最終更新日:2025/08/19

〈U〉(…の)『大破』,破壊,難破;破滅,崩壊《+of+名》 / 〈C〉(乗り物・建物などの)『残がい』 / 〈C〉やせ衰えた人,打ちひしがれた人 / 〈C〉壊れたもの,故障品

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元となった辞書の項目

wreck

名詞

〈U〉(…の)『大破』,破壊,難破;破滅,崩壊《+of+名》 / 〈C〉(乗り物・建物などの)『残がい』 / 〈C〉やせ衰えた人,打ちひしがれた人 / 〈C〉壊れたもの,故障品

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彼は「タイタニック号」の残骸を確認した。

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解説

以下では、名詞「wreck」をできるだけ詳細に解説していきます。


1. 基本情報と概要

意味(英語・日本語)


  • 英語: “wreck”

  • 日本語: 「(乗り物などの)残骸、難破(船)、ボロボロの状態」

「wreck」は、船や車などの乗り物が大破した残骸や、破壊されたものを指します。また、人や物事がひどく疲弊・損傷していることを比喩的に「〜はボロボロだ」と表すときにも使われます。カジュアルな日常会話でも使われますが、やや感情を込めたニュアンスを伴うことが多いです。

品詞


  • 名詞 (countable: 複数形は “wrecks”)

活用形


  • 単数形: wreck

  • 複数形: wrecks

他の品詞


  • 動詞: “to wreck” (破壊する、ダメにする)

    例: “The storm wrecked the boat.” (嵐がそのボートをダメにしてしまった)


  • 形容詞形は直接はありませんが、「wrecked (破壊された、ボロボロになった)」という分詞形容詞として使われることがあります。


CEFRレベルの目安


  • B2: 中上級レベル

    やや上のレベルの読解や表現でよく登場しますが、そこまで専門的ではないため、中上級の人でも理解しやすい単語です。


2. 語構成と詳細な意味

語構成

「wreck」は、特に明確な接頭語・接尾語を持たない短い単語です。古英語由来で、「壊す」「難破する」といった意味をルーツに持つため、分割できる要素はありません。

他の単語との関連性・派生語


  • “shipwreck” (難破船)

  • “car wreck” (車の残骸、車の大破)

  • “wreckage” (残骸、破片) : “wreck”から派生した名詞

よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)


  1. shipwreck / 船の難破

  2. car wreck / 車の事故・大破

  3. train wreck / 電車事故(比喩的に“めちゃくちゃな状態”も)

  4. plane wreck / 飛行機事故の残骸

  5. emotional wreck / 感情的にボロボロの状態

  6. nervous wreck / 神経がまいっている状態

  7. salvage a wreck / 難破船・残骸を引き上げる

  8. discover a wreck / (沈没船などの)残骸を発見する

  9. a total wreck / 完全にボロボロな状態

  10. explore the wreck / 残骸を探検(調査)する


3. 語源とニュアンス

語源


  • 古英語の “wrecc” や 中英語の “wrak” から派生しており、「海に打ち上げられたもの」「難破船の残骸」という意味を持っていました。古ノルド語 “vrak” も関連があるとされます。

ニュアンス・使用上の注意


  • 「wreck」は大破・崩壊といった物理的・精神的ダメージを強くイメージさせる単語です。

  • 口語では「I’m a wreck.」(もうダメだ、精神的にボロボロだ) のように、感情的な状態を表すことも多いです。

  • 書き言葉・フォーマルな場面でも「船の残骸」や「建物の崩壊した姿」を示す際に使われます。比較的カジュアルな印象ですが、文脈次第ではフォーマルにも使用可能です。


4. 文法的な特徴と構文

名詞としての使い方


  • 可算名詞: a wreck / the wreck / two wrecks …

  • 文脈に応じて、単に残骸をいう場合もあれば、「ボロボロの人(状態)」を比喩的に表す。

一般的な構文


  • “(Subject) is a wreck.” → 「(主語)はボロボロの状態だ」

  • “They discovered a wreck off the coast.” → 「彼らは海岸沖で難破船を発見した」

  • “After the accident, the car was a total wreck.” → 「事故の後、その車は完全に大破していた」

文法のポイント


  • 他動詞・自動詞としての “wreck” は別の品詞(動詞)になるので注意。今回扱っているのはあくまで名詞。

  • “wreck” は可算なので、普通に冠詞や複数形を取ります。


5. 実例と例文

「wreck」の名詞としての使い方を、日常会話・ビジネス・学術的な文脈に分けて挙げます。

5.1 日常会話での例文


  1. “I’m such a wreck right now after that breakup.”

