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awe
解説
名詞「awe」を徹底解説
1. 基本情報と概要
英語での意味: “A feeling of reverential respect mixed with fear or wonder”
(畏怖や畏敬の感情。尊敬の念と恐れ・驚きが入り混じった感覚)
日本語での意味: 「畏敬」「畏怖」「畏れ多いと感じる気持ち」
人や自然、偉大なものに対して、崇高さや神聖さを感じて、恐れ多い・すごいと感じるニュアンスの単語です。たとえば、美しい自然の光景を前にしたり、大きな業績をもつ人に対して、圧倒されるかのように「すごい…」と感じる時に使われます。
- 品詞: 名詞 (noun)
- 活用形:
awe はふつう不可算名詞(uncountable noun)として用いられることが多いです。
複数形 (awes) はあまり使われませんが、文脈によっては「いくつもの尊敬・畏敬の念」というニュアンスで使用される可能性もゼロではありません。 - 他の品詞形
- 形容詞: awesome(すごい、素晴らしい) / awful(元々は “full of awe” だが、現代では「ひどい」という意味で使われる)
- 動詞: 口語では “to awe (someone)” と表現されることもあるが、頻度は高くない
- 形容詞: awesome(すごい、素晴らしい) / awful(元々は “full of awe” だが、現代では「ひどい」という意味で使われる)
CEFR レベル目安: B2(中上級)
B2 レベルでは、「日常会話以上に幅広いトピックを扱えるようになり始め、自分の感情や状態を表現するときに多彩なボキャブラリーを使う」段階なので、この単語は少し難易度が高めです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- awe は明確な接頭語・接尾語がない短い語源由来の単語です(古い英語・ノルド語にルーツがあります)。
関連語
- awesome: 「すごい」「素晴らしい」 (形容詞)
- awestruck: 「畏敬の念に打たれた」「圧倒された」 (形容詞)
- awful: 元々 “full of awe” の意味だったが、今では「ひどい」「嫌な」などネガティブな意味が強い形容詞
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- be in awe of ~ (~に畏敬の念を抱く)
- stand in awe (畏怖の念で立ち尽くす)
- filled with awe (畏怖で満たされる)
- awe and wonder (畏怖と驚嘆)
- a sense of awe (畏敬の念)
- hold someone in awe (人を大いに尊敬する)
- look at ~ in awe (~を畏敬の念をもって見る)
- gaze in awe (畏敬の念をもってじっと見る)
- shout in awe (畏怖のあまり声を上げる)
- inspire awe (畏敬の念を呼び起こす)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「awe」という単語は、古ノース語の「agi」や古英語の「ege」に由来するとされています。もともと、恐れや畏怖を意味する言葉でした。
ニュアンス・使用時の注意点
- 畏敬 + 恐れ + 尊敬 の混じった感覚を表す単語です。
- 場面としては、偉大な自然や神聖な存在、大きな業績を目の当たりにしたときなど、心を打たれる感情を示すときに用いられます。
- 口語でも文章(文語)でも使いますが、ややフォーマルまたは文学的な響きを持つ場合が多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (不可算名詞) として使われる。
- 可算名詞として滅多に使われません。
- 「in awe」や「with awe」は前置詞と結びつく典型的な表現です。
- 口語的には「I’m in awe!」のように感嘆文にもよく用いられます。
イディオムや一般的な構文
- be/stand in awe of someone/something:
「~に畏れ多い気持ちを抱く」「圧倒されるような気持ちになる」
5. 実例と例文
(1) 日常会話
- “I’m in awe of my grandfather’s storytelling skills.”
(おじいちゃんの話術には本当に驚かされるよ。) - “We stood in awe as the fireworks lit up the sky.”
(花火が空を照らすのを見て、私たちは思わず立ち尽くしてしまった。) - “Seeing the Himalayas for the first time left me in awe.”
