permeate
…‘に'しみ通る, 浸透する / 〈煙などが〉…‘に'広がる,いっぱいになる;〈思想などが〉…‘に'広がる,普及する / (…に)しみ渡る《+『through』(『in, into』)+『名』》 / 〈煙・思想などが〉(…に)広がる,普及する《+『through』(『throughout, among』)+『名』》
1. 基本情報と概要
英単語: permeate
品詞: 動詞 (他動詞/自動詞)
意味 (英語):
・to spread or flow throughout; to pass through the pores or interstices of something
意味 (日本語):
・「しみ込む」「浸透する」「行き渡る」という意味です。
・物質や感情、考え方などが、ある範囲や内部を完全に満たしたり通過したりするときに使われます。
「液体が布にしみ込む」「文化やアイデアが社会に広がる」というように、何かが徐々に全体に行き渡っていくイメージの単語です。文脈に応じて、抽象的にも具体的にも用いられます。
活用形:
- 現在形: permeate
- 過去形: permeated
- 過去分詞形: permeated
- 現在分詞形: permeating
- 三人称単数現在形: permeates
ほかの品詞形:
- 名詞: permeation (浸透、普及)
- 形容詞: permeable (通り抜けられる、浸透性の)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
・やや専門的な文章や抽象的な表現にもよく出てくる語であるため、中上級者向けと言えます。
2. 語構成と詳細な意味
- per- (接頭辞): 「通り抜けて」「完全に」という意味を持つ接頭辞です。
- meate: ラテン語の “meare”(通る、行く)の派生形。
この「per-」と「meare」が組み合わさり、「完全に通り抜ける」「隅々まで行き渡る」といった意味合いを持つようになっています。
派生語・類縁語など
- impermeable (形容詞): 浸透しない、通さない
- permeable (形容詞): 浸透性のある、通りやすい
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- permeate the air
(空気中に広がる) - permeate the fabric
(布にしみ込む) - permeate society
(社会に行き渡る) - permeate one’s thoughts
(考えに深く根付く) - permeate the atmosphere
(雰囲気を満たす) - a scent permeates the room
(香りが部屋に漂う) - an idea that permeates culture
(文化に浸透する考え) - permeate boundaries
(境界を超えて行き渡る) - permeate every aspect
(あらゆる側面にしみ込む) - permeate the pores
(穴や隙間を通る・しみ込む)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語の “permeare” が由来です。
- 「per- (通して) + meare (行く)」から、あらゆる部分を通って広がるイメージが生まれました。
微妙なニュアンス・使用時の注意点:
- 「物理的に液体や空気などがしみ込む」という具体的な文脈でも、「考え方や空気感が組織や社会に浸透する」という抽象的な文脈でも使われます。
- ややフォーマルな響きがあり、ビジネス文書やアカデミックな文脈でもよく使われます。カジュアルな会話でも意味が通じますが、「spread」など他の単語で言い換えられることも多いです。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞/自動詞としての使い分け:
他動詞として使う場合
- 目的語を直接とり、「~を浸透させる」「~に行き渡る」の意味があります。
例) The smell permeated the entire building.
- 目的語を直接とり、「~を浸透させる」「~に行き渡る」の意味があります。
自動詞として使う場合
- 「浸透する」「広がる」という意味で、目的語を直接取らずに使われます。
例) The fragrance gradually permeated through the air.
- 「浸透する」「広がる」という意味で、目的語を直接取らずに使われます。
イディオムや構文の例:
- “permeate through/into” ~: 「~を通して浸透する、~の中にしみ込む」
例) The rainwater permeated into the porous rock.
フォーマル/カジュアル
- 一般的に、少しフォーマルか学術的な場面での使用頻度が高いです。
5. 実例と例文
ここでは、日常会話・ビジネス・学術的な文脈などでの例文を挙げます。
(1) 日常会話
- “I love how the smell of freshly baked bread permeates the house in the morning.”
(朝、焼きたてのパンの香りが家中にしみ渡るのがいいよね。) - “When I cook curry, the spices seem to permeate all my clothes.”
(カレーを作ると、スパイスの香りが服にまでしみ込んでしまうんだ。) - “The feeling of excitement permeated the crowd at the concert.”
