hover
〈鳥・ヘリコプターなどが〉空に浮かぶ;(…の上を)舞う《+about(above, over)+名》 / 〈人などが〉(…の周辺を)うろつく,(…に)つきまとう《+about(around, near)+名》 / (…の間の)さまよう,ぐらつく《+between+名》
以下では、英単語「hover」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: hover
品詞: 動詞 (主に自動詞)
意味 (英語)
- To remain in one place in the air, especially by quickly moving the wings (for birds or insects).
- To stay in or near one place, waiting or in an uncertain state.
- (Of a cursor or pointer, especially on a computer screen) to remain or linger over an item.
意味 (日本語)
- 空中にとどまっている、または空中で静止している動きをする。鳥や昆虫が羽ばたいているイメージです。
- 特定の場所付近をうろうろして離れず、様子をうかがうように動くことや、決めきれない状態にとどまるときに使います。
- (マウスカーソルなどが) あるアイコンやボタンの上に来たまま、しばらく動かない状態。
「空中や同じ場所に“ふわっと”とどまり続ける」というニュアンスです。日常でも「ハチが頭の周りをホバリングしている」と言ったり、パソコン用語で「画像にカーソルをホバーさせる」と使います。
活用形
- 現在形: hover / hovers (三人称単数)
- 現在進行形: hovering
- 過去形: hovered
- 過去分詞形: hovered
他の品詞形
- 名詞形 (まれ): hover (例: “He is in a hover above the rest.” はあまり一般的ではありませんが、詩的表現などで使われることがあります)
- 形容詞形や副詞形は特に一般的ではありません。
CEFRレベルの目安
- B2: 中上級
- 空中に留まる・上をうろつくなどの抽象的なイメージを持つ単語であり、日常会話や文章でも見かける可能性がありますが、初級レベルでは学習しないことが多いです。
2. 語構成と詳細な意味
「hover」は、特に接頭語・接尾語を含まない単語ですが、以下のような派生語や関連語があります。
- hovercraft: 空気のクッションによって地上・水上を浮いて移動する乗り物(ホバークラフト)
- hoverboard: バランスを取って移動する二輪の電動乗り物など(近未来的なイメージのホバーボード)
主なコロケーション(関連表現・フレーズ10選)
- hover around (~の周囲をうろうろする)
- hover above (~の上に浮かんでいる)
- hover over (~の上に覆いかぶさるように滞在する)
- hover near (~の近くで待機する)
- hover moment (決断を下せないために足踏みする瞬間)
- mouse cursor hover (マウスカーソルが上に留まる状態)
- hover in the background (背景にいて様子を見守るようす)
- hover in the air (空中に浮かぶ)
- hover over one’s shoulder (そばでじっと見ている、監視する)
- hover between (選択や感情などで迷い、どちらつかずの状態)
3. 語源とニュアンス
語源
「hover」は中英語の “hoveren” が形を変えたもので、「揺れ動く」「うろうろする」といった動きを指す言葉に由来しています。もとは鳥が羽ばたいて空中にとどまる様子に使われました。
ニュアンスや使用時の注意点
- 物理的な動作: 鳥や昆虫、ヘリコプターやドローンなどが「じっと空中にとどまる」イメージ。
- 抽象的な動作: 何かが決定できずに迷っている、あるいは人がそばでうろうろしている ようなニュアンスがあります。
- PC用語: マウスカーソルをアイコンやボタンの上で止めて情報を表示させる場面などで頻出。
- 口語でも文章でも比較的使われる表現ですが、カジュアルというよりは少し描写的で具体的な状況をイメージさせる単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 文法上の位置づけ:
- 自動詞として「主語が空中に留まる動作をする」場面で使われます。
- 「hover over + 目的語」のように前置詞を伴えば他動詞的表現にもなりますが、実際には「over」がついて「うえに留まる」「見張る」といった表現をとります。
- 自動詞として「主語が空中に留まる動作をする」場面で使われます。
よく使われる構文やイディオム
- “(A) hovers over (B).”
- 例: “The helicopter hovered over the rescue site.”
- 例: “The helicopter hovered over the rescue site.”
- “(Person) hovers around (Place).”
- 例: “He hovered around the entrance, waiting for his friend.”
- 例: “He hovered around the entrance, waiting for his friend.”
- “hover between options” (選択を決めかねる)
- 例: “I’m still hovering between going out or staying in.”
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
“A bee kept hovering around my glass of juice.”
- (ハチが私のジュースの周りをずっとホバリングしていたんだ。)
- (ハチが私のジュースの周りをずっとホバリングしていたんだ。)
“Stop hovering over me while I’m typing; it makes me nervous.”
