元となった辞書の項目
widow
解説
1. 基本情報と概要
英単語: widow
品詞: 名詞 (countable noun)
活用形:
- 単数形: widow
- 複数形: widows
意味 (英語)
A woman whose husband has died and who has not remarried.
意味 (日本語)
夫を亡くして再婚していない女性のことです。一般的には「未亡人」と訳されることが多いですね。夫を亡くした女性を指すため、感情的に繊細なニュアンスがあります。状況に応じて配慮が必要な単語です。
CEFRレベル: B1(中級)
会話などで頻繁に出てくるほど日常的ではありませんが、ニュースや書籍などで見かける機会があります。B1レベル(中級)でぜひ覚えておきましょう。
他の品詞形
- widowed (形容詞): 「夫(または妻)を亡くした」
例) She is widowed. (彼女は未亡人です)
- widower (名詞): 「妻を亡くした男性」
- 形容詞形(通例 “widowed”)や動詞形(to widow)はあまり一般的ではありませんが、文脈によっては使われる場合があります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: 「widow」
現代英語において明確な接頭語や接尾語はなく、単独で名詞として機能する語です。
派生語・類縁語など
- widower: 妻を亡くした男性
- widowed: やもめになった状態を表す形容詞
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- war widow (戦争未亡人)
- widow’s pension (未亡人年金)
- black widow (クロゴケグモ、または「ブラック・ウィドー」という女性暗殺者的イメージで使われる言い方)
- football widow (夫がフットボールばかり見るため、自分が放っておかれたと感じる妻)
- widow’s mite (聖書に登場する「やもめの献金」)
- widow’s peak (髪の生え際がV字型になっていること)
- young widow (若くして夫を亡くした女性)
- grass widow (夫が長期不在でほとんどいない女性を指す古い表現)
- support a widow (未亡人を支援する)
- widow remarriage (未亡人の再婚)
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “widewe” (その他、ゲルマン系諸語に類似の形を持つ) が語源で、さらにラテン語の “vidua” (奪われた・独り身の女性) にさかのぼるとされています。歴史的に「配偶者を失った女性」を厳密に表す言葉です。
ニュアンス・使用時の注意点
- 個人の状態を直接的に表すため、状況によっては失礼にならないよう丁寧に使用する必要があります。
- 感情やセンシティブな状況にかかわる言葉ですので、カジュアルな会話で多用されるというよりは、フォーマルな場面でも穏やかに使われることが多いです。
- 新聞記事や合同葬など社会的な状況で耳にすることがありますが、日常生活でも戸籍や保険などの文脈で使われる可能性があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (countable):
「a widow / the widow」のように冠詞を伴ったり、複数形 (widows) もあります。しかし「widows (未亡人たち)」という表現はややフォーマルに感じられます。 - 大きな文法上の特徴はありませんが、「war widow」「football widow」のように複合的に使われる例が多いです。
一般的な構文・イディオム
- be left a widow: 「未亡人となる」
例) She was left a widow at a young age. - make someone a widow: 「(誰かを)未亡人にする」(夫を死なせる原因になるという、やや強い表現)
フォーマル・カジュアルでの使い分け
- フォーマル: “She is a widow.” (彼女は未亡人です) → 公的な書類や正式な場面でも使われる。
- カジュアル: “She lost her husband.” などを使って、直接 “widow” という言葉を避けるケースもあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “I heard that Mary became a widow last year, and she’s been living alone since.”
(メアリーは昨年夫を亡くして未亡人となり、それ以来ひとりで暮らしているそうだよ。) - “My grandmother has been a widow for over a decade now.”
(私の祖母はもう10年以上、未亡人として暮らしています。) - “She rarely talks about her time before she was widowed.”
(彼女は未亡人になる前のことをめったに話さないんです。)
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “We have a special support program for widows to help with financial planning.”
(未亡人の方々を対象にした特別な財務計画サポートプログラムがあります。) - “As a war widow, she is entitled to certain benefits from the government.”
(戦争未亡人として、彼女には政府から一定の給付金を受ける権利があります。) - “The charity regularly donates to organizations that assist widows in need.”
(その慈善団体は、困っている未亡人を支援する団体に定期的に寄付を行っています。)
学術的・文献での例文 (3つ)
- “In her research on family structures, she examined the socioeconomic challenges faced by widows.”
(家族構造に関する研究において、彼女は未亡人が直面する社会経済的困難について調査しました。) - “A number of historical accounts detail the status of widows in medieval Europe.”
(中世ヨーロッパにおける未亡人の地位について、歴史的な文献が数多く詳述しています。) - “This policy aimed to protect impoverished widows from exploitation.”
(この政策は、貧困状態にある未亡人が搾取されるのを防ぐことを目的としていました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- bereaved woman (死別した女性)
- “widow”ほど明確に夫を失った女性を指すわけではなく、「愛する人との死別にあった女性」というニュアンス。
- single mother (シングルマザー)
- 必ずしも夫の死を含意しない。離婚や未婚などいろいろな状況が含まれる。
- lone parent (ひとり親)
- 性別を問わず使われ、死別以外のケースも含む。
反意語
- widower (妻を亡くした男性)
厳密には反意語というよりも性別が異なる対応表現です。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA:
- イギリス英語: /ˈwɪdəʊ/
- アメリカ英語: /ˈwɪdoʊ/
- イギリス英語: /ˈwɪdəʊ/
- アクセント (強勢): 最初の音節 “wi” にアクセントがあります。「ウィドウ」のように発音します。
- よくある間違い: 「ウィドー」と長音を強調しすぎないようにすること。スペルは “widow” で “i” の後に “d” が入ることに注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “widow” が “widdow” と書かれるミスが多いです。
- 同音異義語との混同: 同じ発音の単語はほとんどありませんが、「window (窓)」とごく稀に混同される例があります。
- TOEIC・英検などでの出題傾向: 家族構成や社会問題などの文脈で出題される可能性があります。特にリーディングセクションで見かけやすい単語です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “window” と字面が似ているので注意! “window” から “n” を抜いたら “widow” になる、と覚えるとスペルを間違えにくいでしょう。
- 夫が亡くなり「一人(one)でいる」→ 音で “ウィドウ (widow)” と結びつけるのも一つの方法です。
- 歴史の授業や新聞記事で見た「戦争未亡人(war widow)」というフレーズで思い出すのも有効です。
以上が名詞 “widow” の解説です。夫を亡くした女性を指す繊細な言葉なので、状況に応じて丁寧に使い分けてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
未亡人,寡婦,後家,やもめ
意味(2)
《複合語を作って》…やもめ,ウイドー(夫が趣味・スポーツなどに夢中なため,しばしば置き去りにされる妻)