元となった辞書の項目
infringement
解説
1. 基本情報と概要
単語: infringement
品詞: 名詞 (countable noun)
活用形: infringement(単数形)、infringements(複数形)
- 英語の意味: An act of breaking a rule, law, or agreement; a violation.
- 日本語の意味: 規則や法律、合意などを破る行為、違反、侵害。
「infringement」は、法的または規則上のルールを破るときに使われます。特に法律・契約などを破った場合に「違反・侵害」というニュアンスで使われるフォーマルな単語です。ビジネスや法律の場面でよく見られます。
- 他の品詞への変化例:
- 動詞: infringe (infringe on/upon something の形で「~を侵害する」)
- 形容詞: infringing (形容詞形はあまり一般的ではありませんが、「侵害している」という意味で使われることがあります)
- 動詞: infringe (infringe on/upon something の形で「~を侵害する」)
CEFRレベル: C1(上級)
法律関係の文書や公的な書き言葉でよく使われるため、上級者向けの単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: infringe
- 接尾語: -ment(動詞が名詞になるときに付く接尾語)
派生語・関連語
- infringe (動詞): 侵害する、違反する
- infringer (名詞): 侵害者、違反者
- non-infringement (名詞): 非侵害
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- copyright infringement(著作権侵害)
- patent infringement(特許侵害)
- infringement of rights(権利侵害)
- trademark infringement(商標侵害)
- infringement claim(侵害申立て)
- infringement lawsuit(侵害訴訟)
- infringement action(侵害行為)
- detect an infringement(侵害を検出する)
- major/minor infringement(重大/軽微な侵害)
- alleged infringement(侵害が疑われる行為)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「infringe」はラテン語の“infringere”に由来し、「壊す・打ち砕く」という意味から派生しています。
- 英語では16世紀頃から「法や規則などを破る」という意味で使われるようになりました。
使用上の注意点・ニュアンス
- 法的な文脈や、公式な書き言葉で使われることが多いです。
- “infringement”は「侵害された側」に焦点が当たることが多く、当事者が受ける権利や利益の損害を強調します。
- 口語よりもフォーマルな書き言葉(法律文書、契約書、学術文献など)でよく用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- “infringement”は可算名詞です。
- A single infringement (単数)
- Multiple infringements (複数)
- A single infringement (単数)
- 主に「infringement of 規則・権利」や「infringement on/upon 権利」の形で使われます。
- 法的な文章では “In the event of any infringement of this agreement…” のように使われるケースが典型的です。
イディオムや定型表現
- “an infringement on one’s privacy” (プライバシーの侵害)
- “be liable for infringement” (侵害の責任を負う)
フォーマル/カジュアル
- 明らかにフォーマルな場面で使う単語です。日常会話では「違反」なら “violation” などもう少し平易な語が使われることが多いです。
5. 実例と例文
5.1 日常会話での例文 (フォーマルな内容を会話で述べる場合)
- “I heard there’s been an infringement of the club’s new safety rules.”
- 「クラブの新しい安全規則に違反があったって聞いたよ。」
- 「クラブの新しい安全規則に違反があったって聞いたよ。」
- “They accused him of infringement on their privacy by recording the meeting.”
- 「彼らは会議を録音したことで、プライバシーを侵害されたと非難したんだ。」
- 「彼らは会議を録音したことで、プライバシーを侵害されたと非難したんだ。」
- “I’m worried about possible infringements if we post that video online.”
- 「あの動画をオンラインにアップしたら、何かの侵害になるんじゃないかと心配してる。」
5.2 ビジネスでの例文
- “Our company has filed a lawsuit for trademark infringement against the competitor.”
- 「当社は競合他社に対して商標侵害の訴訟を起こしました。」
- 「当社は競合他社に対して商標侵害の訴訟を起こしました。」
- “We must ensure no infringement of patent rights occurs during the development process.”
- 「開発過程において特許権の侵害が起こらないよう、徹底的に確認しなければなりません。」
- 「開発過程において特許権の侵害が起こらないよう、徹底的に確認しなければなりません。」
- “Any infringement of the contract terms will lead to immediate termination.”
- 「契約条件への違反は、即時解除につながります。」
5.3 学術的・法律文脈での例文
- “Legal scholars have debated the scope of infringement in digital copyright cases.”
- 「法学者たちは、デジタル著作権事件における侵害の範囲について議論を重ねている。」
- 「法学者たちは、デジタル著作権事件における侵害の範囲について議論を重ねている。」
- “Infringement of human rights remains a serious issue worldwide.”
- 「世界的に見ても、人権侵害は依然として深刻な問題である。」
- 「世界的に見ても、人権侵害は依然として深刻な問題である。」
- “The court must determine whether there was an infringement of the plaintiff’s intellectual property.”
- 「裁判所は、原告の知的財産が侵害されたかどうかを判断しなければならない。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- violation(違反)
- 「規則・法律を破る行為」全般に使われる。違反のニュアンスが広い。
- 「規則・法律を破る行為」全般に使われる。違反のニュアンスが広い。
- breach(違反、破棄)
- 法的契約、約束などを破る行為に多用される。
- 法的契約、約束などを破る行為に多用される。
- contravention(違反、抵触)
- 多くの場合、法規や規約に正式に违反する意味で使われる、フォーマル度が高い。
- 多くの場合、法規や規約に正式に违反する意味で使われる、フォーマル度が高い。
反意語 (Antonyms)
- compliance(遵守): 規則や法律を守ること。
- observance(遵守): 法律や習慣を守ること。
使い分けのポイント
- “infringement”は主に法的権利や知的財産に対して使われがち。
- “violation”はどんな規則や法律でも広く使える。
- “breach”は契約関係の文脈で特に用いられる。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ɪnˈfrɪndʒ.mənt/
- アメリカ英語: [ɪn-ˈfrɪndʒ-mənt]
- イギリス英語: ɪn-ˈfrɪndʒ-mənt
- アメリカ英語: [ɪn-ˈfrɪndʒ-mənt]
- 強勢(アクセント): “in-FRINGE-ment” の「fringe」にアクセント。
- よくある間違い(発音): “infringement” を “enfringement” と間違えて言うケースがあるので、「in-」をしっかり意識して発音しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “infridgement” “enfringement” など、r や n の位置を間違えることが多い。
- 用法の混同: “infringement” と “violation” はほぼ似た意味ですが、法律・著作権・権利関連の文脈では“infringement”がより正式。
- 試験対策: TOEICや英検などで、契約書や法的文脈に関する長文読解問題で出題されることがある。特に“copyright infringement”などが頻出表現だったりします。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “infringe” + “-ment” = 行為の状態や結果を表す名詞。「in-」の部分をしっかり覚えるようにしましょう。
- イメージ: 「枠線(line)を壊して(break)中に入り込む」→ルールや権利を侵す。
- スペルを覚えるときは “in-FRINGE-ment” のように区切りを意識して、 “fringe” の部分を強調するのもコツです。
以上が名詞 “infringement” の詳細解説になります。法的なシーンでよく見かけるフォーマルな単語ですので、企業の契約書や著作権関連の記事などでは特に意識して覚えておくと便利です。
意味のイメージ
意味(1)
(法律・規約・商標・版などに対する)侵害,違反