元となった辞書の項目
revenge
動詞
〈受けた危害・悔辱など〉‘に'『復讐』(ふくしゅう)『する』;〈人〉‘の'仇(あだ)を討つ / 行為・言葉に対する人への)復讐(あくしゅう),仕返し;復讐心《+『on』(『upon』)+『名』〈人〉+『for』+『名』〈行為・言葉〉》
解説
以下では、動詞としての “revenge” をできるだけ詳細に解説していきます。英語学習者にとっては少しレアな使い方ですが、知識として持っておくと文章読解などで役立ちます。
1. 基本情報と概要
英語での意味
- “to revenge (oneself on someone)”: 自分に害を与えた相手に対して報復(復讐)する
日本語での意味
- 「復讐する」「仕返しをする」という意味です。
「誰かから受けた被害などに対して、同じようなやり方でやり返す」というニュアンスがあります。
ただし、英語では“avenge”のほうが動詞として一般的で、“revenge”を動詞として使うのはやや古風・文語的です。
品詞
- 動詞(ただし現代では主に名詞として使われる“revenge”のほうが頻出)
活用形
- 現在形: revenge
- 三人称単数現在形: revenges
- 現在分詞・動名詞: revenging
- 過去形: revenged
- 過去分詞: revenged
他の品詞形
- 名詞: revenge(もっとも一般的)
例: “He wanted revenge for his defeat.”(彼は敗北の仕返しを望んでいた) - 形容詞形は直接の派生語はありませんが、“revengeful”という形容詞(復讐心を持った)は存在します。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
- 「基本的な会話は理解できるが、より文学的または文語的な表現を学んでいく段階」というイメージです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: “re-”(再び、元に戻す などのニュアンス)
- 語幹: “venge”
※ もともとは “avenge” “revenge” “vengeance” などで共通する “venge” はラテン語起源で、「復讐を正当化する、権利を主張する」というニュアンスを含んでいます。
関連語
- “avenge” (動詞): (正義感や道義的な観点から)報復する
- “vengeance” (名詞): 復讐、報復
- “revengeful” (形容詞): 復讐心に燃えた
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(動詞としては稀ですが、名詞の形も含めて10個)
- “revenge oneself on someone” (誰かに復讐する)
- “seek revenge” (復讐を求める)
- “take (one’s) revenge” (復讐を遂げる)
- “desire for revenge” (復讐心)
- “revenge plot” (復讐計画)
- “sweet revenge” (甘い復讐)
- “revenge mission” (復讐の任務/使命)
- “revenge fantasy” (復讐幻想)
- “get revenge on someone” (誰かに仕返しをする)
- “revenge spree” (延々と続く復讐行為)
3. 語源とニュアンス
- “revenge”はラテン語の“vindicare”から派生し、中世フランス語を経由して英語に入ってきたと考えられています。
- 古英語や中世以降の文学では動詞として “to revenge” が多く見られますが、現代英語ではやや文語的・古風な印象を与えます。
- 感情面では強い怒りや報復心を伴うニュアンスがあり、カジュアルな場面よりは劇的・物語的な文脈で使われることが多いです。
- 口語で使うよりも、小説や歴史的文書、戯曲などで目にする可能性が高い単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 動詞としては他動詞で使われ、目的語をとります。
例: “He revenged his father’s murder.” - 一方で、再帰代名詞を使った表現(“revenge oneself”)もあります。
例: “He revenged himself on the traitor.”
フォーマル / カジュアル
- 現代ではフォーマルというより、やや古風・文語的な響きがあります。
- カジュアルな日常会話では “avenge” や “get back at someone” のほうが自然です。
5. 実例と例文
ここでは、文脈別に3つずつ例文を示します。動詞としての用法はレアですので、参考にしてください。
① 日常会話
- “He joked that he would revenge his stolen bicycle by locking the thief’s bike.”
(彼は、盗まれた自転車のお返しに泥棒の自転車に鍵をかけてやると冗談を言った。) - “I wouldn’t bother to revenge the minor prank; it’s not worth it.”
(些細ないたずらに仕返しするつもりはないよ。そんな価値はないから。) - “She said she’d eventually revenge herself on those who doubted her.”
(彼女は、いつか自分を疑った人たちに仕返ししてやると言っていた。)
② ビジネスシーン
(ビジネスメールや会議など、実際には動詞としてはあまり使われませんが、文書表現の一例として)
- “The company sought to revenge the unfair practices of its competitor through legal means.”
