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piracy
解説
名詞 “piracy” を徹底解説
1. 基本情報と概要
単語: piracy
品詞: 名詞 (noun)
意味 (English): The act of attacking and robbing ships at sea, or the unauthorized use or reproduction of another’s work.
意味 (日本語): 海賊行為、または著作物などを無断で使用・複製する行為のことです。
「海賊行為」は昔から海で船を襲うイメージが強いですが、現在では「著作権侵害」のようなニュアンスでも使われます。たとえば、映画や音楽を無断でコピーし、ネット上で配布する行為などにも使われる単語です。
活用形:
- 名詞のため、通常は “piracy” の形です。複数形は文脈によって “piracies” と表すこともありますが、あまり一般的ではありません。
他の品詞形:
- 動詞化された形は通常ありませんが、関連表現として “to pirate (something)”(海賊となる、あるいは無断で複製する)があります。
- 例: “He pirated the software.”(彼はソフトウェアを不正コピーした)
CEFRレベル: B2(中上級)
- 海賊行為を指す歴史的・法律的な用語から、デジタル著作権の分野までカバーするため、やや専門的な語彙となります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- piracy
- 語幹: “pirat-” に由来し、「海賊」を意味する element を含んでいます。
- 接尾辞: “-cy” は名詞化を示す接尾辞で、状態や行為を意味します。
- 語幹: “pirat-” に由来し、「海賊」を意味する element を含んでいます。
詳細な意味
- 海賊行為
- 海上で船舶を襲い、略奪する行為。歴史上の海賊から現代のソマリア沖での海賊事件などまで含まれます。
- 海上で船舶を襲い、略奪する行為。歴史上の海賊から現代のソマリア沖での海賊事件などまで含まれます。
- 著作権侵害、無断複製行為
- コンテンツ(音楽、映画、ソフトウェアなど)を著作権者の許可なく無断でコピー・配布する行為。
関連表現・コロケーション(10個)
- “commit piracy” – 海賊行為を犯す
- “software piracy” – ソフトウェアの不正コピー(ソフトウェア海賊版行為)
- “music piracy” – 音楽の無断複製・配布
- “online piracy” – インターネット上での海賊版配布
- “video piracy” – 映像作品の海賊版
- “report piracy” – 海賊行為/無断複製を報告する
- “curb piracy” – 海賊行為/無断コピーを抑制する
- “piracy crackdown” – 著作権侵害等の厳重取り締まり
- “modern piracy” – 現代の海賊行為(海上での実行)
- “rampant piracy” – (大幅に)蔓延する無断コピー行為
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「piracy」は古フランス語 “piraterie” から、中世ラテン語 “piratia” を経て、ギリシャ語の “peirátes(πειρατής)” にさかのぼります。もともとは「海上で略奪をはたらく者」を指していました。
ニュアンス:
- 歴史的には「海賊行為」を意味する非常に犯罪性の高い言葉です。現代ではデジタルの文脈でも使われ、「著作権侵害」を指す際にフォーマル・インフォーマル問わず使われます。
- 口語で「映画をダウンロードした」という場面で “piracy” を使うと、やや法的・犯罪的な響きが強調されるので、カジュアルな文脈でも警告的なニュアンスを帯びることが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 多くの場合 不可算名詞 として使われますが、文脈によっては「ある特定の海賊行為・海賊事件」を指して、可算的に “piracies” と言うこともあります。
- 使用シーン: 法律や国際関係の文章、ニュース、IT関係の文脈(ソフトウェアや映画などの著作権侵害)で多用されます。カジュアルでも使われますが、どちらかというとフォーマルな響きをもつ言葉です。
一般的な構文例:
- “(Subject) was charged with piracy.”(〜が海賊行為で訴えられた/起訴された)
- “(Organization/Company) strictly prohibits piracy.”(〜は海賊版の使用を厳しく禁止している)
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
- “I heard he got in trouble for movie piracy.”
(彼、映画の海賊版コピーで問題になったらしいよ。) - “Online piracy has become a serious issue these days.”
(最近、オンラインでの海賊行為は深刻な問題になってるよ。) - “They’re cracking down on music piracy more than ever.”
(これまで以上に音楽の海賊版を取り締まっているね。)
(B) ビジネスでの例文
- “Our company invests heavily in anti-piracy measures.”
(当社は海賊版対策に多額の投資を行っています。) - “We are working with law enforcement to combat piracy.”
(私たちは当局と協力して、海賊行為を取り締まる取り組みをしています。) - “Piracy can significantly impact our revenue.”
(海賊版行為は私たちの収益に大きく影響します。)
(C) 学術的・専門的な文脈での例文
- “Real-world piracy off the coast of Somalia poses complex international legal challenges.”
(ソマリア沖での実際の海賊行為は、国際法上複雑な問題を引き起こしています。) - “Historical accounts of maritime piracy reveal its influence on global trade routes.”
(海賊行為に関する歴史的記録は、世界の交易ルートに大きな影響を与えたことを示しています。) - “Digital piracy undermines intellectual property rights and innovation.”
(デジタル海賊行為は知的財産権とイノベーションを損ないます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “bootlegging” – (海賊版、主に酒の密造や音楽・映画の違法コピーを指すが、特に歴史的に酒の密造のイメージも強い)
- “infringement” – (権利侵害全般、主に著作権・特許権など)
- “rioting at sea” – (やや古い/限定的な表現で、海上での無秩序行為)
- “robbery at sea” – (海での強盗行為、海賊行為に近い)
反意語 (Antonyms)
- 違法行為を正反対に表現できる言葉として “legitimate use” (合法的使用)があげられます。
ニュアンスの違い:
- bootlegging はコンテンツの海賊版作成や密造酒など、もう少し特定の文脈に絞られる。
- infringement は違法行為のうちでも「権利侵害」に焦点を当てるため、ソフトウェアや著作権などより広範囲に渡るが、海上での実際の略奪行為は含まない。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA):
- 米: /ˈpaɪrəsi/
- 英: /ˈpaɪrəsi/
アクセント: 第1音節 “pi-” に強勢があります (PAI-ra-cy)。
アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- ほぼ同じ発音ですが、アメリカ英語の方が “r” の音をハッキリと発音する傾向があります。
- イギリス英語では “r” の音が少し弱めになります。
よくある発音の間違い:
- 「ピーラシー」のように母音を引き延ばしてしまう場合がありますが、正しくは「パイラシー」に近い音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “piracy” を “pirasy” と綴ってしまうなど、母音を間違ったり “i” と “a” を入れ替えてしまうことがあります。
- 混同しやすい単語: “privacy” と書き間違えることがあります。スペルが似ているので注意しましょう。
- TOEICや英検での出題傾向: ビジネス上の著作権保護に関する話題や国際ニュースの読解問題などで、“piracy” が出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “pirate” は「海賊」を意味するので、そこから転じて “piracy” が「お宝や情報を盗む」行為、というイメージを持つと覚えやすいです。
- スペルは “pirate + cy” と分解し、海賊 (pirate) に “-cy” という名詞形接尾辞がついたものと考えると記憶に残りやすいでしょう。
以上が名詞 “piracy” の詳細な解説です。海上の海賊行為からデジタルにおける著作権侵害まで意味の幅があるため、文脈に合わせて使い分けてください。
意味のイメージ
意味(1)
海賊行為
意味(2)
著作(特許)権侵害