massacre
1. 基本情報と概要
単語: massacre
品詞: 名詞(動詞としても使用可能)
英語での意味
“massacre” は、主に多くの人々を非常に残酷かつ無差別に殺害する行為や事件を指します。
日本語での意味
“massacre” は「大虐殺」「大量虐殺」を意味します。歴史的事件や戦争、紛争などで起きる、大規模かつ残酷な大量殺害行為を表す単語です。
「非常に多くの人を無差別に殺す」という残酷なニュアンスが強いので、使用の際には注意が必要です。カジュアルに使うと不適切に感じられることも多いため、主に報道や歴史、学術的な文脈で使われることが多い単語です。
活用形
- 名詞形: massacre (複数形: massacres)
- 動詞形: to massacre (例: He massacred the entire village.)
他の品詞
- 形容詞形は存在しませんが、形容詞的な使い方として「massacred (惨殺された)」のように過去分詞で形容詞的に使われることがあります。
CEFRレベル
- C1(上級)
感情的・社会的に重大な出来事を表す語であり、主に国際ニュースや歴史を扱う文脈など、抽象度の高い文章・議論に登場するため、上級レベルに該当すると考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
“massacre” は明確な接頭語や接尾語がついているわけではありませんが、フランス語を経由して英語に入った言葉です。
- 語幹: “massacre”
派生語や類縁語
- massacred (動詞「massacre」の過去形・過去分詞形): 「虐殺された」「虐殺した」
- massacring (動詞「massacre」の現在分詞形): 「虐殺している」
よく使われるコロケーション(10例)
- commit a massacre – 大虐殺を行う
- brutal massacre – 残虐な虐殺
- prevent a massacre – 虐殺を防ぐ
- historical massacre – 歴史的な大虐殺
- witness a massacre – 虐殺を目撃する
- massacre of civilians – 民間人の大虐殺
- the site of a massacre – 虐殺のあった場所(現場)
- bloodiest massacre in history – 史上最も血なまぐさい大虐殺
- random massacre – 無差別の虐殺
- horrific massacre – 恐ろしい虐殺
3. 語源とニュアンス
語源
- 16世紀ごろ、フランス語の “massacre”(大虐殺)から英語に取り入れられたとされています。中世フランス語の “macacre” など、いくつかの形があり、当初から「大規模な殺害」を指す意味合いで用いられていました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 非常に残酷なイメージを持つため、気軽に使うと場違いになることが多い言葉です。
- 公式な報道や歴史的な文脈で用いられる一方、口語でも比喩的に「(試合などで)圧勝する」「一方的に取り返しのつかない差をつける」という意味で使うことがありますが、ジョークとしてもやや過激な表現に映るため、使うシーンに注意が必要です。
- どちらかといえばフォーマルな文脈での使用が一般的ですが、ニュース記事や歴史書では頻出する単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞: ふつう可算名詞として「a massacre」「massacres」という形で使われます。
例: “The massacre left the city in ruins.” - 動詞: 他動詞として使われ、「~を虐殺する」という意味を持ちます。
例: “They massacred the opposing forces.”
よくある構文・イディオム
- “to massacre someone/something”: ~を虐殺する
- “the massacre at [場所]”: [場所]で起きた虐殺
- “X was nothing short of a massacre.”: Xは虐殺と言っても過言ではない(比喩的表現)
5. 実例と例文
日常会話での例文(カジュアル・比喩的表現が多い)
“Our basketball team was massacred last night; we lost by 50 points!”
(昨夜うちのバスケチーム、めちゃくちゃやられたよ。50点差で負けたんだ。)“I tried to cook curry for the first time, but I massacred the recipe.”
(初めてカレーを作ろうとしたんだけど、レシピを見事に台無しにしちゃったよ。)“Don’t use the word ‘massacre’ lightly – it sounds too severe.”
(「massacre」って言葉は軽々しく使わないでね。あまりにもきつい響きだから。)
ビジネスシーンでの例文
“If we don’t improve our product quickly, the competitors will massacre our market share.”
