(人が)『知識がない』,無知な,教育を受けていない / 《補語にのみ用いて》『知らない』,気づかない(unaware) / 《話》(行為などが)無知から起こる,非常識な
ignorant
1. 基本情報と概要
単語: ignorant
品詞: 形容詞 (adjective)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 「ignorant」は「知らない」「無知な」という意味をもつ形容詞です。
- 日本語では、「~についての知識がない」「無知な」「無頓着な」などのニュアンスになります。
- たとえば、「彼はそのテーマについてよく知らない」というように、ある特定の分野や事柄についての知識を欠いていることを強調したいときに使われます。
- ときに「失礼なくらい何も分かっていない」ニュアンスで使われる場合もあります。
活用形について
形容詞のため、直接的な動詞のような時制変化はありませんが、比較変化があります。
- 原級: ignorant
- 比較級: more ignorant
- 最上級: most ignorant
他の品詞形
- 「ignorance」(名詞): 無知、無知であること
- 「ignore」(動詞): 無視する
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「ignorant」はラテン語の“ignorare”(知らない)を語源としています。
- 接頭語や接尾語というより、ラテン語由来の形容詞形が英語に入ってきた形と考えるとよいでしょう。
関連語(派生語・類縁語など)
- ignorance (名詞):無知、無学
- ignore (動詞):無視する
- unaware (形容詞):(意識していない・気づいていない)
- uninformed (形容詞):情報不足である
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- be ignorant of …(…を知らない)
- remain ignorant of …(…を知らないままでいる)
- utterly ignorant(まったく無知である)
- ignorant attitude(無知な態度)
- painfully ignorant(痛ましいほど知識がない)
- politically ignorant(政治について無知な)
- culturally ignorant(文化的背景に無知な)
- blissfully ignorant(何も知らないがゆえに幸せな)
- ignorant remark(無知深い発言・見当違いな発言)
- dangerously ignorant(危険なほど知らない)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の“ignorare”(「知らない」)から派生。英語では14世紀ごろから「知識がない」という意味で使われてきました。
ニュアンスと使用時の注意点
- 「知らない」という意味だけでなく、ときに「無知であることを非難する・失礼である」といったきつめのニュアンスを持ちます。
- 相手に対し「ignorant」と指摘すると、非常に失礼に聞こえる場合がありますので使用には注意が必要です。
- 日常会話やカジュアルなシーンでも使われますが、人を直接「ignorant」と呼ぶのは避けたほうが無難です。主に書き言葉や批評の文脈などで用いられがちです。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として名詞や代名詞を修飾します。また、補語として使われることも多いです。
- 可算・不可算は関係ありません(形容詞なので)。
- フォーマル/カジュアル:
- 批判的な含みを持ち、ややフォーマルな文脈からカジュアルな文脈まで幅広く使えますが、相手を否定的に形容するときには強い表現になるので注意が必要です。
- 批判的な含みを持ち、ややフォーマルな文脈からカジュアルな文脈まで幅広く使えますが、相手を否定的に形容するときには強い表現になるので注意が必要です。
5. 実例と例文
以下、日常会話・ビジネス・学術的な文脈それぞれ3例ずつ示します。
日常会話
“I was ignorant about how to cook pasta, so I just followed the recipe.”
→ (和訳) 「パスタの作り方を知らなかったから、レシピに従ったんだ。」“Don’t be ignorant of your neighbors’ customs. Try to understand them.”
→ (和訳) 「ご近所の習慣を知らないままでいないで、理解しようとしてみて。」“I was completely ignorant about that movie’s plot!”
→ (和訳) 「あの映画のあらすじをまったく知らなかったよ!」
ビジネス
“We cannot afford to remain ignorant of our competitors’ strategies.”
→ (和訳) 「競合他社の戦略を知らないままでいるわけにはいきません。」“Her comment seemed ignorant of the project’s budget constraints.”
→ (和訳) 「彼女の発言は、プロジェクトの予算制約をまるで知らないかのように見えました。」“I don’t want to appear ignorant in the meeting, so I’ll study the report beforehand.”
→ (和訳) 「会議で無知な印象を与えたくないから、事前にレポートを読んでおきます。」
学術的な文脈
“It would be ignorant to dismiss the findings without proper analysis.”
→ (和訳) 「適切な分析なしにその研究結果を退けるのは無知と言えるでしょう。」“Scholars suggest that being ignorant of historical contexts can lead to misinterpretation.”
→ (和訳) 「歴史的背景を知らないことは誤解を招くと、研究者たちは指摘しています。」“Students must not remain ignorant of the primary sources when conducting research.”
→ (和訳) 「研究を行う際、一次資料を知らないままにしておくべきではありません。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- uneducated(教育を受けていない)
- unaware(気づいていない)
- uninformed(情報不足の)
- naive(世間知らずの/単純な)
- 「ignorant」は、「知らないだけでなく、ある程度の学ぶ姿勢の欠如や社会的な背景の無視」を示唆する場合があります。
- 「unaware」はただただ「気づいていない」という意味で、ネガティブなニュアンスはやや弱め。
- 「uninformed」は「情報が行き渡っていない状態」を表し、ややフォーマル。
- 「naive」は「世間知らず」「単純すぎる」とかなり感情的ニュアンスも含む場合があります。
反意語 (Antonyms)
- informed(情報を得た)
- knowledgeable(博識の)
- educated(教育を受けた)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈɪɡnərənt/
- アメリカ英語 (AE): [イグナァ(r)ント] /ˈɪɡnərənt/
- イギリス英語 (BE): [イグナ(r)ント] /ˈɪɡnərənt/
- 第2音節 “-nor-” の部分を強めるのではなく、第1音節 “IG-” にやや強勢が来る点に注意してください。
- 単語の最後の “-ant” は、あまり強く発音しないのが特徴です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス例: × “ignorent” → ○ “ignorant”
- 「ignore」(無視する) と混同してしまう学習者がいますが、品詞も意味合いも異なります。
- 試験対策(TOEIC・英検など)では、読解問題の選択肢や単語問題で「他者を非難するニュアンスを含む形容詞」として出題されることがあります。文脈のトーンを考慮して理解すると役立ちます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ignore(無視する)」と同じ語根を持つ、という点で覚えやすいかもしれません。「知らない」というより「目を向けていない」というニュアンスを連想しやすいです。
- 「ignorant」を「イグノレント」と読むときは、最初の“イグ-”に強勢を置くリズムを頭に入れると自然に覚えられます。
- 「無知」を示す言い方としてネガティブに聞こえやすい表現なので、うっかり人への直接的な指摘には使わないよう注意しましょう。
このように、「ignorant」は「知らないこと」を意味する形容詞ですが、相手を侮辱するように捉えられる可能性があるため、慎重な使い方が必要です。しっかりとニュアンスや文脈を考えて活用してみてください。
(人が)知識がない,無知な,教育を受けていない
《補語にのみ用いて》知らない,気づかない(unaware)
《話》(行為などが)無知から起こる,非常識な