wait
以下では、名詞としての wait
を、学習者向けにできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味・品詞
- 品詞: 名詞 (noun)
- 英語: “wait”
- 日本語: 「待つこと」「待機時間」など
- たとえば、病院で順番を待つ間やレストランの席が空くまでの「待ち時間」のように使われます。
- 「待つ」という行為そのものを指すこともあります。
- たとえば、病院で順番を待つ間やレストランの席が空くまでの「待ち時間」のように使われます。
概要
「待つ」という動詞として馴染みのある wait
ですが、名詞としては「待ち時間」「待機」「待ち状態」などの意味を表します。たとえば “It was a long wait.”(長い待ち時間だった)というように使われます。
活用形
名詞なので、動詞のような活用はありません。複数形は通常ありませんが、文脈によっては “waits” として使われることも極めてまれにあります(複数の待ち時間をまとめて言いたい場合など)。しかし日常的には単数形で使われるのが普通です。
他の品詞形
- 動詞: “wait” (例: I will wait for you.)
- 派生形として “waiting”(動名詞・形容詞的な用法)があります。
CEFRレベルの目安
- B1(中級):“wait” の動詞形はA2(初級)レベルでも出てきますが、名詞用法の理解は少し進んだレベルで出会うことが多いです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
wait
は、歴史的には古フランス語 “waitier” やゲルマン語系の動詞に由来すると言われています。- 一般的には接頭語・接尾語を含まない短い単語として定着しており、名詞の場合も特別な派生要素はありません。
関連単語(派生語や類縁語など)
- “waiter / waitress”: ウェイター / ウェイトレス(レストランなどで「待つ人」という語源から)
- “await” (動詞): 「待ち受ける」「待ち構える」という意味
よく使われるコロケーション(10個)
- a long wait(長い待ち時間)
- a short wait(短い待ち時間)
- worth the wait(待つ価値がある)
- the wait is over(待ち時間が終わった)
- after a (time period) wait(〇〇の待ち時間のあと)
- an anxious wait(不安な気持ちで待つ時間)
- an interminable wait(終わりがないような長い待ち時間)
- a painful wait(苦痛なほど長く感じる待ち時間)
- a brief wait(少しの待ち時間)
- the wait staff(レストランの接客係、厳密には「待つ人々」という意味から)
3. 語源とニュアンス
語源
“wait” は中英語 waiten
や古フランス語 waitier
に由来し、「見張る」「警戒する」のニュアンスを含んでいました。そこから「待機する」「後ろで待ち構える」という意味に発展し、さらに「待ち時間」を表す名詞として定着しています。
微妙なニュアンス・使用時の注意
- 名詞としては「待ち時間」という少し客観的・事務的な印象を与えます。
- “It was a long wait.” のように、辛抱を表す場合にも使われますが、感情面での「退屈」「いらだち」などが伴うことが多いです。
- カジュアルからフォーマルまで幅広く使え、「待ち時間を説明するとき」に最適です。
よく使われるシーン
- カジュアル: 友人同士で並んでいるとき(行列など)
- フォーマル: ビジネスの会議や受付で「お待ちいただく時間」を表すとき
4. 文法的な特徴と構文
名詞として
- 可算:文脈によっては可算扱い (
a long wait
) - 不可算:一回の「待ち」を指し大きな概念として扱われる場合もありますが、基本的には単数形で “a wait” として使うことが多いです。
一般的な構文
- “It was a (adjective) wait.”
例) It was a long wait.(長い待ち時間だった) - “(Something) was well worth the wait.”
例) The concert was well worth the wait.(そのコンサートは待っただけの価値があった)
イディオム
- “(keep someone) waiting”: 誰かを待たせる(動詞待ち)
- 名詞形 “waiting” の形はありますが、名詞
wait
そのものを含んだイディオムはあまり多くありません。
- 名詞形 “waiting” の形はありますが、名詞
5. 実例と例文
それぞれの場面で自然な例文を紹介します。
日常会話 (3文)
“The line was so long that our wait lasted over an hour.”
