にイギリス英語で強調のために使われる表現です。カジュアルや口語において、喜怒哀楽を強調する際に使われることがあります。ただし少し乱暴な響きもあり、失礼だと思われることもあるのでTPOに合わせて使いましょう。(Adjective) 形容詞的用法: “covered with blood” / 「血まみれの」「血に関する」
→ 文字どおり「血が付いた」「血のような」状態を表します。こちらの意味で使う時は、乱暴な印象は少なく、単に血を伴う状況を描写する形容詞として使われます。
活用形や他の品詞
- 名詞形はありませんが、動詞として「to bloody ~」(~を血で汚す、~に怪我をさせて血が出る状態にする)といった用法があります。
例) “He bloodied his nose.”(彼は鼻から血を出した) - “bloodily”という副詞形もありますが、これは文学的・非常にフォーマルな文脈で使われることが多く、日常ではあまり目にしません。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- 語幹: “blood”(血)
- 接尾語: “-y”(~っぽい・~のような)
もともとは「血のような」「血にまみれた」を表す形容詞。そこから転じて、イギリス英語の口語で強調のために用いられるようになりました。
他の単語との関連性
- blood (名詞): 血
- bleed (動詞): 血が出る
- bloody (形容詞/副詞): 血だらけの / とても(強調)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
bloody hell
- 日本語訳: 「ちくしょう」「なんてこった」
- 強い驚きや怒りを表す感嘆詞。カジュアル且つやや乱暴。
- 日本語訳: 「ちくしょう」「なんてこった」
bloody amazing
- 日本語訳: 「ものすごく素晴らしい」
- 感動したときの強調。
- 日本語訳: 「ものすごく素晴らしい」
bloody brilliant
- 日本語訳: 「めちゃくちゃ素晴らしい」「最高」
- イギリス英語で賞賛するときの口語表現。
- 日本語訳: 「めちゃくちゃ素晴らしい」「最高」
bloody awful
- 日本語訳: 「ひどく最悪だ」
- 強い苛立ちや嫌悪感を表す言い方。
- 日本語訳: 「ひどく最悪だ」
bloody nose
- 日本語訳: 「鼻血」
- 物理的な意味で血が出ている鼻を指す。
- 日本語訳: 「鼻血」
bloody nuisance
- 日本語訳: 「めちゃくちゃ厄介なもの」
- 困った状況を強く批判するとき。
- 日本語訳: 「めちゃくちゃ厄介なもの」
bloody murder
- 日本語訳: 「殺人」「ものすごく怖い状態」
- “shout bloody murder”で「大声で激しく抗議する、泣き叫ぶ」という表現。
- 日本語訳: 「殺人」「ものすごく怖い状態」
bloody fool
- 日本語訳: 「まったくのバカ」
- 怒りや不快感を強めに表現。
- 日本語訳: 「まったくのバカ」
bloody tired
- 日本語訳: 「死ぬほど疲れた」
- 疲労感を強調。
- 日本語訳: 「死ぬほど疲れた」
bloody well
- 日本語訳: 「しっかりと」「ちゃんと」
- “You bloody well know it!”(お前はそれをよく分かっているだろ!)といった強調。
- 日本語訳: 「しっかりと」「ちゃんと」
3. 語源とニュアンス
- 語源: 中世から「血まみれの」を意味する形容詞
bloody
として使われてきました。一説には「神の血を」という宗教的なフレーズが変化して罵り言葉になったとも言われています。 - ニュアンス: イギリス英語では日常的に使われる強調表現ですが、アメリカ英語圏ではやや強め/粗野な響きがあります。カジュアルな口語として使われますが、フォーマルな文章や公的な場面では使用を控えるのが無難です。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞的用法: 形容詞を修飾して強調する
例) “It’s bloody cold today!”(今日はめちゃくちゃ寒いよ!) - 形容詞的用法: 血まみれの、血がついた
例) “He had a bloody shirt after the accident.”(彼は事故の後、血まみれのシャツを着ていた)
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: あまり使いません。文書や公的なスピーチでは避けるのが一般的。
- カジュアル: 口語で使われますが、聞き手によっては不快感を与える可能性があるため注意。イギリスでは軽めのタブー語として定着しており、アメリカではやや乱暴に聞こえることが多いです。
文法上のポイント
- 「bloody」は可算・不可算とは関係ありませんが、形容詞として名詞を修飾するとき、または副詞として形容詞や動詞を修飾するときに使えるという点がポイントです。
5. 実例と例文
日常会話(日常的でカジュアルな場面)
- “It’s bloody hot in here, isn’t it?”
