元となった辞書の項目
dispensable
解説
1. 基本情報と概要
英単語: dispensable
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): Not necessary; capable of being omitted or done without.
意味(日本語): 必要ではない、なくても問題ない、代わりがきく。
「何かを省いても大丈夫、あるいはあまり重要ではないといったニュアンスの形容詞です。人や物事がそこまで不可欠ではない、取り替え可能である、というニュアンスをもっています。」
CEFRレベル: B2(中上級)~C1(上級)
(例:B2は中上級レベルで、複雑な事柄をある程度の正確さで理解・議論できる段階です。C1は上級レベルで、高度な文脈でも柔軟に自分の意見や情報を表現できる段階です。)
活用形
- 形容詞なので、動詞のような時制による活用はありません。
- 比較級・最上級の場合は、通常は形容詞が長いため “more dispensable” “most dispensable” の形を取ります。
他の品詞形
- 動詞形: “dispense”(~を分配する、施す、免除する 等)
- 否定形容詞: “indispensable”(不可欠な、絶対に必要な)
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭辞: なし
- 語幹: “dispens” (「分配する・免除する」という意味を含む“dispense”に由来)
- 接尾辞: “-able” (「~できる」という意味を持つ形容詞化の接尾辞)
「dispensable」は「要らないわけではないが、無くなっても問題がない」「別のもので代用可能である」というニュアンスを持ちます。
関連する派生語や類縁語
- dispensary(名詞): 処方室・薬局
- dispensation(名詞): 特免、免除、配剤
- dispense(動詞): 分配する、施す、免除する
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- “dispensable asset” – 不要な資産
- “dispensable resource” – 代わりがきく資源
- “consider someone dispensable” – 誰かを不要とみなす
- “render something dispensable” – 何かを不要にする
- “prove dispensable” – 不要であると判明する
- “regard A as dispensable” – Aを不要と見なす
- “dispensable staff” – いてもいなくてもいいスタッフ
- “make oneself dispensable” – 自分を不要にする(大抵はネガティブな文脈)
- “become dispensable” – 不要になる
- “treat as dispensable” – 不要として扱う
3. 語源とニュアンス
- 語源: ラテン語 “dispensare”(分配する、秩序づける)に由来し、それがフランス語を経由して英語の “dispense” となりました。そこから形容詞化したのが “dispensable” です。
- 歴史的変遷: 主に要否を問う文脈で「なくても問題ない」「省くことができる」という意味合いで使われてきました。
- 使用時の注意点:
- ややフォーマルまたは文章でよく使われますが、カジュアルな会話でも「なくてもいい」「大して重要ではない」という意味を込めて使用されることがあります。
- 「indispensable(不可欠な)」と正反対の意味ですので混同しないよう注意が必要です。
- 人に対して使うと、「あまり重要ではない人、いつでも切り捨てられる人」といったネガティブな響きになります。
- ややフォーマルまたは文章でよく使われますが、カジュアルな会話でも「なくてもいい」「大して重要ではない」という意味を込めて使用されることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞なので、名詞を修飾するか、補語として使われることが多いです。
例: “He is dispensable.”(彼はいてもいなくてもいい存在だ。) - 可算・不可算: 形容詞なので該当しません。
- 主にフォーマル/準フォーマルな文章で使用されることが多いですが、人や物事が「必須ではない」ことをカジュアルに指摘したいときにも使われます。
一般的な構文例
- “(Subject) is dispensable.”
- “(Subject) is not dispensable.”
- “(Subject) seems dispensable.”
- “We find (something) dispensable.”
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “This old TV is dispensable now that we have a new one.”
(新しいテレビを買ったから、この古いテレビはもうなくてもいいよ。) - “I’ll just skip the introduction if it’s dispensable.”
(導入部分が不要なら、飛ばしちゃおうかな。) - “Are these decorations really dispensable for the party?”
(この飾りつけって、本当にパーティーに必要ないの?)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “Management deemed some positions dispensable.”
(経営陣は一部の職を不要とみなした。) - “You should never make your team feel dispensable.”
(チームに対して、いつでも切り捨てられると思わせるべきではありません。) - “This feature is deemed dispensable in the latest product update.”
(その機能は最新の製品アップデートでは不要と判断されています。)
(3) 学術的/フォーマルな文脈での例文
- “According to the study, certain additives are dispensable under these experimental conditions.”
(その研究によれば、この実験条件下ではある種の添加物は必要ないとされている。) - “It was concluded that historical context is not dispensable to understand the text’s significance.”
(そのテキストの意義を理解するうえで、歴史的背景は切り捨てられないと結論付けられた。) - “Many argue that formalities in academic discourse are not always dispensable.”
(学術的な議論において形式的な要素が常に不要とは限らないと、多くの人が主張している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- unnecessary(不要な)
- もっとストレートに「必要がない」という意味
- もっとストレートに「必要がない」という意味
- expendable(消耗品のような扱いで、なくても問題ない)
- どちらかというと「使い捨て」のニュアンスが強い
- どちらかというと「使い捨て」のニュアンスが強い
- nonessential(本質的でない)
- “essential”の反対語として頻繁に使われる
- “essential”の反対語として頻繁に使われる
- redundant(余分な、重複した)
- データや情報、設備などが重複している場合に使われることが多い
- データや情報、設備などが重複している場合に使われることが多い
反意語 (Antonyms)
- indispensable(不可欠な)
- essential(重要な・本質的な)
- necessary(必要な)
- critical / crucial(重大な・重要な)
ニュアンスの違いとしては、“expendable”は「いざとなったら容易に捨てられるもの」という意味合いが強く、対して“dispensable”は「使う必要のない」「そこまで重要ではない」というニュアンスで、捨てる/捨てないというよりは「無くても構わない」ことを指す場合が多いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /dɪˈspɛnsəbl/
- アメリカ英語(AmE)・イギリス英語(BrE)の発音差はほとんどありませんが、アメリカ英語では /dɪˈspɛnsəbl/、イギリス英語では /dɪˈspensəbl/ と母音の微妙な違い(ɛ と e)のように聞こえる場合があります。
- アクセントは “-spen-”の部分に置き、[dɪ-SPEN-sə-bl] のようなリズムになります。
- よくある発音ミス: “dis-pen-SAY-ble” のように強勢を後ろにずらす間違いがありますが、正しくは “di-SPEN-suh-bul” です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “dispensible” と “dispensable” を混同する方が多いです。正しくは “dispensable” (後半が “-able”)。
- “dispensible” と “dispensable” を混同する方が多いです。正しくは “dispensable” (後半が “-able”)。
- 類似語との混同
- “indispensable” と真逆の意味になるので注意してください。
- “indispensable” と真逆の意味になるので注意してください。
- 試験対策
- TOEICや英検などで “indispensable (不可欠)” の反対語として問われることがあります。派生語のつながりを覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- ヒント: “dispense” は「分配する」「省く」というイメージ。そこに “-able (できる)” が付くことで「省くことができる→なくてもいい」と覚えることができます。
- イメージ: “ディスペンサー(dispenser)”には液体などを「出す」機能がありますが、要は「配って空にできるもの」→「無くてもOK」という連想をつけると覚えやすいかもしれません。
- 勉強テクニック:
- 反対語の “indispensable” とセットで覚えておくと試験勉強に役立ちます。
- 自分の中で「これは dispensable、これは indispensable」と日々の生活の中で振り分けてみると自然に覚えられます。
- 反対語の “indispensable” とセットで覚えておくと試験勉強に役立ちます。
以上が “dispensable” の詳細な解説です。ぜひ反意語である “indispensable” とあわせて覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
なくても済む,必ずしも必要ではない