(列がとても長くて、私たちの待ち時間は1時間以上になった。)“I’m sorry about the wait; the traffic was terrible.”
(待たせてごめんね。渋滞がひどかったんだ。)“Sometimes the wait is the hardest part, isn’t it?”
(待ち時間が一番つらい時ってあるよね?)
ビジネス (3文)
“Thank you for your patience during the wait; the manager will see you now.”
(お待ちいただきありがとうございます。マネージャーがご案内いたします。)“We apologize for the extended wait; we had an unexpected system issue.”
(長くお待たせして申し訳ございません。想定外のシステム障害がありました。)“The wait for the new software update has been longer than expected.”
(新しいソフトウェア更新の待ち時間は予想以上に長くなっています。)
学術的 (3文)
“The study examined the psychological effects experienced during a prolonged wait.”
(その研究では、長期にわたる待ち時間中に生じる心理的影響を調査した。)“A significant factor in customer satisfaction is the perceived length of the wait.”
(顧客満足度において重要な要素は、待ち時間の長さの認識である。)“Minimizing the wait can improve overall efficiency in service industries.”
(待ち時間を最小化することで、サービス業全体の効率が向上しうる。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “delay”(遅延、延期)
- 「何かが遅れている」ニュアンス強め。 “wait” は「待ち時間そのもの」だが、“delay” は「遅れ」という外的要因にフォーカス。
- 「何かが遅れている」ニュアンス強め。 “wait” は「待ち時間そのもの」だが、“delay” は「遅れ」という外的要因にフォーカス。
- “pause”(一時停止)
- 一時的な中断。待ち時間でも「一旦止める」ニュアンスが強い。
- 一時的な中断。待ち時間でも「一旦止める」ニュアンスが強い。
- “interval”(間隔)
- 待ち時間を含む「時間的な区切り」。より堅めの印象。
反意語
- “instant”(瞬間)
- 厳密な反意語ではありませんが、「待つことなく瞬間的に」という点で対照的。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /weɪt/
- アクセント: “wait” の単音節なので、特別に強勢はつきません。
- アメリカ英語とイギリス英語の発音差はほとんどなく、両方とも /weɪt/ と発音します。
- よくある間違いとして
weight
(重さ) /weɪt/ と同音ですが、スペリングが違いますので注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス “weight” と混同する
- “wait” は「待ち時間」、「weight” は「重量」。どちらも /weɪt/ と発音するため混乱しやすいです。
- “wait” は「待ち時間」、「weight” は「重量」。どちらも /weɪt/ と発音するため混乱しやすいです。
- 文脈による意味の取り違え
- “wait” は動詞としても名詞としても使われるので、前後の文脈で品詞を見極める必要があります。
- “wait” は動詞としても名詞としても使われるので、前後の文脈で品詞を見極める必要があります。
- TOEICや英検などの試験での出題傾向
- リスニングで “Wait” と “Weight” を聞き分ける問題が出る場合があります。
- 名詞としての “wait” はビジネスメールや会話例に登場することがあります。
- リスニングで “Wait” と “Weight” を聞き分ける問題が出る場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “wait” と “weight” は発音が同じなので、つづりを目で覚えましょう。 “Ai”(愛)で「待つ」→ “wait”。 “Ei”(絵)で「重さ」→ “weight” と紐づける覚え方があります。
- レストランで順番待ちをする場面を思い浮かべて、「テーブルから離れて待っている」イメージで覚えるのも手です。
- 短い単語なので、サクッとスペルを暗記し、名詞用法と動詞用法両方をマスターしておくと便利です。
以上が、名詞としての wait
の詳細な解説です。動詞の場合と区別して覚えておくと、会話や文章でよりスムーズに使えるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
〈C〉待つこと;待ち時間
〈U〉待ち伏せ