(製品を早急に改善しないと、競合他社に市場シェアを根こそぎ奪われてしまうよ。)“During the crisis meeting, the manager said we have to avoid a ‘price massacre’ at all costs.”
(緊急会議の中でマネージャーは、「価格の大暴落(価格戦争)は絶対に避けなければならない」と言いました。)“He used the term ‘massacre’ metaphorically to describe the project failure, but it sounded harsh.”
(プロジェクトの失敗を「massacre」という言葉で比喩的に表現していたけど、きつい言い方に聞こえたよ。)
学術的・歴史的な文脈での例文
“The historical records indicate that the massacre occurred in the late 18th century.”
(史料によると、その大虐殺は18世紀後半に起こったとされています。)“Scholars still debate the causes behind the infamous massacre and its long-term impact.”
(研究者たちは、あの悪名高い虐殺の原因とその長期的な影響について未だに議論しています。)“The museum exhibit focuses on documenting the atrocities committed during the massacre.”
(その博物館の展示は、大虐殺の際に行われた残虐行為を詳しく記録することに焦点を当てています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- slaughter(虐殺)
- 「殺りく」「酷い虐殺」の意味。対象が動物の場合にもよく使われる。
- 「殺りく」「酷い虐殺」の意味。対象が動物の場合にもよく使われる。
- mass murder(大量殺人)
- より法的・犯罪的文脈での「多人数殺害」を指す語。
- より法的・犯罪的文脈での「多人数殺害」を指す語。
- butchery(残虐行為)
- 本来は食肉処理を指すが、残酷な殺戮を表す場合にも使われることがある。
- 本来は食肉処理を指すが、残酷な殺戮を表す場合にも使われることがある。
- bloodbath(血の海)
- 非常に生々しい表現で、残酷な場面や大量殺害を指す際に使われる。
反意語
- rescue(救出)
- 殺害の反対に当たる、人を助ける行為。
- 殺害の反対に当たる、人を助ける行為。
- salvation(救済)
- 宗教的・精神的にも「救い」を意味する語。
類義語との違いとして、「massacre」は特に「組織的・大規模・残酷」という要素が強調される点が特徴です。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- 米語: /ˈmæs.ə.kɚ/
- 英語(イギリス): /ˈmæs.ə.kə/
- 米語: /ˈmæs.ə.kɚ/
アクセント(強勢)の位置: 語頭の “mas” の部分に強勢があります。
よくある間違い:
- “massacure” と誤って「-cure」と書いてしまうスペルミスが多いです。
- 語末が “-cre” で終わると意識しておきましょう。
- “massacure” と誤って「-cure」と書いてしまうスペルミスが多いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 負荷の強い表現であるため、日常会話や軽い冗談で使うのは不適切な場合があります。
- スペルミス: “massacre” を “massacer” や “massacure” と書いてしまうことが多いので注意。
- 同音異義語は特にありませんが、発音が似ている “masquerade (仮面舞踏会)” などと混同しないように注意。
- TOEICや英検などでは直接この単語が出題されることは多くありませんが、読み物の中で遭遇する可能性があるため、確実に意味を把握しておくと良いでしょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- つづりの覚え方: “mass” + “a” + “cre” と3つの塊に分けて覚えるとミスが減ります。
- イメージ: 「mass」は「大きな集団」、「acre」は「土地」を連想できるので、たくさんの人が集中したところで起きる悲惨な行為、とイメージすると覚えやすいでしょう(ただし語源自体は異なる可能性があります)。
- 勉強テクニック: 過去の歴史事件など、「◯◯の大虐殺」を扱う資料や記事を読む際に必ず目にする単語なので、そういった文脈で繰り返し触れると記憶に定着しやすいです。
以上が、名詞 “massacre” の詳細な解説です。歴史的トピックや報道記事で登場する重要単語ですので、意味と使い方をよく理解しておきましょう。
大虐殺,皆殺し