最終更新日:2024/06/14
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元となった辞書の項目

though

副詞

~だけれども,~だけど,そうは言うものの(however),でも,しかし,しかしながら,だけども,やっぱり

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解説

1. 基本情報と概要

単語: though

品詞: 副詞・接続詞(主に副詞的に使われる場合を中心に解説します)

CEFRレベルの目安: B1(中級)


  • ある程度英語に慣れた学習者が、より自然な会話表現を習得する際に登場しやすい単語です。

意味(英語・日本語)


  • 英語: though = “however,” “despite that,” “nevertheless”

  • 日本語: 「しかしながら」「~ではあるけれど」「それでもなお」


    • たとえば、「I like it, though.(それでも好きだよ)」のように、前の文に対して「でも」「だけどね」というニュアンスで付け加えたい時に使われます。カジュアルな会話では文章の最後につけることが多い単語です。


活用形


  • 「though」は副詞・接続詞として形が変化しないため、活用形はありません。

他の品詞になった時の例


  • 「although」(接続詞): 「~だけれども、~とはいえ」

    ※ “although” の方が文章中でよりフォーマルに使われる傾向があります。


2. 語構成と詳細な意味

語構成: 特に接頭語・接尾語が付かない単語です。短い一語で出来上がっており、派生形 “although” や “even though” などがあります。

よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)


  1. “It’s nice, though.”


    • (それでも、いいじゃん。/でもいいね。)


  2. “Strange as it may seem, though…”


    • (奇妙に思えるかもしれないけれども……)


  3. “I want to go, though.”


    • (でも行きたいなあ。)


  4. “They said it was expensive, though we decided to buy it.”


    • (高いと言われたが、それでも買うことにした。)


  5. “He looks happy, though.”


    • (彼はでも、幸せそうだよ。)


  6. “She was tired, though she kept working.”


    • (彼女は疲れていたが、それでも仕事を続けた。)


  7. “You’re right, though I still disagree on some points.”


    • (君の言うことは正しいと思うけど、それでもいくつかは反対だ。)


  8. “I’ll help you, though I’m busy.”


    • (忙しいけど、手伝うよ。)


  9. “He apologized, though a bit too late.”


    • (彼は謝ったけど、ちょっと遅すぎたね。)


  10. “It’s not easy, though. Are you sure you want to try?”


    • (そう簡単じゃないよ。それでもやりたいの?)



3. 語源とニュアンス

語源:


  • 古英語の “thēah” に由来し、“although” や “even though” と同じ系統を持っています。意味としては「それにもかかわらず」を表し、古くからの英語表現です。

ニュアンス:


  • 会話の最後につける “though” は、英語圏の話し言葉で非常に頻繁に使われます。

  • 文中・文末の “though” は、「だが」「けど」という軽めの逆説や追加のニュアンスを運ぶため、口語的でややカジュアル。

  • 文章・文頭で使う場合(Conjunctionとして “Though 〜” の形)は、ややフォーマルにもなり得ます。

使用時の注意点:


  • あまりにカジュアルすぎるとき、正式な文書や論文などでは “however” を使った方が好まれることがあります。

  • カジュアルな場面(会話やメッセージのやりとりなど)ではしばしば文末に「..., though.」と付け加える形が自然です。


4. 文法的な特徴と構文


  1. 副詞として文末や文中で


    • “It looks difficult, though.” (難しそうだね、でも。)

    • 副詞的な “though” は口語表現として親しみやすい。


  2. 接続詞として文頭や文中で


    • “Though I was tired, I went to the party.” (疲れていたが、パーティーに行った。)

    • この用法では、“Although” や “Even though” との置き換えも可能。


フォーマル / カジュアル


  • フォーマル: “Although” を多用しがち。

  • カジュアル: “though” を文末や文中に入れるのがよく見られる。

可算・不可算・他動詞・自動詞 など


  • “though” はそもそも副詞・接続詞であり、名詞や動詞とは異なるので特に可算・不可算/自動詞・他動詞の区別はありません。


5. 実例と例文

(1) 日常会話での例文


  1. “I’m so tired. I still have to do my homework, though.”


