元となった辞書の項目
narrator
解説
1. 基本情報と概要
英語: narrator
日本語: 物語の語り手、ナレーター、解説者
品詞: 名詞 (countable noun: 可算名詞)
意味(簡潔):
英語で「narrator」とは、物語や出来事を語る人、書かれた文章や映像でストーリーを説明する人を指します。日本語では「物語の語り手」、「ナレーター」、「解説者」などと訳されます。例えば小説や映画、ドキュメンタリーの中で、ストーリーや背景を説明する声の主が「narrator」です。ストーリーの視点を示したり、視聴者・読者を物語の世界に引き込んだりする役割を担います。
「こういう場面で使われる、こういうニュアンスの単語です」
- 物語、小説、映画、ドキュメンタリーなどで、ストーリーや状況を説明する声や人物を指します。
- 映像作品では、映像の外から解説や説明をする音声部分(ボイスオーバー)をさすこともあります。
活用形:
- 単数形: narrator
- 複数形: narrators
他の品詞形:
- 動詞: narrate(述べる、語る)
- 例: He narrates his experiences in the book. (彼は本の中で自分の体験を語っている)
- 例: He narrates his experiences in the book. (彼は本の中で自分の体験を語っている)
- 名詞: narration(物語、語り)
- 形容詞/名詞: narrative(物語の/物語)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
比較的アカデミックな文脈や、文学、映画などの解説で見聞きする機会が多い単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- 語幹: “narrat-”(語る、物語る)
- 接尾語: “-or”(~する人・存在を指す接尾辞)
“narrator”は「語る人/語る役割を担う人」という意味をそのまま表した構造です。
派生語・類縁語:
- narration(物語、解説)
- narrative(物語、物語的な)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個):
- first-person narrator(第一人称視点の語り手)
- third-person narrator(第三人称視点の語り手)
- omniscient narrator(全知の語り手)
- unreliable narrator(信頼できない語り手)
- narrator's voice(語り手の声)
- voice-over narrator(ボイスオーバーのナレーター)
- the role of the narrator(語り手の役割)
- the narrator explains the story(語り手が物語を説明する)
- a narrator-led documentary(ナレーターが導くドキュメンタリー)
- narrator commentary(ナレーターの解説)
3. 語源とニュアンス
語源:
- ラテン語で「語る」を意味する “narrare” に由来します。“narrate”や“narration”も同じ語源に基づいています。
歴史的使用:
- 文学作品の中で主に使われる用語でしたが、映像作品やドキュメンタリーでも一般的になりました。
ニュアンスや使用時の注意点:
- 物語性を強調する際に使われることが多く、あくまで「語り手」として物語や状況を解説する立場にある人物を指します。
- カジュアルな会話でも使えますが、文学・映画などの文脈でよりよく登場するため、ややかしこまった印象を与える場合もあります。
よく使われるシーン:
- 文学分析やストーリーテリング関連の話題
- 映画やドキュメンタリー制作の場面
- 文章や映像でストーリーを説明・解説する役割を強調する場合
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞 (countable noun): a narrator / the narrator / narrators
- “narrator”は人を指すため、単数形・複数形で使われます。
- 物語構造を論じる場合、文中で主語や目的語として使用します。
一般的な構文例:
- “The narrator + [動詞] + [内容]”
- 例: “The narrator describes the setting in vivid detail.”
- 例: “The narrator describes the setting in vivid detail.”
- “According to the narrator, + [主張/事実]”
- 例: “According to the narrator, the protagonist was hesitant about the decision.”
イディオムや表現:
- “reliable narrator / unreliable narrator”
- 信頼できる/できない語り手として、文学評論でよく使われる区分です。
使用シーン:
- 小説の分析、映画や演劇の解説としてフォーマルにもカジュアルにも使えます。
- 会話で使う場合は、文芸や映画の話題など、特別なバックグラウンドを想定した場面が多いです。
5. 実例と例文
日常会話での例 (3つ)
- “I loved the audiobook because the narrator had such a soothing voice.”
- (オーディオブックがすごく気に入ったの。ナレーターの声がとても心地よかったから。)
- (オーディオブックがすごく気に入ったの。ナレーターの声がとても心地よかったから。)
- “Who was the narrator in that documentary? I recognized the voice.”
