元となった辞書の項目
spellbound
解説
1. 基本情報と概要
単語: spellbound
品詞: 形容詞 (adjective)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 「spellbound」は、日常会話でも比較的よく耳にする表現ですが、「魅了されている、魔法にかかったように心奪われている」というニュアンスを強く伝えるため、比較的ドラマチックな響きがあります。
英語での意味:
- Held by or as if by a spell; entranced, fascinated.
日本語での意味:
- 「魔法にかけられたように惹きつけられている状態」「心が奪われている状態」を指す言葉。
- たとえば「息をのむような映画にすっかり釘付けになっている」ような状況で使われます。
派生形
- spellbind (動詞): 「〜を魅了する、〜に魔法をかける」
- spellbinding (形容詞): 「魅了するような、うっとりさせるような」
2. 語構成と詳細な意味
- spellbound は、もともと “spell” + “bound” の2つの要素から成っています。
- spell: 「呪文、魔法」
- bound: 「縛られた、拘束された」
- spell: 「呪文、魔法」
- 直訳すると「呪文に縛られた状態」⇒「魔法にかけられたように魅了されて、他に意識を向けられない状態」となります。
関連単語・派生語など
- spell (名詞/動詞):「呪文/スペルを綴る」
- spellbinding (形容詞):「人を引きつけてやまないような」
- bewitch, enchant (類義語): 「〜に魔法をかける、魅了する」
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- be spellbound by 〜
- 〜にすっかり魅了される
- 〜にすっかり魅了される
- keep someone spellbound
- (話やパフォーマンスなどで)相手を釘付けにする
- (話やパフォーマンスなどで)相手を釘付けにする
- leave an audience spellbound
- 聴衆を魅了して退場する(講演やステージなど)
- 聴衆を魅了して退場する(講演やステージなど)
- spellbound audience
- 魅了された聴衆
- 魅了された聴衆
- sit spellbound
- (席に座ったまま)すっかり見入っている
- (席に座ったまま)すっかり見入っている
- spellbound silence
- 魅了されての静寂
- 魅了されての静寂
- absolutely spellbound
- 完全に魅了された
- 完全に魅了された
- be held spellbound
- (目や耳を離せず)ホールドされている状態
- (目や耳を離せず)ホールドされている状態
- watch in spellbound fascination
- 魅了されながら見る
- 魅了されながら見る
- remain spellbound
- (最後まで)釘付けのままでいる
- (最後まで)釘付けのままでいる
3. 語源とニュアンス
- 語源は、古英語の “spell” (呪文)と “bound” (拘束された)に遡ります。かつては本当に「呪文によって物理的に動けない」イメージでしたが、現在は比喩的に「強い興味や感動に心を奪われて動けない=魅了されている」という意味で使われます。
- 「spellbound」は、ややドラマチックで文学的・演劇的なニュアンスがあり、批評文・レビュー・演説などでも使われます。会話でも自然に用いられますが、感情を強調したいときに使うのが一般的です。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞なので、「be動詞 + spellbound」「主語 + remain spellbound」などの構文でよく使われます。
- フォーマル/カジュアルともに使われますが、やや文学的・表現力の高い言い回しとして好まれます。
例:
- (S + be + spellbound): “She was spellbound by the movie.”
- (S + remain + spellbound): “They remained spellbound throughout the lecture.”
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I was completely spellbound by the fireworks last night.”
(昨日の花火に完全に魅了されちゃったよ。) - “We sat spellbound as he told us stories of his travels.”
(私たちは彼の旅の話に釘付けになって座り聞いていたよ。) - “The kids were spellbound by the magician’s performance.”
(子どもたちはマジシャンの演技にすっかり釘付けだった。)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “The CEO’s inspirational speech left the entire audience spellbound.”
(CEOの鼓舞するようなスピーチに、会場全体が魅了されました。) - “Her presentation was so engaging that everyone remained spellbound.”
(彼女のプレゼンテーションはとても魅力的で、皆が釘付けになっていました。) - “Investors were spellbound by the company’s bold vision for the future.”
(投資家は、その会社の大胆な将来構想にすっかり心を奪われていました。)
学術的な文脈での例文(3つ)
- “The scholars listened spellbound to the expert’s unique theory.”
(研究者たちは、その専門家の独自の理論をすっかり魅了されながら聞いていた。) - “He presented his findings in such a compelling way that the seminar attendees were spellbound.”
(あまりにも説得力のある発表だったので、セミナーの参加者たちはみな釘付けになりました。) - “Readers remain spellbound by this ancient manuscript’s hidden secrets.”
(読者たちはこの古代の写本に秘められた謎に魅了され続けています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- enchanted (魔法にかけられたように魅せられている)
- spellbound よりもファンタジー要素が強い場合に用いられることが多い。
- spellbound よりもファンタジー要素が強い場合に用いられることが多い。
- captivated (強く心を捉えられている)
- spellbound よりも日常的で穏やかなニュアンス。
- spellbound よりも日常的で穏やかなニュアンス。
- fascinated (強い興味や好奇心を持っている)
- 比較的カジュアルだが、spellboundよりは少し弱めの表現。
- 比較的カジュアルだが、spellboundよりは少し弱めの表現。
- entranced (うっとりとしている)
- 響きが優雅で、音楽や芸術などに酔っている印象。
- 響きが優雅で、音楽や芸術などに酔っている印象。
反意語 (Antonyms)
- bored (退屈している)
- uninterested (興味がない)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): [ˈspɛlˌbaʊnd]
- アクセントは最初の “spell” に強勢が置かれます (SPE-llbound)。
- アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはありませんが、イギリス英語は [ˈspɛl.baʊnd] のように /aʊ/ を少し短めに発音する場合があります。
- よくある間違い:
spelbound
と綴りを1文字抜かしてしまうことがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「spell bind」や「spellbinding」との混同に注意しましょう。「spellbound」はあくまでも形容詞です。
- スペルミス: “spellbound” は「l」が2つ入る点に注意。
- TOEICや英検で直接出題される頻度は高くはありませんが、読解問題で「魅了された状態を描写する」文脈で類義語とともに登場する可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「呪文(spell)に縛られた(bound)」というイメージを持つと覚えやすいです。
- 「人を魔法のように惹きつけて、身動きできない状態」というストーリーで想起すると記憶に残ります。
- 音の響きも “spell + bound” と分けて、発音とスペリングを同時に意識すると間違いが減ります。
「spellbound」はドラマチックに魅了されている状態を示すうえで便利な形容詞です。感動した体験や、目を離せないほど面白い内容に対して使うと、より生き生きとした表現になります。ぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
呪文で縛られた;魅せられた