(コンサートでは、興奮が観客全体に広がっていたよ。)
(2) ビジネス
- “Our CEO’s vision has permeated every department in the company.”
(CEOのビジョンが、会社のあらゆる部署に浸透しています。) - “We need to create a culture that permeates innovation at all levels.”
(全ての階層でイノベーションが浸透するような企業文化を作る必要があります。) - “Over time, these best practices began to permeate into everyday operations.”
(時が経つにつれ、これらのベストプラクティスは日常業務に浸透し始めました。)
(3) 学術的
- “The researcher examined how certain pollutants permeate the soil over time.”
(研究者は特定の汚染物質がどのように土壌に時間をかけて浸透するかを調査しました。) - “Marx’s ideas have permeated various fields of social science.”
(マルクスの思想は社会科学のさまざまな分野に影響を及ぼしました。) - “The concept of sustainability has permeated modern environmental policy.”
(持続可能性の概念は現代の環境政策の中に広く行き渡っています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- spread(広がる)
- 「spread」はより一般的な単語で、物理的にも抽象的にも「広がる」という意味を指す。必ずしも「しみ込む」ニュアンスは強調されない。
- 「spread」はより一般的な単語で、物理的にも抽象的にも「広がる」という意味を指す。必ずしも「しみ込む」ニュアンスは強調されない。
- penetrate(貫通する、奥まで入り込む)
- 「penetrate」は「貫通する」「突き抜ける」といった、より強いイメージ。狭い障壁を突破するように入り込むニュアンスがある。
- 「penetrate」は「貫通する」「突き抜ける」といった、より強いイメージ。狭い障壁を突破するように入り込むニュアンスがある。
- diffuse(拡散する)
- 「diffuse」は、ガスや光などが「拡散する」という理科的・科学的ニュアンスが強い。
- 「diffuse」は、ガスや光などが「拡散する」という理科的・科学的ニュアンスが強い。
- saturate(飽和させる、すっかり満たす)
- 「saturate」は液体などで完全に満たすイメージ。「濃度いっぱいまでしみ込ませる」ニュアンスがある。
反意語
- contain(封じ込める)
- 「何かが外に広がらないようにする」イメージなので、「浸透する・広がる」の正反対。
- 「何かが外に広がらないようにする」イメージなので、「浸透する・広がる」の正反対。
- repel(寄せつけない)
- 「しみ込むことを防ぐ」「はじく」ニュアンスで、permeate とは対極的。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- アメリカ英語: /ˈpɝː.mi.eɪt/
- イギリス英語: /ˈpɜː.mi.eɪt/
アクセントの位置:
- 第1音節 “per” に強勢がきます: PER-me-ate
よくある発音の間違い:
- /per-me-ate/ のリズムを意識しましょう。まれに日本語カタカナ読みで「パーミエイト」となることがありますが、正しい音節の取り方に注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “permeate” の “e” の位置を誤って “permiate”と書いてしまう初学者がいます。
- 同音異義語は特にありませんが、「permit (許可する)」や「permanent (永久の)」などと混同しないように注意してください。
- TOEICや英検といった試験でも、より難易度の高い文脈(ビジネス文章や科学論文など)で出題される可能性があります。文脈次第で意味が抽象的になるのでしっかり覚えておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「per-」は「完全に」「通り抜けて」という接頭辞と関連づけて覚えるとよいです。
- 「meate」はライトに「メート」と読むイメージで、「道を行く (meare)」→「隅々まで通り抜ける」の連想をすると覚えやすいです。
- 「パーミエイト」という音の響きから、「パーッと広がって、‘ミエ(見え)る’ところまで全部浸透する」とイメージするのも手かもしれません。
以上が動詞 “permeate” の詳細な解説です。液体やガスのように物理的に浸透するイメージでも、アイデアや感情が広く普及するイメージでも、ややフォーマルなニュアンスを保ちつつ、幅広い場面で使えますのでぜひ活用してみてください。
…‘に'しみ通る, 浸透する
(…に)しみ渡る《+through(in, into)+名》
〈煙・思想などが〉(…に)広がる,普及する《+through(throughout, among)+名》
〈煙などが〉…‘に'広がる,いっぱいになる;〈思想などが〉…‘に'広がる,普及する