    (あの別れの後、私は今すっかりボロボロだよ。)


  2. “His room is a complete wreck; he never cleans it.”

    (彼の部屋は完全にゴミゴミしちゃってて、まったく掃除しないんだよ。)


  3. “We found an old bike wreck in the backyard.”

    (裏庭で古い自転車の残骸を見つけたよ。)


5.2 ビジネスシーンでの例文


  1. “The project turned into a wreck due to poor communication.”

    (コミュニケーション不足のせいで、そのプロジェクトはひどい状態になった。)


  2. “Our shipping department located a wreck off the coast that might contain valuable cargo.”

    (うちの輸送部門が、価値のある積み荷があるかもしれない難破船を海岸沖で発見した。)


  3. “After the data breach, the company’s system was a wreck.”

    (データ漏えいの後、その会社のシステムはひどい状態になっていた。)


5.3 学術的・専門的な文脈での例文


  1. “Marine archaeologists have been studying the wreck for years to learn about ancient shipping routes.”

    (海洋考古学者たちは、その難破船を何年も研究して古代の航路を解明しようとしている。)


  2. “An extensive survey of the wreck revealed new artifacts from the 18th century.”

    (その難破船の詳細な調査によって、18世紀の新しい遺物が発見された。)


  3. “The structural integrity of the wreck has deteriorated significantly over the centuries.”

    (何世紀にもわたって、その残骸の構造的強度は大きく衰えている。)



6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)


  1. ruin (遺跡、廃墟)


    • 「wreck」が“乗り物の残骸”や“身体・精神のボロボロ”にまで広く使われるのに対し、「ruin」は建物や都市などが崩壊して跡形もない状態を指すときに用いられることが多いです。


  2. debris (破片、がれき)


    • 「debris」は単に散らばった破片や残骸を集合的に指す言葉で、感情的なニュアンスはない。


  3. wreckage (残骸)


    • 「wreckage」は「wreck」とほぼ同義ですが、集合的な“残骸”全体を指すときに使われることが多いです。


  4. disaster (災害、惨事)


    • 「wreck」と比べるとより広い意味で“災害全般”を指します。


反意語 (Antonyms)


  • restoration (修復、復元)

  • intact (完全な状態で、損傷なしの)


7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA)


  • アメリカ英語: /rɛk/

  • イギリス英語: /rɛk/

どちらも「レック」のように発音します。


  • アクセントは1音節しかないため、特にアクセント位置の違いはありません。

  • “wreck” と “rick” の母音は同じですが、最初の子音が “wr” となるため、実際には /r/ の発音で始まります。

よくある発音ミス


  • “wreck” を「レック」と単純に発音しても良いですが、“w” を抜かして発音しないように注意。ただし、英語話者は “wr” の “w” をほぼ発音しないケースが多いため、音としては /r/ に近く聞こえます。


8. 学習上の注意点・よくある間違い


  1. “wreak (被害をもたらす)” との混同


    • “wreak havoc” (大混乱を引き起こす) の “wreak” と “wreck” はつづりも意味も異なるので注意してください。


  2. “wreck” をスペルミスして “reck” と書いてしまう間違い


    • “reck” という別の古い単語は、現代ではほぼ使われません。


  3. 「難破」「残骸」のみかと思いきや、「(人が)ボロボロの状態」も含む点


    • 文脈によっては肉体的・精神的消耗を示します。


  4. 発音の際に “w” の音を強く入れすぎる、あるいは省略しすぎる


    • 英語話者はほぼ /rɛk/ のように発音しますが、カタカナで「レック」としすぎると「lack」と混同されやすいです。


試験対策や資格試験(TOEIC・英検など)


  • “shipwreck” を説明する問題や、文脈依存の和訳問題などで出題されることがあります。比喩的に「(人が)感情的にボロボロの状態」の意味で出題されることもあるので注意が必要です。


9. 記憶に残るヒントやイメージ


  • “wreck” には「レック」という簡潔な音の響きがあります。イメージとしては「ボロボロ、粉々」という様子をイメージすると覚えやすいです。

  • 比喩で「自分が wreck」と言うときは、まるで「乗り物の大破のように、完全に壊れてしまった」という少しドラマチックな言い回しだと考えると理解しやすいでしょう。

  • “wreak” との違いは「つづりが“a”か“e”か」。語感もちょっと違うため、 “wreak havoc” とセットで覚えて、混同を避けるのがポイントです。


以上が、名詞「wreck」の詳細な解説です。船や車の残骸だけでなく、心身の疲弊状態まで多面的に使われる単語なので、会話や文章の中で積極的に使ってみてください。

意味のイメージ
wreck

和英選択問題 / 準上級英単語(CEFR-J B2)

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