(初めてヒマラヤ山脈を見たときは、本当に圧倒されたよ。)
(2) ビジネスシーン
- “The new CEO’s vision filled the employees with awe.”
(新しいCEOのビジョンには、社員たちも畏敬の念を抱きました。) - “I was in awe of her remarkable presentation skills.”
(彼女の素晴らしいプレゼン能力には感銘を受けました。) - “His leadership style inspires awe among the entire team.”
(彼のリーダーシップはチーム全体に畏敬の念を起こさせます。)
(3) 学術的・フォーマルな文脈
- “Researchers were in awe of the complexity of the newly discovered ecosystem.”
(研究者たちは、新しく発見された生態系の複雑さに畏敬の念を抱きました。) - “Historians often stand in awe of ancient civilizations’ architectural achievements.”
(歴史家たちは、古代文明の建築成果にしばしば驚嘆の念を持ちます。) - “Art critics expressed awe at the intricate brushwork of the masterpiece.”
(アート評論家たちは、その名作の精緻な筆遣いに畏敬の念を示しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- wonder(驚き、不思議)
- より「不思議さ」や「驚き」に焦点がある。必ずしも恐れや敬意は含まない。
- より「不思議さ」や「驚き」に焦点がある。必ずしも恐れや敬意は含まない。
- admiration(感嘆、称賛)
- 敬意や称賛が強調されるが、必ずしも畏怖の念は伴わない。
- 敬意や称賛が強調されるが、必ずしも畏怖の念は伴わない。
- reverence(畏敬、尊敬)
- 「宗教的・道徳的な敬い」に重点がある。awe とはかなり近いが、やや敬虔さが強調される。
反意語
- 日常会話で思い切り反対の感情を示す単語として “disrespect” (無礼、軽蔑) が挙げられますが、「awe」のように感情の違いを直接反映する完全な反意語はやや存在しにくいです。強いていえば 「無関心」や「軽蔑」を表す “indifference” や “scorn” が感情的には正反対に近いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɔː/ (イギリス英語), /ɑː/ (アメリカ英語)
- イギリス英語: オー(少し口を突き出して長めに“オー”)
- アメリカ英語: アー(口をやや大きく開いて“アー”)
- イギリス英語: オー(少し口を突き出して長めに“オー”)
- アクセント: 単音節のため、特にアクセントの移動はありません。
- よくある間違い: “ow” や “oh” と混同してしまいがちですが、音としては「オー」または「アー」の伸ばした感じで発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペル: “awe” の「w」を落として “ae” と書いてしまうミスがときどきあります。
- 発音: アメリカ英語では /ɑː/ のような広い「アー」音になるため、日本語の「オー」との違いに注意する必要があります。
- “awful” と紛らわしい: name の見た目から「“awful” は「すごい」を意味する」と誤解されがちですが、現代では「ひどい、最悪」という意味が中心です。
- TOEICや英検などの資格試験では、「主に読解問題」で文章中の雰囲気を理解する必要があるときに出題されることがあります。ネガティブな恐怖心だけではなく、尊敬・畏敬のニュアンスを含む点に注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Awe” の頭文字Aを「圧倒される(A)」のイメージに結びつける
たとえば、「Great A(すごい“A”)... Aの気持ちで圧倒される」と考えると思い出しやすくなります。 - スペリング: a + w + e。w の字形が上下にうねって「感情の高まり」を表しているとイメージしてみるのも面白いかもしれません。
- 実際に美しい写真や景色を見るときに「Awe…」と声に出してみると身につきやすい。感覚として「すごい!」というときの長い伸ばし声が “awe” の音とイメージしやすいでしょう。
以上が名詞「awe」の詳細な解説です。畏敬の念や「すごい…」と圧倒されるような気持ちを示す重要な単語なので、ぜひ感情表現のレパートリーとして覚えておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
畏敬(いけい),畏怖
意味(2)
…‘に'畏敬の念を起こさせる