(その会社は、ライバル企業の不当行為に対して法的手段で報復しようとした。) - “We do not believe in revenging unmet contractual obligations; we prefer negotiation.”
(我々は契約未履行に対して報復することをよしとはせず、交渉を好みます。) - “Although he had the right to revenge the breach, he chose to settle out of court.”
(彼にはその違反行為に報復する権利があったが、示談を選択した。)
③ 学術的・文語的な文脈
- “In Shakespeare’s plays, characters often seek to revenge perceived slights or betrayals.”
(シェイクスピアの戯曲では、登場人物が侮辱や裏切りと思われる行為に対し、しばしば復讐を企てる。) - “The epic story narrates how the hero revenged his people’s suffering on the invading army.”
(その叙事詩は、英雄が侵略軍に対して民の苦しみの報復をした様子を描いている。) - “He was portrayed as a tragic figure, destined to revenge the wrongdoing at any cost.”
(彼は、どんな犠牲を払っても不正に復讐する運命を背負った悲劇的な人物として描かれていた。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “avenge” (報復する)
- 正義感や道義的観点からの報復を強調。「世のため」「正義のため」にやり返すイメージ。
- 例: “He swore to avenge his brother’s death.”
- 正義感や道義的観点からの報復を強調。「世のため」「正義のため」にやり返すイメージ。
- “retaliate” (仕返しする)
- 同程度の仕返しをするイメージ。ややカジュアル・日常的。
- 例: “She retaliated with a scathing email.”
- 同程度の仕返しをするイメージ。ややカジュアル・日常的。
- “get back at someone” ((口語で)仕返しする)
- 口語表現。カジュアルで直接的。
- 例: “He’s plotting to get back at his friend for the prank.”
- 口語表現。カジュアルで直接的。
反意語
- “forgive” (許す)
- “pardon” (赦免する/許す)
- “excuse” (大目に見る)
“revenge”は「報復(マイナスの感情)」を伴う単語ですので、許し・寛容などの単語が対照的な関係にあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /rɪˈvendʒ/ (アメリカ英語・イギリス英語ともほぼ同じ)
- アクセント(強勢)は第2音節の “-venge” に置かれます (re-VENGE)。
- ただし、イギリス英語では /rɪˈvɛndʒ/、アメリカ英語でも /rɪˈvɛndʒ/ とほぼ同じ音です。大きな違いはありません。
- “revenge” の “re-” はあまり強くならず、語尾 “-venge” をはっきりと発音するのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “revange” と綴ってしまうミスがあるので注意(正しくは “revenge”)。
- “revange” と綴ってしまうミスがあるので注意(正しくは “revenge”)。
- “revenge” と “avenge” の混同
- 動詞として一般的なのは “avenge” なので、試験問題や文章において “revenge” 動詞形を見たら特に注意して読みましょう。
- 動詞として一般的なのは “avenge” なので、試験問題や文章において “revenge” 動詞形を見たら特に注意して読みましょう。
- 試験での出題傾向
- TOEICや英検では名詞の “revenge” は頻出しますが、動詞用法はそれほど出ません。ただし読解問題で動詞として出てくることもあるので、文脈で判断しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “re-” は「再び(again)」という意味、そして “venge” は「報復(正義を回復する)」の感覚があると覚えるとよいです。
- “avenge” が「[義を]もって報復する」と少し正義感を伴うイメージなのに対し、“revenge” は「個人的な恨みによる仕返し」のイメージだと理解すると区別しやすくなります。
- 映画やドラマで「I’ll get my revenge!(仕返ししてやる)」というフレーズはよく聞くので、そこからイメージを固めやすいでしょう。
- 動詞としてはやや古風なので、「文学作品や歴史的文脈、劇的な台詞で使われる」と押さえておくと記憶に残りやすいです。
以上が、動詞としての “revenge” の詳細解説です。現代では名詞用法が主流で、動詞形は文語的・古風な響きがあるため、実際の会話やビジネス文章では “avenge” や “get back at〜” のほうがよく使われます。とはいえ、文学・歴史的作品などに触れる際には目にする場合もあるので、ぜひ参考にしてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈受けた危害・悔辱など〉‘に'復讐(ふくしゅう)する;〈人〉‘の'仇(あだ)を討つ
意味(2)
行為・言葉に対する人への)復讐(あくしゅう),仕返し;復讐心《+on(upon)+名〈人〉+for+名〈行為・言葉〉》