    • (すごく疲れてる。だけど宿題はまだやらなきゃいけないんだ。)


  2. “That cake was too sweet for me. It was pretty, though.”


    • (あのケーキは私には甘すぎたけど、見た目はきれいだったよ。)


  3. “You don’t have to come, though. I can handle it by myself.”


    • (無理に来なくていいよ。自分で何とかできるから。)


(2) ビジネスシーンでの例文


  1. “We have limited time. We can still finish the project on schedule, though.”


    • (時間が限られていますが、それでも予定通りプロジェクトを終わらせることはできます。)


  2. “Though the budget is tight, we managed to secure additional funding.”


    • (予算が厳しいにもかかわらず、追加の資金を確保できました。)


  3. “It was a challenging negotiation. We reached an agreement, though.”


    • (厳しい交渉でしたが、それでも合意に至りました。)


(3) 学術的/フォーマルな文脈での例文


  1. “Though previous research has highlighted this issue, further study is required.”


    • (先行研究がこの問題を強調しているが、さらなる研究が必要である。)


  2. “The findings are significant. Their scope is somewhat limited, though.”


    • (その発見は重要である。しかしながら、その範囲はやや限定的である。)


  3. “Though many scholars have debated this concept, consensus remains elusive.”


    • (多くの学者がこの概念について議論してきたが、いまだに合意は得られていない。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語


  1. “However”(しかしながら)


    • よりフォーマルで文章で頻繁に使う。文頭や文中で “However, …” の形が多い。


  2. “Nevertheless”(それにもかかわらず)


    • フォーマル。書き言葉に特に多用され、堅めの印象。


  3. “Still”(それでも)


    • 口語・文語どちらでも使えるが、意味合いとしては「なお、やはり」。


  4. “Even so”(たとえそうでも)


    • 話し相手の主張に対して「そうだとしても」のニュアンス。


  5. “Yet”(しかし)


    • 短く、文学的な響きがあり、ときに強調効果が強い。


反意語


  • “Therefore” (それゆえに)


    • 論理的につながりを示す逆方向の単語として挙げられるが、“though” の直接的な反意語ではありません。「逆説」対「結果・結論」の関係として捉えられます。



7. 発音とアクセントの特徴


  • 発音記号(IPA):


    • アメリカ英語: /ðoʊ/

    • イギリス英語: /ðəʊ/


  • 強勢(アクセント):


    • “though” は一音節の単語なので、特に内部分割はありませんが、 /ð/ の発音、続く母音 /oʊ/ /əʊ/ をはっきり発音するよう注意が必要です。


  • よくある間違い:


    • /θ/ と /ð/(無声音・有声音)が混同されがちなので要注意。歯と舌の位置を意識しましょう。



8. 学習上の注意点・よくある間違い


  • スペルミス: “though” と “thought” を間違いやすい。


    • “thought” は「考えた(think の過去・過去分詞形)」や「考え(名詞)」で、意味が違います。


  • “though” と “through” はつづりが似ているため注意。


    • “through” は「通り抜けて」という意味の前置詞または副詞。


  • 文末に “..., though.” をつける使い方は非常にカジュアルである一方、TOEIC や英検などの選択肢としても見かけることがあるため、「逆接を表す副詞・接続詞」というポイントを押さえておくことが大切です。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “though” の発音と “door” の最初の音 “d” を合体したイメージ

    /ð/ は下を歯の間に軽く出して「ズ」のように発音する。

  • 綴りの最後「gh」は発音しない ことに注意し、「ソウ」や「ゾウ」程度に覚えておくと混乱が少ないです。

  • 文末で「〜, though.」とドライに付け加えるイメージを頭において置くと、自然な話し方ができるようになります。


以上が、副詞・接続詞としての “though” の詳細な解説です。日常会話からビジネス、フォーマルな文脈まで幅広く使われる逆接の重要表現ですので、他の英語表現(especially “although,” “however,” “nevertheless”)と使い分けながら活用してみてください。

意味のイメージ
though

英和例文問題 / 準上級英単語(CEFR-J B2)

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