- (あのドキュメンタリーの語り手は誰だったの?声に聞き覚えがあったよ。)
- (あのドキュメンタリーの語り手は誰だったの?声に聞き覚えがあったよ。)
- “This novel's narrator really brought the story to life.”
- (この小説の語り手は本当に物語に命を吹き込んでいたよ。)
ビジネスシーンでの例 (3つ)
- “We’re looking for a professional narrator to record our product tutorial videos.”
- (製品のチュートリアル動画を収録してくれるプロのナレーターを探しています。)
- (製品のチュートリアル動画を収録してくれるプロのナレーターを探しています。)
- “The narrator’s tone is crucial to convey the brand’s message effectively.”
- (ブランドのメッセージを効果的に伝えるためにはナレーターのトーンがとても重要です。)
- (ブランドのメッセージを効果的に伝えるためにはナレーターのトーンがとても重要です。)
- “Could you arrange a narrator for our company’s promotional video?”
- (弊社の宣伝ビデオにナレーターを手配してもらえますか?)
学術的/文芸的な文脈での例 (3つ)
- “In literary theory, the narrator’s perspective shapes the entire narrative structure.”
- (文学理論の観点では、語り手の視点が物語の構造全体を形づくります。)
- (文学理論の観点では、語り手の視点が物語の構造全体を形づくります。)
- “This paper examines how the unreliable narrator influences the reader’s interpretation.”
- (本論文は、信頼できない語り手が読者の解釈にどのような影響を与えるかを考察します。)
- (本論文は、信頼できない語り手が読者の解釈にどのような影響を与えるかを考察します。)
- “The omniscient narrator provides insights into every character’s thoughts.”
- (全知の語り手は登場人物それぞれの思考について見識を示すことができます。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- storyteller(物語を語る人)
- “narrator”に比べると、口承や語りに重きがある印象。
- “narrator”に比べると、口承や語りに重きがある印象。
- speaker(話し手)
- 一般に「話す人」を指し、物語以外の場面でも広く使われます。
- 一般に「話す人」を指し、物語以外の場面でも広く使われます。
- commentator(解説者)
- スポーツやニュースなどで状況を解説する人の意。文学的文脈は少ない。
- スポーツやニュースなどで状況を解説する人の意。文学的文脈は少ない。
- voice-over artist(ボイスオーバー担当者)
- 映像やラジオでの音声解説を中心に指す。より実務的な用語。
反意語
- listener / audience(聞き手・視聴者)
- 語り手を聞く側の人々を指すので、「narrator」とは正反対の立場。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA (アメリカ英語): /nəˈreɪtər/
- IPA (イギリス英語): /nəˈreɪtə/
アクセント位置:
- “re”の部分にアクセントがあります(nə-RAY-tor)。
アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ英語では末尾の “-tor” を「ター(r)」と、イギリス英語では “tə”に近い音で発音します。
よくある発音の間違い:
- 「na-RA-tor」あるいは語頭にストレスを置く発音が間違いやすいポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “narrater”や“narrater”と書いてしまう誤りがしばしばあります。
- “narrative”との混同: “narrative”は「物語・物語の」という意味の名詞/形容詞で、“narrator”は「語り手」であることを区別しましょう。
- 同音異義語との混同: 直接の同音異義語は少ないですが、“narrate” (動詞) と混同しないように注意。
- 試験対策:
- TOEICや英検などではリスニングの選択肢や読解問題で出題される可能性があります。
- 文脈把握の問題で「この単語(narrator)は物語の誰を指すか?」と問われる形式もあり得ます。
- TOEICや英検などではリスニングの選択肢や読解問題で出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
イメージ:
- 映画や小説で「声だけで登場する人」を思い浮かべると覚えやすいです。
- “narrator”は“narra-” (語る) + “-tor” (~する人) で「語る人」と覚えましょう。
- 映画や小説で「声だけで登場する人」を思い浮かべると覚えやすいです。
勉強テクニック:
- 語源“narr(are)”=「物語る」を軸として、narration / narrative / narrator と関連付ける。
- 自分が好きな映画のナレーションを聴いて、この単語を想起するようにしましょう。
- 語源“narr(are)”=「物語る」を軸として、narration / narrative / narrator と関連付ける。
以上が 「narrator」 の詳細解説です。文学や映像の分野で多用される重要な単語ですので、派生語やコロケーションとあわせて覚えるとより理解が深まるでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
語り手,ナレーター