(ここ、めちゃくちゃ暑いよね?) - “I’m so bloody tired after that workout.”
(あの運動の後で、死ぬほど疲れたよ。) - “That was a bloody good movie!”
(あれはめちゃくちゃいい映画だったね!)
ビジネス(やや砕けた会話や同僚同士など、場面により注意)
- “I’m bloody impressed with the sales results this quarter.”
(今期の売上結果には本当に驚かされたよ。)
- ※ ただし上司やフォーマルな場では避けるのが無難。
- ※ ただし上司やフォーマルな場では避けるのが無難。
- “We have a bloody tight deadline, so let’s get started.”
(ものすごく厳しい締め切りだから、早速始めよう。) - “That idea is bloody brilliant—let’s pitch it at the meeting.”
(そのアイデアはすごく素晴らしいね。会議で提案しよう。)
学術的な文脈(あまり推奨されないが、あえてカジュアルに強調する場合)
- “This theory is bloody complicated, but I’ll try to break it down.”
(この理論はとても複雑だけど、分解して説明してみるよ。) - “The data indicates a bloody significant correlation.”
(そのデータからは、非常に有意な相関が見られる。)
- ※ 学術論文や正式なプレゼンでは不適切になりやすい表現。
- ※ 学術論文や正式なプレゼンでは不適切になりやすい表現。
- “Analyzing these statistics was bloody tough!”
(これらの統計を分析するのはとても大変だった!)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (副詞的用法)
- very(とても)
- 最も一般的な強調表現で、フォーマルでも使用可能。
- 最も一般的な強調表現で、フォーマルでも使用可能。
- really(本当に/すごく)
- ややカジュアルだが、多くの場面で使える。
- ややカジュアルだが、多くの場面で使える。
- extremely(極端に)
- フォーマルでも使えるが、やや硬い印象。
- フォーマルでも使えるが、やや硬い印象。
- awfully(ひどく)
- 否定的なニュアンスを強調するときに使う。
類義語 (形容詞的用法)
- gory(血なまぐさい)
- 暴力的な場面や血の多い映画・事件などを表現する際に使うややフォーマル寄りの語。
- 暴力的な場面や血の多い映画・事件などを表現する際に使うややフォーマル寄りの語。
- bloodstained(血に染まった)
- 血で染まった状態をより直接的に表す。
反意語
- (直接的な反意語はありませんが、血がついていない・清潔な状態を表すなら“clean”や“bloodless”などが対照的)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈblʌd.i/
- アクセント: 最初の “bl” の部分が強勢されます(
BLUHD-ee
のようなイメージ)。 - アメリカ英語とイギリス英語の違い: ほとんど大きな違いはありませんが、イギリス英語の方が「bloody」という語を強調表現として多用する傾向があり、アメリカではやや古風あるいはイギリス的な表現として捉えられる場合があります。
- よくある間違い: “bloddy” や “bluddy” のようにスペルを間違えるケース。口では「ブラディ」に近い音なので、
u
を入れてしまうミスなどに注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “bloody” の “oo” を “u” と書いてしまう。
- 不適切な場面での使用: 目上の人やフォーマルな場面で使うと失礼にあたることがある。
- 強調の仕方: アメリカ英語の感覚だとやや乱暴に聞こえるため、誤解を招かないよう注意。
- 試験対策: TOEICや英検などのビジネス/アカデミック寄りの試験では、あまり用いられる単語ではありません。ただしリスニングや読解で出てくる可能性はあるので「乱暴な強調表現」というニュアンスを押さえておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “blood”+“-y”で「血まみれの」からの連想 → 強いイメージによって「やたら強調する表現」へ変化。
- 「ブ・ラ・ディ」という音をイメージして、少し乱暴さを伴う雰囲気を思い出す。
- イギリス映画やドラマのセリフを聞くと印象に残りやすい。たとえば「Harry Potter」シリーズのロンのセリフなどで耳にしたことがある人も多いかもしれません。
- フォーマル/インフォーマルをしっかり意識。「使う場面を選ぶ強調語」という点を頭に入れると、誤用を避けやすくなります。
以上が副詞「bloody」の詳細解説となります。カジュアルシーンではよく耳にする表現ですが、失礼や誤解を招く恐れもあるので注意しながら使ってみてください。