- (私がタイピングしている時にそんなに後ろでじっと見ないで。落ち着かないから。)
- (私がタイピングしている時にそんなに後ろでじっと見ないで。落ち着かないから。)
“The seagulls hovered above the beach, looking for food.”
- (カモメが浜辺の上空をホバリングして、餌を探していた。)
ビジネスシーン
“The supervisor hovered over our desks to check on our progress.”
- (上司が私たちの進捗を確認するために私たちのデスクのそばにじっと立っていた。)
- (上司が私たちの進捗を確認するために私たちのデスクのそばにじっと立っていた。)
“When you hover the cursor over the icon, a tooltip will appear.”
- (アイコンの上にカーソルを乗せると、ツールチップが表示されます。)
- (アイコンの上にカーソルを乗せると、ツールチップが表示されます。)
“Management decisions seemed to hover between two major strategies.”
- (経営陣の決定は二つの大きな戦略の間で迷っているようだった。)
学術・技術的な文脈
“Helicopters are designed to hover steadily at a specific altitude.”
- (ヘリコプターは特定の高度で安定してホバリングできるように設計されています。)
- (ヘリコプターは特定の高度で安定してホバリングできるように設計されています。)
“The hummingbird’s ability to hover in midair is facilitated by rapid wing beats.”
- (ハチドリが空中でホバリングできるのは、非常に速い羽ばたきによるものです。)
- (ハチドリが空中でホバリングできるのは、非常に速い羽ばたきによるものです。)
“Scholars continue to hover over the interpretation of this historical text.”
- (研究者たちはこの歴史文献の解釈をめぐって、ずっと議論を続けている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- float (浮かぶ)
- 物理的に水や空気中に浮かぶイメージ。ただし「hover」は空中で位置を保つ動作が強調される。
- 物理的に水や空気中に浮かぶイメージ。ただし「hover」は空中で位置を保つ動作が強調される。
- hang (ぶら下がる/ぶらつく)
- 「hang」には「吊るされている」イメージがあり、”hover”には自らの力で留まるニュアンスがある。
- 「hang」には「吊るされている」イメージがあり、”hover”には自らの力で留まるニュアンスがある。
- levitate (空中浮遊する)
- 超常現象やマジックを想起させる響き。日常的にはあまり使われない。
反意語 (Antonyms)
- descend (降りる)
- settle (落ち着く/位置を決める)
- land (着陸する)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈhʌv.ər/ (アメリカ英語) /ˈhɒv.ə/ (イギリス英語)
- アクセントの位置: “hóv・er” の “hov” に強勢があります。
- アメリカ英語の発音: /ˈhʌv.ɚ/ (ハヴァー のような音)
- イギリス英語の発音: /ˈhɒv.ə/ (ホヴァ のような音)
- よくある発音ミスは “h” の無音化や “o” を誤って /oʊ/ としてしまうことです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “houver” や “hoover” と書いてしまうケースがあるので注意(“Hoover”は掃除機のブランド名など別の綴り)。
- 同音異義語との混同: “hover” と近い音を持つ単語はあまり多くありませんが、 “cover” や “over” にひっぱられてスペルを混同しやすいかもしれません。
- 使いどころ: 空中での動作だけでなく、「周囲をうろうろする・決断しきれない」など抽象的な意味でも使うことを忘れずに。
- 試験対策: TOEICや英検の文脈では、IT用語や空港でのアナウンスなどにつながる表現、または象徴的なイメージを試す問題で出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “ヘリコプターが空中でホバリング”を想像してください。羽ばたきによって「ふわっと空中各所に止まり続ける」イメージが、 “hover” の本質です。
- スペリングのポイントは「ho + ver」で、「ほーばー」と読まずに、「ハヴァー/ホヴァー」と発音しましょう。
- マウスカーソルがアイコンにかぶさっている状態を “hover” と表現することから、ゲームやパソコン操作でしばしば目にする単語です。そういった場面と結びつけると覚えやすいです。
以上が「hover」の詳細な解説です。空中をふわりと留まっている様子、あるいは人が決断を迷いながらうろうろしている様子、マウスカーソルの動作など、さまざまなニュアンスで使われる便利な動詞です。ぜひ実際の文章や会話に取り入れてみてください。
〈人などが〉(…の周辺を)うろつく,(…に)つきまとう《+about(around, near)+名》
(…の間の)さまよう,ぐらつく《+between+名》
〈鳥・ヘリコプターなどが〉空に浮かぶ;(…の上を)舞う《+about(above, over)+名》