元となった辞書の項目
times
解説
以下では、前置詞として使われる “times” を中心に、できるだけ詳しく解説していきます。
(※英語の学習者にとっては少し珍しい使い方なので、通常の名詞 “time”/“times” との違いにも触れながら説明します。)
1. 基本情報と概要
意味・概要
- 英語 (preposition “times”): “multiplied by” (掛け算するときの「〜を掛ける」)を表す
- 日本語: 「〜倍」「〜を掛ける」を意味します。算数・数学の掛け算をするときに用いる表現です。例えば “8 times 3” は「8 × 3」を表します。
「times」は普段は名詞や動詞の形でも使われますが、数学の文脈では前置詞のように「掛け算の前置詞」として機能します。例えば、
• “Three times four is twelve.”
(3 × 4 は 12 です)
というふうに使われます。
品詞
- 主な品詞: 前置詞 (multiplying)、名詞(時間・時代など)、動詞(掛け算をする・タイミングを合わせる など)
- 活用形: 前置詞としての “times” は活用変化しません。名詞・動詞の場合は “time” をベースにした形(複数形 “times” / 三人称単数現在 “times” / 過去形 “timed” / 現在分詞 “timing” など)があります。
他の品詞の例
- 名詞 “time”: 時間や時期(複数形 “times”, 例: “good times” 「良い時期」)
- 動詞 “to time”: 時間を測る、タイミングを計る(例: “We need to time how long it takes.”)
CEFRレベルの目安
- A2(初級)〜B1(中級): 掛け算や日常の計算に関する基本表現として登場する可能性があります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “time” + “s” → 元々は名詞 “time” の複数形ですが、数学表現では「掛け算の前置詞」として使われています。
派生語や類縁語
- time (名詞): 時間、時期
- timing (名詞): タイミング
- timely (形容詞/副詞): タイミングの良い、時宜を得た
- overtime, bedtime, lifetime など、合成語として “time” が含まれる例も多く存在します。
よく使われる共起表現(コロケーション)や関連フレーズ(10個)
- “three times a day” –(1日3回)
- “hard times” –(苦しい時期)
- “the best of times” –(最高の時期)
- “the worst of times” –(最悪の時期)
- “changing times” –(変化の時代)
- “modern times” –(現代)
- “at times” –(時々)
- “behind the times” –(時代遅れで)
- “in times of crisis” –(危機の時に)
- “these times” –(この時代、このご時世)
3. 語源とニュアンス
語源
- “time” は古英語 “tīma” に由来し、「時・時期・期間」を意味してきました。その複数形 “times” が「掛け算」という数的用法でも使われるようになり、算数・数学での前置詞として定着しました。
ニュアンスと使用時の注意点
- “times” を前置詞として使う場合は、基本的に数式や掛け算の場面で用いられます。
例: “5 times 7 equals 35.”(5×7=35) - 口語でもカジュアルに “times” を使うことはありますが、数学・学術的な文脈で使う際はフォーマルさを保ちやすいです。
- 「何倍にする」という感覚で使われるため、日常でも “I have to pay three times the usual price.”(いつもの3倍の値段を払わないといけない)などで用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- 前置詞 “times” は、後ろにくる数・量を掛け算の要素として導きます。
例: “[数・量] times [数・量]” → “[数1] × [数2]” - 通常 “times” の後ろに “by” などを付けないので注意してください。たとえば “three times by four” は誤用です。
- 名詞 “times” は可算名詞(複数形)として使われ、「〜な時代」や「回数」を表します。文脈によって語形を変えないように注意します。
5. 実例と例文
以下では、前置詞 “times” を使った例と、名詞としての “times” もあわせて示します。
日常会話での例文(3つ)
- “Can you check if four times six really equals twenty-four?”
(4×6 が本当に24になるか確認してくれる?) - “I’ve told you so many times to lock the door!”
(ドアに鍵をかけるって、何度も何度も言ったでしょう!)← こちらは名詞的用法 “回数” - “That restaurant is three times more expensive than the other one.”
(あのレストランは、他の場所の3倍も高いよ。)
ビジネスでの例文(3つ)
- “Our production rate is now two times what it was last year.”
(現在の生産量は、昨年の2倍になっています。) - “We need to multiply the profit margin by ten times to meet our target.”
(目標を達成するには、利益率を10倍にする必要があります。) - “Sales have increased four times since we launched the new campaign.”
(新キャンペーンを始めてから売上は4倍になりました。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “According to the formula, the result is seven times the initial value.”
(その式によると、結果は初期値の7倍になります。) - “During the experiment, we applied magnetic force five times to the sample.”
(実験の間、試料に5回磁力を加えました。)← こちらは前置詞的というより “5回” の名詞的用法 - “Our calculations show that the temperature rises ten times faster than previously estimated.”
(計算によれば、温度は従来の推定より10倍速く上昇することがわかりました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “multiplied by” – 「〜掛けられる」
数学の式や論文などのフォーマルな文脈で使われることがあります。
例: “Eight multiplied by three equals 24.” - “x” – 記号で示す場合は口語でも “times” の代わりに “x” を使います。
例: “8 x 3 = 24.”
反意語
- 数学的文脈で考えると “divided by” が反意表現に近いです。
例: “Thirty divided by five is six.”
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /taɪmz/
- アクセント: 1音節の単語で、“tai” の部分に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語で大きく異なる発音はありませんが、子音の /z/ が濁らない発音になってしまうミスに注意しましょう(/taɪms/ と濁らずに言ってしまうなど)。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “times” を “tims” や “timse” と書いてしまわないように注意。
- 前置詞としての誤用: “times” の後に “by” をつける間違い。
- 誤: “three times by four”
- 正: “three times four”
- 誤: “three times by four”
- 名詞と前置詞の混同: 回数や「時代」を表す “times” と、掛け算の意味での “times” をごちゃまぜにしないように文脈で判断しましょう。
試験対策(TOEIC・英検など)では、高いレベルでは数学的表現も出る場合があるので、前置詞としての “times” を覚えておくと有利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 数式で “×” と言いたいときに思い出す: “×” は “times” と呼ぶ
- “Times Square” (ニューヨークのタイムズスクエア) と混同しないように、「掛け算のときに使う ‘times’ だ!」とイメージしましょう。
- 発音のポイント: “time” + “z” で「タイムズ」と濁る。
- スペリングは “time” に “s” を足しただけ、ですが「z」の音に気をつけると記憶しやすいです。
以上が、前置詞としての “times” の詳細な解説です。少し馴染みのない使い方かもしれませんが、数学の場面や複数倍を表現したいときに便利なので、ぜひ覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
…掛ける